ENTJ流『決断力』|調べる力が決断を支える
『決断力』
私は現在、株式会社Filmiiの代表として、タレント業務から営業代理店業務まで幅広くお仕事をしています。
元々、新卒から2年ほどは病棟看護師として働いていました。初任給をいただいてすぐにつみたてNISAやiDeCoを始めたり、その後起業したり、未経験分野に飛び込んだりと、割と積極的に決断と挑戦を重ねてきた人間です。周りからは「決断が早い」「決断力がある」と言っていただくことも多くありました。
友人からMBTIの診断結果を聞かれて『ENTJ(指揮官)』と答えると、ああ〜納得〜、やっぱり〜、紫だよね!と言われます。もしかしたら悪口かもしれません。
私はENTJだから決断力が優れているのでしょうか?
そうは思いません。単に決断することに慣れていて、いつも同じフローで判断を繰り返しているだけです。つまり、再現性があります。決断力は後天的に習得するものなのです。誰にでもENTJっぽい決断力は再現できます。
この記事は、こんな方に向けて書きます。
・新しい挑戦をしたいけれど、情報が多すぎて何から始めればいいか分からない
・キャリアやお金のことで焦りはあるけど、失敗したくなくて決断できない
・決断をつい先延ばしにしてしまう
・自分で何かを選ぶのが苦手
・自分の考えを明確にすることが苦手
・判断材料としての情報を、自力で収集することが苦手
・誰かに「判断が遅い!」と言われた
(この記事を読めば、鬼滅の刃の鱗滝左近次さんもご満悦の判断速度まで身に付く…かもしれません。)
私は、どんな決断にも大きく分けて3つのステップがあると思っています。
①関連情報を調べる
②自分の考えを持つ
③考えに従って決断する
シンプルに見えますが、思いのほか①の『調べる』という工程が苦手という方が多い印象です。
今回は決断力を磨くための一歩目として、『調べる』という工程に着目し、情報に翻弄されずに必要なことだけを収集する方法を解説します。
幼稚園児の頃からパソコンにかぶりつき、調べものを趣味としていた私なりの意見です。何かの参考になれば嬉しく思います。
情報収集の手段を見直そう
情報が溢れる今の時代、情報収集の手段は多岐にわたります。
インターネット、AI、本、新聞、テレビ、雑誌、あるいは誰かに直接話を聞く、など。
最近ではネットやAIを使って何かを調べることが多いのではないでしょうか。まずは、意外と重要な検索の方法から見直してみましょう。
侮ることなかれ『ネット検索の基本』
インターネットで検索して調べものをする場合は、知りたいことを短い単語に分解して打ち込むのがコツです。例えば「iDeCoを始めたいから、どの証券会社がいいか知りたい」であれば、「iDeCo 証券会社 比較」のように打ち込みます。
ネット検索に不慣れな方の意外と多い失敗例は、思いついた質問文をそのまま打ち込むことです。検索する際は基本的に、「です」「ます」「?」は省いてOKです。欲しい情報がうまくヒットしないときは、単語を置き換えてみましょう(例 スマートフォン→スマホ)。
そんなこと知ってるよ~という方も多いかもしれません。
では、Googleの便利な検索方法をご存知でしょうか。こちらは知らない方がまだまだ多いように感じます。下記の検索方法を活用すると、よりスピーディーに知りたい情報に辿り着けるようになります。
『AND検索』=両方含む
感覚的に使えている方も多いかもしれない検索方法ですが、改めてまとめます。単語をスペース(またはAND、+)で区切って検索窓に打ち込むと、それらの単語が網羅されているサイトを優先的に表示してくれます。
例えば、「東京 お土産 人気」「マンション AND アパート」のように打ち込めば、これらの単語を含むサイトが出てきます(最初の単語が重要視されます)。
『OR検索』=どちらかが含まれる
複数単語をORで繋ぐと、いずれかを含むサイトを幅広く検索できます。AND検索よりもヒット件数が増える検索方法です。
例えば、「マンション OR アパート」と調べると、マンションかアパートについて触れられている記事が広くヒットします。
『NOT検索』=除外する
検索したい単語の後に半角スペースを空け、除外したい語句の直前に半角マイナス「-」を付けると、検索結果から不要な情報を除外し、絞り込むことができます(広告は除外不可)。
例えば、「新宿居酒屋 -ホットペッパー」と打ち込めば、検索結果からホットペッパーを除外できます。
AI活用の基本
次に、AIの使い方です。AIの場合、検索エンジンに打ち込むときとは異なり、自然に対話をするように尋ねればOKです。
AIは「比較したい」「該当するものを全部知りたい」というときに便利です。例えば「新卒におすすめの資産運用方法を全部教えて」のように、網羅的に出してもらいたいときに活用できます。
ただし、特に注意すべき点が2つあります。
AI(LLM)は最新情報に弱い
1点目、ChatGPTやGeminiといったLLM(大規模言語モデル)は、最新情報に弱い場合があります。古い情報をもとに比較・回答されることがあるため、AIが出してくれた情報はあくまで参考程度に留めます。AIで一覧を出してもらったら、ひとつひとつ自分でも確認してみる。この2段階を踏むのがおすすめです。
※AIの知識カットオフ(Knowledge Cutoff)とは?
