たぶん、少し泣く|第十話 きみの時計
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第十話 きみの時計
きみがくれた時計は機械式
ネジを巻かなきゃ止まってしまう
「その不便さがかっこいい」
きみは言った
きみがくれた時計は機械式
腕を振れば自動で巻かれる
「ネジを巻かなきゃね」
繋いだ左手をブンブン振った
きみは少し苦笑い
きみがくれた時計は機械式
振られることはなくなって
時計はずっと止まったまま
ぼくが買った時計は電池式
針は止まらず正確に刻む
きみといっしょにネジを巻き
きみといっしょに針を進めた
あの不便さが懐かしい
きみとぼくの時計は
もう別々の針を進めている




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