たのしいぞ郷土資料館「新宿区立新宿歴史博物館」
世界有数のクレイジータウン新宿区の郷土資料館へ行ってきました。
天下の新宿区はどんな郷土史を見せてくれるのかな。
1.施設概要
・施設名称 新宿区立新宿歴史博物館
・営業時間 午前9時30分から午後5時30分
・入館料 300円
・休館日 毎月第2・第4月曜日
・写真撮影 一部NG
2.まずはホームページで予習
どんな郷土資料館面(づら)をしているのか。まずはホームページで予習していこう。
独自ドメインのサイトがある=指定管理者制度のハコ
→ビンゴ!
指定管理者制度を適用しており新宿未来創造財団が事業展開する。

理事会・評議会議事録はネタの宝庫。郷土資料館を嗜もうという方は是非ともチェックいただきたい。
https://www.regasu-shinjuku.or.jp/?cat=692
議論の白熱ポイントはグッズ販売にかかわる収益の計上や在庫管理手法。
収益について監事が鋭く突っ込むくだりなどは営業会議で突き上げを喰らっているようで他人事ながら胃がシクシクする。
「北区-愛-」にあふれ終始ハートウォームな北区飛鳥山博物館・運営協議会とは対極にある議事録だ。東京砂漠というのはおそらく新宿あたりを指すのだろう。
新宿歴史博物館、やけに金回りに厳しいとおもえば過去に悪いことをした子がいたんですねぇ。
気になる来場者数
令和5年度の利用者数実績は67,775人(目標比121.0%・目標56,000人)年間300日営業として240人/日 とおもいきや
施設利用者の累計(常設展示室、企画展示室、閲覧室、講堂、ギャラリースペース、イベント参加者の利用者の累計)で67,775人だ。イイヨ!事業報告として良い見せ方です。数字なんてのは見せ方でいかようにもなる。
常設展示室に限定すると19,972人、年間300日営業で63人/日となる。北区飛鳥山博物館と同水準に落ち着いた。んま、こんなもんでしょうな。
3.新宿歴史博物館キャラクター「しょうどうたくん」
新宿らしからぬキャラクターの登場にたじろぐ。博物館所蔵の小銅鐸(しょうどうたく)からイメージしたキャラクターで名前は「しょうどうたくん」という。

天下の新宿区がこんなのでいいのか?!
YouTubeチャンネルにも雑に登場していた。
わたしがチャットGPTで雑につくってもらった東京都郷土資料館(架空)の公式キャラクター「ふるトン」の方がよほど新宿区しているではないか。

あ、でも右手を挙げるスタイル。チャットGPTはしょうどうたくんからも学習しているのかも?”しょうどうたくん”については後述したい。
4.アクセス
JR中央線・総武線、東京メトロ南北線「四ツ谷駅」より徒歩10分。
便利地好立地だ。
5.外観と周辺環境
博物館は新宿通りから奥に入った場所にある。なにか曰くでもあろうかという立派すぎる道標が見えるので分かりやすいぞ。

わたしが犬ならば四返の角すべてに
おしっこをかけるだろう
スカイツリーではなく

わけのわからないメタリックなオブジェとやたらと重厚なコンクリートがお出迎えしてくれた。1989年開館バブルだ金ならある!そんな外観だ。


2階の事務スペースかな?ヘチマかゴーヤか緑のカーテンが絶賛育成中だった。こういうところに「公共施設」を感じてほっこりする。
6.いざ、入館
地上2階・地下1階、展示室は地階に展開。地面を掘り下げてでもこの地に郷土資料館を開設しようという心意気そして掘り抜く財力、それがバブルってぇやつよ。

-掘ってでもこの地に郷土資料館- の類似施設がこちら
常設展は基本に忠実な通史展示。各時代取りこぼさない王道中の王道な展示展開だ。そして開館当初のままではなかろうか。遺跡の写真がちょっと色褪せちゃっていたりしていて郷土資料館のハコを愛でる意味では実にわたし好みの施設だった。

誰だ!?!?