LLMが最新情報に弱い理由の1つに、学習データの締め切り日=カットオフ日の存在があります。カットオフ日はリリース日の2~4か月前に設定されていることが多く、LLMはその日以降の情報を学習していません。
実際にはWeb検索(ブラウジング機能)やRAG(検索増強生成=リアルタイムで外部の情報を検索・参照する仕組み)によって最新情報の不足をカバーできることもありますが、誤った情報や古い情報には注意が必要です。
AIが見せる幻覚に注意
2点目、AIの特徴として「ハルシネーション」が起こる場合があります。
ハルシネーションとは、AIが見せる嘘や幻覚のことです。
【ハルシネーションについて説明して】
Claude:ハルシネーション(Hallucination)は、AIが事実ではない情報を自信満々に答えてしまう現象のことです。
なぜ起きるかというと、AIは「次にくる言葉として確率的に自然な文章」を生成する仕組みのため、知らないことでも知っているかのように答えてしまうことがある。「わからない」と言えないんです。
例えば、「札幌の名所を教えて」と言うと、「ラーメンタワーです」みたいな回答を繰り出す、というようなイメージです。
実際にはラーメンタワーなんて存在しないのですが、あってもおかしくない…ちょっと信じてしまいそうになりますよね。このように、文脈として違和感がない誤情報を堂々と語る場合もあるのです。
特に自分が知らない分野の話題ではうっかり騙されてしまうと思いますので、必ず自力かつ別の手段でもささっと確認する習慣をつけましょう。
最新情報が欲しいときは、検索エンジンを優先的に活用。AIを使う場合は、自分でも調べて確認する習慣を。
情報は疑ってかかるべし
検索エンジンでもAIでも、得た情報は全て疑うことが大切です。私は小学生の頃、「テレビで言ってることって、手放しで信じちゃいけないんだ…」と気付いて強く衝撃を受けました。本、テレビ、新聞、SNS、ネットに載っている情報、どれも例外はありません。
有名人なら信用できるのか?
