557.文字は縦に書く。日本語は書くことに歴史の意味がある【出版論第2章】新シリーズ「著作者になる!㉟」

1.美しい文章、美文は相手の心に残らない!
文章は下手でかまわない。
文章は美しくなくてもかまわない。
文章はキレイでなくてもかまわない。
ただ相手の心に残ればいい。
「初夏の風にうっすらと肌が汗ばんでまいりました」
「鮮やかな若葉の色がまばゆいほどの季節です」
「吹く風ももう夏の香りを運んでまいりました」
これは一般的なご挨拶文。
どうでしょう。丁寧で文は美しい。
しかし、文章は美しく、キレイであれば人の気持(感情)が届くと思ったら大間違い。たしかに文章は下手より上手の方がよいと思う人が圧倒的かもしれませんが、これでは個性とか独自性なんて伝わらない。
どうしてって。
だってありきたりの言葉ですもの。みんな似てしまう。
どこでも使われているような言葉ほどつまらない文はない。
それに、相手の顔(感情)がわからない。
つまり、心にまったく残らないということです。
親しみを感じない、あたたかさを感じない、心に残らないのが美しい言葉、キレイな言葉、多くの人が使っている言葉です。
これが美しく、キレイな、上手な言葉の弊害です。
(別に悪いことではありませんが、上手く書こう、美しく書こうと拘れば拘るほど、文章と言うものは、書きにくくなる気がする)
このnoteを読んでいる人たちすべての人が、おそらく、有名な文芸作家になろうとか、大学教授のような難しい論文を書こうとか、小説家を目指している人たちではないと思っています。ですから、もっと、もっと表現は自由でかまわない。
もっと、もっと自然でかまわないですよね。これがビジネスなら売ることが目的ですから違うかもしれませんが...。
たとえば、
「初夏の風にうっすらと肌が汗ばんでまいりました」
「鮮やかな若葉の色がまばゆいほどの季節です」
「吹く風ももう夏の香りを運んでまいりました」という、一般的な挨拶文に対して、
「こんにちは!暑い、暑い夏が来ましたね」
「若葉って、とても可愛らしいですね。この季節は大好きです!」
「なんだか、そろそろ夏の匂いがしませんか?」
この方がわかりやすい、伝わりやすい気がします。
たしかに決して美しく、キレイな言葉ではありませんが、相手の心に残ればいいのですから、思うまま、感じるままが本当の自分らしさの表現で、その自分らしさが独自性のある著作者になる近道のような気がします。

2.日本語は書くことに歴史の意味がある
何度もいいますが、パソコン文字や文章を否定しているわけではありません。パソコンやケータイも今の世の中、大切で必要なものです。それは、それで素晴らしい。
ここでは「書く」ことの楽しさをお伝えしているだけです。
ここで、簡単ですが、日本語文章の正しい使い方をお話しします。
もともと本の世界、印刷の世界、イラストや絵、書の世界でも共通しているものがあります。
それは「天」と「地」という言葉です。
紙面に向かって上の部分を「天」と呼び下の部分を「地」という。
寸法の世界でもA4サイズを天地(縦)297×左右(横)210センチメートルといったりするように必ず紙を横に置いても上の方を「天」、下の方を「地」といいます。
このように、誰かに言われなくとも人は無意識のうちにこの「天」と「地」を理解しているはずです。
ですから、文章というのは論文や一部の文章を除いてはほとんどが上から下に書かれています。
パソコンなどは横書きが主ですが、本は縦書きが多い。
最近は横書きの本も増えてきていますが、わたしはこのような本はただ見にくく感じます。パソコン上の文章も同じ、疲れます。(ただし、長い文章の場合)
↓こんな本がありました。


