見出し画像

たのしいぞ郷土資料館 岩手県矢巾町「矢巾町歴史民俗資料館」

夏休み、3泊4日で郷土資料館をめぐりに岩手と秋田を遠征してきました。最初の訪問は岩手県柴郡矢巾町「矢巾町歴史民俗資料館」です。

岩手県紫波郡矢巾町は盛岡市南部に隣接するベッドタウンとしての開発が進み、盛岡市ロードサイド商業地区と接する。過疎化が深刻な岩手県において滝沢市北上市と共に人口増加が進む自治体である。平成22年国勢調査によると人口密度は岩手県下一である。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

平成の大合併で盛岡市との合併話が浮上するも与せず独立を貫いて今日に至る。長いものに巻かれない、男気溢れる自治体だ。


1.施設概要

・施設名称 矢巾町歴史民俗資料館
・営業時間 午前9時~午後4時30分
・入館料 160円
・休館日 月曜
・写真撮影 OK(一部NG表示あり)

2.まずはホームページで予習

どんな郷土資料館面(づら)をしているのか。まずはホームページで予習していこう。
ベタ打ちの質実剛健なサイトはわたしが求める郷土資料館そのものだ。否応なく現地への期待が高まる。

予習で得られた情報をまとめると
①812年に造営された『徳丹城跡』に隣接する好立地
資料館で学んですぐに現場を見学できる。
インプット・アウトプット
要するに食ったら出すってことだ!
②移設古民家隣接タイプの郷土資料館
となりに「佐々木家曲家」がある。きょ?曲家てなんだろう?
③けっこう古参な郷土資料館
着工:昭和57年(1982)4月15日 
開館:昭和58年(1983)9月20日
目下わたしの目標は東京都の郷土資料館コンプリートだが、東京都ベース※でみると80年代オープンの郷土資料館はかなり古い部類になる。
※都内最古が昭和39年(1964年)開館の世田谷区立郷土資料館でボリュームゾーンは1989~1992年
④気になる来館者数

町勢要覧(資料編) 数字で見るやはばちょう 2024年(令和6年)12月

直近の令和5年度で1,716人
年間300日営業として・・・5.72人/日・・・!
矢巾町さん待っていてちょうだい!
わたしはあなたの町の郷土資料館を見に岩手県に行きますよ!

3.アクセス

JR東北本線矢幅駅下車、列車は1時間に2,3本程度は運行している。駅からは2.8キロ・徒歩30分だ。

駅の頭上を東北新幹線が爆音轟かせて運行している

駅の西側は「矢幅駅西地区土地区画整理事業」(平成29(2017)年竣工)見事に整備されている。はるか向こうまで見渡せる一本道は陽を遮るものもなく辛かった。

駅前から延びるメイン通り

だが東京のような毛穴をふさぐ不快な熱さはなくて風はカラリと爽やか。

市街地を抜けて岩崎川を越えると
矢巾町歴史民俗資料館が見えてくる

4.外観と周辺環境

矢巾町歴史民俗資料館は矢幅駅の市街地を抜け、牛ふん微かに匂う広大な田畑のど真ん中にある。

田畑に拓けた農道の一本道の先に資料館はある
古民家を脇に従え堂々と建つ資料館
高床式倉庫をイメージ?なんて一瞬おもったが
違いますね。積雪対策ですねコレ

古民家なのか古代の城を意識しているのか、屋根が印象的なこのタイプの外観ってのは昭和の郷土資料館の特徴の気がする。中野区と檜原村に同じ雰囲気がある。

資料館の隣の畑には白い小さな花が満開
初めて見た蕎麦の花なのね

5.いざ、入館

え?
クマ!

熊も気になるけれどさ、烏帽子に弓矢を携えた平安ボーイも気になるんですけど。誰?ひょっとして郷土資料館キャラクターか!?

おいおいおい!のっけから顔ハメパネルかい!
エントランスのスタンプスタンドでも発見

6.矢巾町PRキャラクター「わたまろくん」

「わたまろくん」は文室綿麻呂が矢巾町に徳丹城を築いてから1200年以上の時を経て帰ってきた、矢巾町のPRキャラクターです。

矢巾町産業観光課・観光協会事務局発行「矢巾町観光ガイドブック」より

ざんねん!郷土資料館キャラクターではなかった。

7.資料館鑑賞へ

と、その前に顔ハメパネルの写真を見返していただきたい。
この資料館「くつを脱がせるタイプ」なのだ。
え!?脱ぐの?!
くつ脱がせる郷土資料館は初めてで胸が高鳴った。

「矢巾町史」の”最新”が昭和57年(1982)なところも最高!
最新は矢巾町歴史民俗資料館完成と東北新幹線運行開始だった

町史が昭和57年でストップしているように展示演出のフレーム部分は開館当時のままのようだ。


後ろから照明を当てた写真パネル
アナログのきわみ!
ここに徳丹城があった平安時代の
ひとびとの食事の食品サンプル

安易な表現で恐縮だがエモい!
子供のころ、帰省で母方のおばあちゃんの家に行くと、母が幼少期に遊んだバービー人形やネオンブライトや、羊がとなりの家のランを食って罰金を支払うバージョンの人生ゲームなどを物置から引っ張り出してきて夢中になって遊んでいた。なんだかその感じがする。うまく言えなくてもどかしいがこの資料館は展示そのものが歴史になっている。
そうだ!レトロ自販機みたいな感覚!

徳丹城跡の井戸の底から見つかった木製冑。木製!

藤沢狄森古墳群から出土の勾玉

勾玉自体はまぁどこの資料館でも見るので物珍しさはないが出土状況の写真は初めて見た。

カブトムシの幼虫みたい

8.古民家併設タイプの郷土資料館

郷土資料館てのは古民家を移築したがるもの。矢巾町も多分に漏れず資料館の隣には茅葺きの古民家が移築されている。

佐々木家曲家

きょ・・・?曲家てなに?

曲り家(まがりや)は、日本の伝統的家屋民家)の建築様式の一つで、L字型平面形をもつ農村家屋[1]。曲家、曲屋、曲り屋、曲がり屋、曲り家、曲がり家などの表記も用いられる。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

L字型の南側(写真で右側)の部屋に馬!

うま?

曲家と馬についてはこの先につづく郷土資料館訪問記で記録してみたい。

9.インプット⇔アウトプット 徳丹城跡

東側に隣接して徳丹城跡がある。資料館で学んですぐに現場を見学できる。
なんということもない草っ原だが、ついさっきの資料館でのインプットのおかげで意味深さが感じられる。

何も知らなきゃドッグランだ
資料室でみた木製冑が見つかった井戸跡には東屋がこさえてある
なにゆえ井戸の底に冑かと言えば
冑を水桶として使用していたのだ
なんともワイルド!

10.最後に

牛糞の薫香ほのかに漂う田畑の中にそれはあった。昭和で時が止まったレトロ自販機みたいな郷土資料館だ。もはやその古さに価値がある。キミにはそのままでいて欲しい。リニューアルなんてしなくていいから、ね!!
矢巾町歴史民俗資料館たのしいよ。是非!