情報の信憑性を判断するとき、陥りがちなのが「有名人が言っているから正しい」「フォロワーが多いから信頼できる」という思い込みです。
テレビやSNSで大人気の論客・インフルエンサーを想像してみてください。
いくら有名かつ博識な方でも、ほとんど接点のない話題で意見を求められたとしたら、的外れなことを言ってしまう可能性もあるでしょう。
人には人の得意分野があって、全知全能にはなれません。
冷静に考えれば、人気度や有名度と信憑性とは別の話だとわかります。
そこで、情報発信者の経歴や保有資格、過去の発言、今回言及している内容とは過去にどのような関わりがあったのか、などの情報を参考に、受け取る情報を選ぶとよいと思います。
自称専門家に注意
医療分野をはじめとした様々な分野の専門家を自称する人には注意が必要です。例として、SNS等で「医師です」「看護師です」などと自称する人を安易に信用しないようにしましょう。特に医療に関する情報で万が一デマだった場合、健康を損なうことに繋がりかねません。
そもそも情報発信者が実在の人物なのかすら怪しい場合もあります。
自称ではなく客観的な情報から、立場や名前、その分野の専門性が本当に明らかであるかを吟味し、専門性の高い情報は現実で専門家に直接聞いてリスクを回避しましょう。
もちろん、院内や薬局などの専門機関で受けた指導は信頼してよいですし、不安があればセカンドオピニオンなどを検討しましょう。
重要なのは、SNSなどのネット上で出会った専門家(医療従事者など)の情報を鵜呑みにせず、慎重に吟味して取捨選択することです。
また、医療従事者か一般の方かを問わず、健康情報・ダイエット情報・治療関連の情報などを発信する場合には、安全性と正確性に十分な配慮を心がけましょう。
※医師免許を持たない者が医師を名乗る(僭称)行為は犯罪です。氏名と性別が明らかであれば、厚生労働省の医師等資格確認検索でヒットします。なりすましの医師に惑わされないためにご活用ください。
根拠は『有り無し』ではなく『強い弱い』
情報の取捨選択のため、根拠についても考えてみます。
根拠は「あるかないか」ではなく、「強いか弱いか」で考えるのがベターです。人を騙そうとする人はよく数字を使う、なんて言いますが、それっぽい根拠を挙げてくる場合も多いです。信頼できる情報なのかどうかは、述べている根拠がぺらぺらじゃないかどうか、いつの何に基づいているのかなどという観点でチェックすることが大切です。
世の中にあふれる自己啓発・ビジネス本
気をつけたいものの1つに、自己啓発やビジネス関連の書籍があります。
世の中には、マルチ商法界隈の有名人が執筆した、実質的にマルチの教科書のような本が存在しています。中には、セミナーやコミュニティに引き込むための入り口として機能している本もあったりします。
自己啓発本やビジネス本というのは、向上心がある人やキャリアへの焦りを感じている人が、スキルアップしたい、お金を稼ぎたいなどの目的で手に取るケースが多いはずです。
前提として、稼げる人=ビジネスができる人というイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、そうとも限りません。マルチ商法や、極論として詐欺でさえもお金を稼ぐ手段の1つなのかもしれませんが、いずれも一般的なビジネスと同じ土俵に上げるべきではないと私は考えています。
マルチ商法は組織構造や稼ぎ方が一般的なビジネスとは異なり、不実告知や強引な勧誘などで注意喚起がなされているケースもあります。
向上心や焦りから手に取った本で、却って不安を煽られたり、高額セミナーへ引き込まれたりしないよう注意が必要です。なお、マルチの教科書化している書籍は売れ行きがよく見えることがあります。それは、全国の会員が買い支えて拡散しているという背景も少なからず影響していると推測できます。
重要なのは、「その本の書き手がどういう人物で、何を目的に書いているのか」というメタ的な視点を持つことです。売れているからと丸ごと鵜呑みにせず、根拠の強い弱いを意識し、自分なりの考えを持って読むことが必要です。
本当に得たい情報があるなら
ここまではネットやAI、本などを活用した情報収集の話をしてきました。しかし、どれだけ検索スキルを上げても、本当に得たい情報が「メディアの中には一切存在しない」という場合もあります。
実際、私は過去に羊飼いになろうとして「羊飼いになる方法」を調べまくったことがあるのですが、ネットの中にはほぼ答えがありませんでした。
そもそも羊飼い自体がマイナーすぎて、この情報化社会における広大なネットの海ですら限られた情報しか得られなかったのです。
そこで、私はこんな手段を取りました。
①移住フェアに行く
既に羊飼いとして生きている人がいる市町村であれば、羊飼いになるためのヒントがあるかもしれないと考えて参加しました(羊飼いになるために移住することも本気で検討していました)。
