かぎりない庭 | 十四夜 脈打つ庭
前回:十三夜 ぴぎゃあ
-脈打つ庭-
庭の外れの土が、ぼこぼこと蠢いていました。
地面の下で、何かが勢いよく進んでいるようでした。
動きに合わせて、土が盛り上がっています。
もぐらではないでしょう。
もっと大きなものが、土の下にいるように見えました。
わたしは興味を引かれました。
よし。
掘り起こしてみよう。
捕まえよう。
祖父の倉庫にスコップを取りに行きました。
倉庫は、もうすっかりわたしの遊び場になっていました。
スコップを持って戻ろうとしたところで、祖父に止められました。
「やめなさい」
祖父は、わたしからスコップを取り上げました。
「おじいちゃん。あれはなあに?」
わたしが聞くと、祖父は少しだけ土のほうを見ました。
「かぶとむしの幼虫だよ」
そんなわけがありません。
盛り上がった土の中から、つるんとした白くて丸いものが見えていました。
かぶとむしの幼虫はもっと小さいですし、あんな動き方をしません。
もぐらだってあんなに速くありません。
そもそも、幼虫にしては大きすぎます。
祖父は、盛り上がった土を、どん、どん、と踏みつけました。
土は、少しずつ平らになりました。
「よかったな。来年は、いっぱいかぶとむしが捕れるぞ」
かぎりない庭
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