京都精華大学教授の石川九楊さん、平成3年『書の終焉—近代書史論』でサントリー学芸賞、平成14年『日本書史』で毎日出版文化賞を受賞した方で、祥伝社より発行された横書きが日本人を壊している『縦に書け!』という本の中で、次のことをいっています。
「『天地神明に誓って』という言葉があるように、縦に書くこと、天すなわち神に誓った言葉であることを意味します。特別な宗教がなくても、日本人は書くことで宗教的な心を着なってきました。日本人の心が荒廃してきたことと、縦書きが忘れられてきたことは、決して無関係とは考えられません」
また、「縦に書き、横に話す」と「横に書き、縦に話す」ということについては、
「日本語を横書きでよいと考える人は、英語を容認できるでしょうか?もちろん、ありえないことです。しかし日本語を横に書くというのは、実は、これは愚行です…。
漢字を中心にした東アジアの言葉は「体に書き、横に話す」という構造になっており、日本の文科は、この構造に規定されています」
と述べています。
日本語の文字と文は「天」と「地」の持つ現実の世界を写し取るひとつの表現として、天(上)から地(下)に向かって垂直に掛れるもの、すなわち縦に書くものとして生まれ、育ってきたもので、それを横に書くということは、ほとんど英語を縦書きするのに等しいことです。
「I write laterally」を「I write laterally.」と筆記体で「縦書き」にすることは困難であり、異様です。日本語を「横書き」にすることの意味とは、基本的にはこれと同じです。
書くことが「自省」と「自制」を生む。
かつては「蟹行文」という語がありましたが、ワープロやパソコンで文を「横向き」に書く、あるいは携帯電話でメールを打つ場合は、「天」と「地」という上下の関係と重力を意識する必要はなくなります。
言葉はまるで川の流れのように、横にさらさらと流れていくだけです。
もちろん、それでも考えながら書いてはいるのですが、そこかに天からの重力は存在しませんから、たえる力も踏みとどまる力も生まれず、「自省」や「自制」の力が働く予知は少なくなります。
したがって、「横書き」の言葉は、話し言葉に近い、
手応えの薄い言葉にならざるをえません。(すべてではありません)
このようにもともと日本語は縦につくられており、横に使用するために作られてはいなかったということがわかります。(筆字がまさにそうですね)
横文字、横書きの文章の見にくさとはこのようなところから生まれているかもしれません。これは書道などの世界をよく見るとわかりやすいかもしれません。
だからといって、わたしは横書きの文章を否定しているわけではありません。このnoteなどは横書きです。長い長文(本一冊分)の場合は読み苦しいかもしれませんが、5,000文字くらいの横書きが読みやすい気がしますね。
文字数4,223文字
次回【出版論第2章】
新シリーズ「著作者になる!㊱」最終回【中編6.】に続く~
作品ナンバー600作品より新シリーズ準備中~乞うご期待。

※さて、毎回、過去作品ですが。「noteと著作権・noteの著作権」として、お役に立ちますよう5作品ずつご紹介いたします。もうすぐ600作品超えてしまうとバックナンバーから消えてしまいますので、(自分の「記事」には残ります)消える前に5作品ずつ掲載することにしました。その後は過去記事のバックナンバーマガジンを作成して保存します。それまでお時間がありましたら「著作権の基本編」をお読みください。みなさまのお役に立てば幸いです。(※実際に確認したい場合は、800~1000作品投稿している方のnoteをご確認ください。)

ラインスタンプ新作登場~
「noteと言う世界」第3章書くnote「出版論」シリーズを始めました。どうか引き続きお読みください。
また、日々、拘束されている仕事のため、また出張も多く、せっかくいただいているコメントのご返事。お問い合わせメール、お手紙等のお返事がかなり遅れています。しかし、必ず読ませていただいていますのでどうかお許しください。
では、また(月)(水)(金)にお会いいたしましょう。
いつも読んでいただいて心から感謝申し上げます。

※本内容は、シリーズ「noteの世界」というテーマで著作権等を交えて解説、感想及びnoteの素晴らしさをお伝えしていく予定です。
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それらのテーマの一部がこのnoteにしているものです。ぜひ、楽しみながらお読みください。
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本内容は、全国の都道府県、市町村、学校、NPО団体、中小企業、noteの皆様、クリエイター、個人の方々を対象としているものです。また、全国の職員研修での講演先のみなさまにもおすすめしています。
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