事前に本やネットで当たりをつけ、いくつかの市町村の担当者に「移住して羊飼いになりたいのですが」とご相談をして、欲しかった情報を得ることが叶いました。
②農業フェアに行く
農業フェアに行くと、各ブースの担当者から「うちにおいで」「話聞かない?」といった声掛けをしていただけたりします。そこですかさず「羊飼いになりたいのですが」と伝えると、「うちではちょっと力になれない…」と去っていくか、「ここで話を聞くといいよ」と教えていただけることもありました。最終的には主に北海道農業公社の方が相談に乗ってくださり、羊飼いになるためのヒントを手にすることができました。
③羊飼いに直撃する
ネットや書籍はもちろん、①と②で得た情報を踏まえて、私は北海道のとある町に白羽の矢を立てました。紆余曲折あり、その土地の羊飼いにお世話になって、まずは数日の研修を受けることに成功しました。
羊飼いの仕事は想像以上にクリエイティブで、面白い仕事でした。
また、優しい羊飼いのみなさんに進路相談に乗ってもらったような形になり、「今すぐではなく、将来的に羊飼いを目指す」として、今後も交流を続けていただけることになりました。
※羊飼いを目指して迷走したときのエッセイが、マイナビ×noteコンテストで入賞しました。続編含む2本のエッセイは下記からご覧いただけます。
【入賞作品】
【続編】
結論、羊飼いになる方法は羊飼いに聞くのが一番でした。当然ですね。
本当に知りたい情報があるならば、電話、メール、手紙といった古典的かつアナログな方法で関係者と繋がるのが有効です。さらに最も有効なのは、足を運んで直接関係者にお話を伺うことです。
世の中には、特定の人しか持っていない情報、現場にしかない情報があります。自ら直接体験、観察、実験、または調査して得た、未加工で信頼性の高いオリジナルの情報を『一次情報』と呼んだりします。
AIが活躍する時代、人間にしかない身体という強みを生かして一次情報を得ていくことが価値あることかもしれません。
アナログな手段は手間がかかります。けれども、そんな手段からのみ得られる情報があることを特筆しておきます。
情報の比較に便利なツール
私もいい大人になってしまったので、最近は友人から「保険ってどうやって選んでいるの?」「どこの保険がいいの?」などと相談されることが出てきました(私は保険屋さんではありません)。
保険選びだろうがなんだろうが、やはり始めはざっくりと調べて、自分に必要なものはこれかな、あれかな、と考えてみるところからスタートになります。細かい条件の比較が大変だと感じる場合、NotebookLMの活用がオススメです。
私も近ごろ、条件の比較検討や細部までの読み込みが必要なケース(保険や契約書など)でNotebookLMを活用しています。使い方や特徴についてはこちらの記事でも触れています。
NotebookLMは書類などの要約が得意です。
アップロードしたソースの中からのみ情報をピックアップしてくれるようなイメージなので、ハルシネーションも起こりにくいです。
「○○についてはなんて書いてある?」というような質問には引用元を明示して回答してくれるので、自力での目視チェックもスピーディーにできます。
Googleアカウントさえあれば、基本の機能は無料で使うことができます。ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
最後に
さて、情報の集め方、調べ方について「意外と知らない人が多いかな」と感じている点を私なりにまとめて書きました。
それでも、この情報は正しいのか?真逆の主張が並んでいるときにどちらを信用したらいいのか?と迷うことがあります。そんなときは、信用できるかどうかの指標を自分なりに立てて、とことん比較してみるといいかもしれません。面倒くさければもう信頼できるソースだけを集めて、あとはAIに投げて比較分析させたらよいのです。
注意点として人間は、自分の信念や仮説に合致する都合のいい情報ばかりに目が行き、反対の情報を無視してしまう『確証バイアス』という認知の歪みが発生することがあります。この心理傾向を知った上で「バイアスに注意をしよう」という意識を持つだけでも、自分と情報を俯瞰的に見て、正しく取捨選択できる確率が上がります。
調べることに慣れてくると情報に振り回されることも減り、自分なりの考えが生まれやすくなるはずです。
情報を集め、疑い、素早く取捨選択する。
その「調べる」という土台の上に「自分はこう思う」という確固たる軸ができるからこそ、迷いのない「こうしよう」という決断に繋がるのです。
まずは、
・挑戦したい資格や副業について調べてみる
・週末の過ごし方を自分の意思で決めてみる
・気になるニュースを、複数のメディアで比較して読んでみる
・いつも使っているサブスクや保険が本当に必要か、見直してみる
など、毎日の小さな選択から、情報を正しく調べて取捨選択する習慣を身につけてみてはいかがでしょうか。
それが、あなたの決断力を磨く第一歩になるはずです。