出来がすこぶる良くて見入ってしまう
わたしは板碑で中世をやりすごす郷土資料館推し。新宿郷土博物館は中世の新宿を板碑で存分にやりすごしててくれていた。

これはポイントが高いですよ
ダイナミックな再現展示が4つ。




こういうのが好き!


懐かしくて泣ける

写真とともに紹介できないのが残念。後半ゾーンの近現代史は大半が撮影NGだ。開館当初から変わらないレトロなギミックが満載で新宿らしからぬ雰囲気がたのしい。雑に扱うと故障しそうなこの感じ
・・・既視感・・・
檜原村だ!檜原村と新宿区に通じるものがあるなんて。
展示内容もおもしろいんですよね。
特に「昭和初期の新宿」のコーナーは見どころだ。

ディテールが凝縮されていて面白かった
サラリーマン家庭の月の支出を昭和11年と昭和61年で比較する展示も良かった。これって開館時(昭和64年/平成元年)の「当時と今」の比較よね?もはや昭和61年が立派な昭和史となっており比較として全く実感が沸かないのはご愛敬。むしろ昭和61年の家計が興味深くてメモしてきた。
・収入30万4543円
・食費8万540円
・住宅家事費3万5926円
・交通通信費1万9945円
食費が現代と同水準っぽくて怖いんだが(大丈夫か日本は)
住宅費がちと安すぎな気もするが「杉並区在住・丸の内線で新宿に通勤する銀行員」という設定だった(はず)なので住宅手当?社宅説もあるか?是非とも令和のデータも並べて欲しい。
7.改めて新宿歴史博物館キャラクター「しょうどうたくん」
しょうどうたくんは常設展のしょっぱな、弥生時代の展示ケースで登場する。


東京都内初出土の小銅鐸で新宿区指定有形文化財に指定、新宿歴史博物館のマスコットキャラクターとなった。
よりによってこんな地味な所蔵品をキャラにするかね。学芸員さん(プロ)の価値観てのは我々常人でははかれないところにあるね。

蚊取り線香のブタとかまねきねことか
キュートなのがよぉ

ま、なんだかんだ「しょうどうたくん」を形成する雑なネーミング、雑なデザイン、雑なモチーフって、ゆるキャラとして正しき姿だったりするよね。
なんと言っても天下の新宿区のキャラクターが”コレ”というのは計り知れない価値がある。

8.ミュージアムショップあり・しょうどうたくんグッズあり

一筆箋などアイテム数は充実しているよ
しょうどうたくんグッズもございまぁす!


くっそダサいメモ帳と悩んだ末、しょうどうたくんふせんを買いました。

去り際受付カウンターにお手製しょうどうたくんを発見。健気に頑張っているではないか(なみだ)やばい。このくそダサキャラクターが癖になってきた。

9.寄り道は「大角玉屋 四谷店」



いちご大福っておいしいか?なんて思っていたわたし、本当のいちご大福を食べたことがなかっただけだった。めちゃくちゃおいしかった。

ブランデーどらやきをお買い上げ
ブランデーどらやきはブランデーがじゅわんじゅわんに染みた持ち重りのある逸品。おとなの味だよ冷やして(凍らせて)食すべし。
11.最後に
・凡庸な通史展示
・開館から更新されることのないマンネリな演出
・雑で地味なマスコットキャラクター
けなしているわけじゃないぞ。わたしは王道をいく郷土資料館が好きだ。
新宿歴史博物館は郷土資料館らしい郷土資料館だ。
そして新宿らしくない郷土資料館でもある。

今日も新宿はしょうどうたくんとは対極のクレイジーな歴史を刻んでいる。
100年後の新宿区は平成や令和の新宿史をどう表現してくれるのだろうか。
昭和10年の新宿通りの飲食店マップよろしく歌舞伎町マップに、業態構成をグラフにしたりゴールデン街の一角やホストクラブのジオラマなんてどうだろう。新宿らしい攻めの郷土史展示が見てみたい。
だがそれはまだまだ先のお話だ。
郷土資料館の楽しさは意外性でもあったりする。新宿らしからぬ郷土資料館が楽しめるのは今しかない。
新宿歴史博物館たのしいよ。是非!
