生の声からストーリーを紡ぐ!人を動かすイベントテーマの作り方【ノンプロキャンプおすそわけ05】
こんにちは!タカハシノリアキです。
シリーズ「ノンプロキャンプおすそわけ」では、ノンプログラマーのためのテックの祭典「ノンプロキャンプ2026」が開催されるまでのリアルな企画・運営プロセスの裏側をお裾分けしています。
前回は、参加者の悩みや課題のデータをもとに、5つのペルソナ(想定ターゲット)を定義したプロセスについてお届けしました。
今回は、イベントの核となるメインテーマを決定したプロセスと、ペルソナのビジュアルを画像生成AIでキャラクター化した際の背景や課題についてお話しします。
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参加者の悩みと理想を言葉に!ストーリーからメインテーマを決めるプロセス
イベント全体を覆うテーマを決めていくプロセスでは、参加予定の皆さんから回収した「参加動機シート」が大いに活躍しました。
生の声から抽出する!現状の「From」と理想の「To」キーワード

参加動機シートには、現状どういったことに悩みやモヤモヤを抱えているかという現状の欄と、それを解決した後にどういう理想の姿になっていたいかというイベント後の欄があります。
ここには、ネガティブな現状からポジティブな理想の姿への矢印(FromからToへの変化)が存在しています。
そこで、現状を表すネガティブな言葉を参加動機シートから集めていきました。これを「Fromキーワード」と呼びます。
たとえば、「孤独」「情報の濁流」「コピペの限界」「心理的障壁」「組織の制約(AI禁止)」といったキーワードです。これらはCSVファイルをもとに、AIが抽出してくれました。
一方で、理想の姿を表すポジティブな言葉を「Toキーワード」と呼びます。たとえば、「先駆」「羅針盤」「AIによる共創」「楽しさ」「現場への還元」といったキーワード群です。これも同様にAIの力を借りて集めていきました。
AIと協働して作成する!イベントの核となるストーリーの設計

次に、抽出したFromキーワード群とToキーワード群を組み合わせて、一つのストーリーを作っていきます。
このストーリー作成もAIにいくつかパターンを出してもらいましたが、やはりそのままでは少しセンスが足りなかったり、僕たちの肌感からすると違和感があったりするものもありました。
そのため、人間が手を入れて修正しながら、AIと共にストーリーを組み立てていきました。
出来上がったストーリーは以下の通りです。
社会は今、AIという地殻変動に揺れています。
一方で、私たちが今いる現場はどうでしょうか。変わらない組織の重力、情報過多と余白のなさで変われない自分。その中で一人環境にあらがうのはとても孤独で勇気のいることです。
だからこそ、一人で悩むのはもうやめにしましょう。
AIという未知の力を手にすることができるのなら、それは古い重力からの自由になり、停滞を終わらせるための新たな武器にもなりえます。同じ志を持つ仲間たちと共に、今日、明日の景色を変えるために一緒に出かけましょう。
このストーリーを作ることで、イベントの具体的な情景やイメージを共有しやすくなりました。
メンバーと議論を重ねた!テーマ「むしろ」に込めた主体の意志

ストーリーが完成した後は、それを短く表現するキャッチコピーを複数作成していきました。それが「テーマ」案となります。
これもAIに依頼すると無限に作ってくれますが、良いフレーズがある一方でイマイチなものも多いため、人間が頑張って選別・修正を重ねました。
作成したテーマ案の初期段階では、以下のようなものがありました。
「押し寄せるAIの波へ。僕らは共に漕ぎ出す」
「AIを相棒に、僕らは重力から自由になる」
これらの案を、運営メンバーが集まるミーティングに持ち寄ってフィードバックをもらいました。やはり当事者であるメンバーの感覚は非常に大切です。
フィードバックをもとに議論を重ねて一個に絞り込み、最終的に決定したのが「押し寄せるAIの波を、僕らはむしろ乗りこなす」というテーマです。
このテーマを決める際、最後に「むしろ」という副詞を入れるかどうかが大きな議論になりました。この言葉があると「驚き屋」っぽい煽りに見えてしまうのではないか、という懸念がメンバーから上がっていたためです。
しかし、この言葉を入れることで「波の脅威がより際立つ」「やってやる感が出る」というメリットがあります。最終的にはその主体性を重視して採用しました。ちなみに、AIは「むしろ」は絶対に入れた方がいいと主張していました。
テーマは世界観。だからこそビジュアルイメージのベースにもなる
また、このテーマ決めの議論の中でペルソナのビジュアルイメージについても話が出ました。オンラインで発信する上でビジュアルは極めて重要です。
昨年は「冒険者たちのファンタジーの世界」が世界観のベースでしたが、今年は「重力」という言葉から「宇宙のイメージ」にするか、「波」という言葉から「海のイメージ」にするかで意見が分かれました。
結果的に、7月開催で夏ということもあり、爽やかな波を採用することになりました。
画像生成AIでペルソナをキャラ化する!クオリティ維持と属人化の課題

テーマの世界観をベースにして、定義した5つのペルソナを画像生成AIでキャラクター化する作業にも挑戦しました。
しかし、このキャラクター作りは、画像生成AIを使用するとはいえ非常にテクニックが必要でした。普段画像生成をあまりやっていない僕や他のメンバーが作成しても、パンフレットやバナーなどのデザインに使用できるレベルのクオリティにはなかなか届きません。
魅力的なキャラクターにならなかったり、ペルソナが抱える個別の特性をうまく表現できなかったりしました。さらに、5つの異なるキャラクター間でデザインの一貫性を持たせることが非常に難しく、はっきり言って難易度がメチャクチャ高かったです。
最終的には、画像生成が得意なメンバーがいたため、その方にまるっとお任せすることで非常に高いクオリティのキャラクターが完成しました。
ただ、これでは作業が完全に属人化してしまっているため、次回以降のイベント運営に向けてみなさんと検討をしていきたいと思います。
まとめ:ストーリーと言葉の力がメンバーと参加者をつなぐ
今回は、ノンプログラマーズ・テックキャンプ2026のテーマ「押し寄せるAIの波を、僕らはむしろ乗りこなす」が決定するまでのプロセス、そしてそれを受けてのペルソナのビジュアルイメージの作成プロセスをお届けしました。
大切なのは、参加者の生の声からキーワードを抽出し、一度ストーリーの形に落とし込むことです。ストーリー化することで情景が浮かび、感情が湧き出てきます。
このストーリーやテーマに込めた想いを運営メンバーや参加者の皆さんと共有することが、イベントにかける熱量を高める上で非常に重要だと感じています。
次回は、イベントのメインコンテンツであるセッションをどのように作っていったのか、そのプロセスをお話しします。どうぞお楽しみに!
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