接客で発揮する「共感」とは?|2つのエピソードから考える感情的価値
こんにちは、接客応援団アールです。
私は顧客満足を専門とした研修講師を主軸としています。
さて、接客でも営業でも「共感が大切」と言われますね。
ですが、共感力を活かした言葉選びは案外難しいものです。
今回は、先日耳にした素敵な共感の言葉と、記憶に残っている共感の難しさを感じたケースから、改めて接客で使う共感について考えたいと思います。
心強い言葉を伝えてくれたクリニックの受付
先日、メンタルクリニックに通院しているAさんからこんな話を聞きました。
Aさんは体調がすぐれず、次の予約日まで待てそうにないと思い、ネットで予約画面を確認しましたが、予約はいっぱいで空きはありませんでした。
それでもどうしてもつらく、思い切って病院へ電話をしたそうです。
そのとき、電話に出た受付の方の言葉選びが、本当に素晴らしいなと思いました。
Aさんの状況を聞いた受付の方は、こう言いました。
「すぐに一番早い時間をお探しします。」
一見すると、よくある受付対応のように感じるかもしれません。
けれど私は、この言葉の中にとても大切な共感の姿勢が表れていると感じました。
私が素晴らしいと思った理由
私が感じた共感の姿勢。
それは、この受付の方が、予約という自分の業務ではなく、
目の前の「人」に焦点を当てていると感じる言葉を伝えていたからです。
受付の方は、Aさんが次の予約をしているのに電話をしてくると言うことは、おそらく助けを求めているんだなと相手の立場で感情を受け止めたと思うのです。
状況的には、「お探しします」ということは、予約の空きを調べる前の段階だと思うのです。
その状況であれば、
「少々お待ちください」
「空きをお調べします」
と返答することが多いでしょう。
これは業務を焦点にした言葉だと思います。
そこを、
「すぐに一番早い時間をお探しします。」
「空いている時間」ではなく、「一番早い時間」という、今つらい相手が本当に求めていることに寄り添う姿勢。
また、「お調べする」「確認する」という受け身ではなく、「お探しする」という能動的な言葉。
これは、患者さんの感情や困りごとという"人"に焦点を当てているから生まれる言葉だと思います。
「あなたのつらい気持ち、受け取りました。
力になります。」
というメッセージが受け取れる力強い優しさがあるなと感じました。
これが、相手の立場で感情を受け止める共感の言葉だと思うのです。
この言葉選びの細やかな違いが、大きな安心感や、頼りがいへと繋がっているのではないでしょうか。
顧客満足視点でみると

顧客満足を支える価値には、
モノやサービスが生む機能的価値と
人の感情が生む感情的価値があります。
現代では感情的価値が、よりお客様の満足に影響を与えるとされています。
今回のケースに当てはめると、
機能的価値は予約ができる。
感情的価値はその予約を通じてどんな気持ちを受け取ったのか。
今回の言葉は、まさに感情的価値を生み出しているエピソードなのです。
共感って難しいと考えさせられた出来事
今回のこのエピソードでふと思い出した話があります。
何年か前に、心理学の協会の勉強会で、「最近腹が立った出来事」という題材で話し合う機会がありました。
参加者のBさんは、お母様の訪問看護について話してくれました。
「予約日に母が緊急入院したので、訪問看護にキャンセルの電話をしたんです。そしたら『ご連絡ありがとうございます』って言ったんですよ!」
ん?腹が立った出来事ですよね?
今の話の中で、そんなに憤慨することあったかな?
と聞いていたみんなが少し思いました。
Bさんは続けて
「普通そこで診ている患者さんのこと、気にならない?ありがとうって…今の病状どうですか?どんな状況でしたか?って気になるでしょ!」
と怒っていました。
あー、そうか、Bさんはお母様をすごく心配されて不安だったんだなって思いました。
普段のお母様を知っている誰かと、少し分かち合いたかったのだなと。
「ご連絡ありがとう」は、その不安を共に感じている言葉じゃなく、
サービス提供者としての、連絡に対する感謝の言葉だったから悲しくなり、怒りに繋がったのかなと思いました。
過去の話から学んだこと
私も研修では、
「ご連絡くださったことへ配慮や感謝を伝えましょう」
と指導することも多いです。
でも配慮の言葉を伝えるだけではなく、その場に合う言葉を伝える重要性を改めて考えさせられた出来事でした。
相手に共感するというのは深いからこそ、”心の置き方”が大切ですね。
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