見出し画像

あやが付くこと 最後まで➂


 「赤べこ」の会津鉄道に乗り換えて、
 湯野上温泉駅へ到着。

 しかし、相変わらずの土砂降り。

 そうでしょうとも。
 雨男が降り立ちましたから。
 
 駅舎を撮りたくて、
 もたもたしていると、
 「バスの時間に間に合わねぇ!」
 と急かされる。

大内宿へ向かうマイクロバス
車窓から見た湯野上温泉駅

 まぁ、私はいつもこんな調子で
 言われるのに疲れるから、
 無言で坂の移動に集中する。

 ゆるい階段だけど、杖突く人には、      
 だんだんと辛くなる。

 雨降りの日は、
 杖先の滑り止めのゴムと
 接地面との相性が悪いと、
 体重掛けて突いた途端に
 ツルンと滑るから、ヒャッとする。

 U字溝の蓋の穴に杖先を落として、
 危ない思いをしたこともある。

 慎重に着実に…
 何とかバスに乗り込むと、
 20分程度で到着する予定という。

 山道のワインディングロード。
 両脇には鬱蒼とした緑。

 谷の深い山々の重なりに、
 これ晴れてたら最高だった筈。

 と思いつつ、ちらほら白い葉っぱの
 マタタビを沢山目にした。

ちなみに
これは参考として
私の地元のマタタビです

 川の水も清らかで、
 窓から風を受けて走ったら、
 どんなに心地良かっただろうか…

 晴れなんて…無理じゃん。

 諦めろ〜 諦めろ〜と、
 催眠術かけてくれそうなワイパーを
 眺めながらの到着。

 バスのステップの上で、
 傘を差す準備をし、広げる傍から、
 肩とリュックがあっという間に
 濡れていく。

 晴雨兼用の小さな折り畳み傘では、
 この雨に太刀打ち出来ないことを、
 まもなく思い知る。

 大内宿への細道は、
 前を歩く人達の、
 傘の花が揺れている。

 沿道に濡れたコスモスが、
 茎をくねらせて咲いている。

 そして、この景色が目の前に
 待っていた。

この道沿いに
ずらりと立ち並んでいる
奥の家で袋小路の様になっている

 藁葺き屋根が道を挟んで、
 ずらりと立ち並んでいる。

 タイムスリップしたかの様だ。

 古い町並みが好きな私には、
 和む場になった。

 でも、そう簡単には
 和ませてくれないのが夫である。
 
 雨で急いだせいだろう。
 
 夫が、とあるお店の軒先で、
 立ち往生している。

 ウエストポーチのファスナーの
 スライダー(動くところ)が、
 リュックのサイドにある
 メッシュポケットの網に
 引っ掛かるハプニングで、
 イラついている。

 旅先でドッカン💥されては
 興醒めなので、
 さっさと対処せねば。

 手を貸して外した時、実に侵略的な
 事件が起こっていた。

 傾けた傘から、貯まった雨水が、
 そそ〜っと、
 フレア裾のズボンの左足へ。
 縦半分に伝い落ちた。

 冷たっ!

 あ〜ぁ、何ということでしょう。
 ずぶ濡れでございまする〜。

 座るに座れず、歩く度に冷え冷え。


 不幸中の幸いは、
 「お漏らし疑惑」を免れた位置
 ということだけ。
 
 この時より、
 密かな「ズボン乾燥ミッション」が
 始まったのだった。

 乾く気が全くしない。
 
 冷たくて気持ち悪い、
 そんなリアクションをしても
 何の反応もない夫。

 だって、自分は冷たい思いして
 困ってないですから…

 最悪じゃないですか。

 いつも損な役回りは、
 私持ちと決まっている。

 やっぱり、そう思ったわ〜。

 あやが付くことには必ず、
 何かずっとあやが付くってね。

 そのお店の数軒先のお店で、
 会津木綿ではないけれど、
 もんぺを見つけた!

 間に合わせにするには…
 お高いかな。
 
 買いたいアピールし掛けて…
 でも、後々これを着るかと言えば、 
 答えはNOだから、諦めた。

 ついてない時は、
 トコトンついてない。

 それでも、1つだけ救いがあった。
 私には大切な出会い。

 1株の大きな百合とおぼしき花。

ここで出会えるなんて、運命かも。

 ガッカリな気分が、吹っ飛んだ。

 note で仲良くさせて頂いている
 るるさんの記事を拝見した事で、
 知った花だったからだ。
 北海道では、トゥレプという。

 しかも、この花は咲くまでに
 7年以上の時間を要するという。
 「オオウバユリ」

 これは!間違いない!

雨の雫をまとう
オオウバユリ

 福島県で出会えたなんて、
 ラッキーー!

 こんなに大きくて、
 綺麗な花が咲くんだ!

 嬉しい上書きで、
 冷たいズボンを無かったことに
 一瞬でも出来たのは奇跡的だ。

 るるさんから、
 トゥレプの記事のご紹介を
 快諾頂きました。
 本当にありがとうございます。
 
 実際に目に出来た感動が、 
 この旅一番の思い出になりました。  

 長くなってしまったので、
 続きは➃で語らせて下さいね。

いいなと思ったら応援しよう!