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デジタル空間と虚空の狭間に消えたテラ2

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~10進法と2進法が織りなす、たった15%の虚空~

編集部員兼経理 下実(げみ)


【絶望のシミュレーション】
単位のインフレと消え去る国家予算

前章では、コンピューターという名の「居酒屋二進数」が、1,000円ポッキリと言いつつ毎回24円をせしめていくゲスいチャージシステム(1,024の罠)について説明したっす。

「テラ(TB)」の段階で、すでに約9.1%、金額にして約4,800円分もの容量が虚空へとカツアゲされている現実。
これだけでも十分ホラーっすけど、本当に恐ろしいのはここからっす。
デジタル社会のデータ量は、今この瞬間も爆発的なインフレを続けているじゃないっすか。

人間がより大きな容量を求めて単位の階段を駆け上がるとき、この「ズレの割合」と「失われる絶対量」が一体どうなってしまうのか。
現行の「10TB=5万2800円(1GBあたり約5.28円)」という、編集長が身を挺して引いた自腹ガチャの単価が、そのまま未来の超大容量時代にも維持されたと仮定して、私のスプレッドシートが弾き出した

「絶望の被害総額シミュレーション」がこれっす!
画面をよーく見て、震えてほしいっす……!


クリックして拡大するっす!

下実のデータ分析:割合の「微増」と絶対量の「爆発」

この表を見たとき、データ担当として私が一番「ゾクッ」としたポイントを解説するっすね。

実は10億TB(1ゼタバイト)とか1兆TB(1ヨタバイト)なんていう、宇宙の果てみたいな大容量になっても、カツアゲされる「割合(パーセンテージ)」そのものは、15%〜17%程度にしか増えないんすよ。

理論上、どんだけ単位が上にいっても、カツアゲ率が3割とか4割に到達することはないっす。次の単位に上がるごとに ×0.976 されるだけなので、パーセンテージの伸び方自体は、実はめちゃくちゃ緩やかなんすよね。

……でも、騙されちゃダメっす。真の恐怖は、パーセンテージじゃなくて「絶対量」のインフレなんすよ!

例えば、1PB(ペタバイト)のストレージ。
これ、10TBのHDDを100台並べた巨大なデータプールっす。
これをWindowsに繋ぐと、112TB分が虚空に消える。 112TBって、今回の10TB HDDが丸ごと11台分、最初から「なかったこと」にされるんっすよ!?

金額にして59万円。もう居酒屋のチャージどころか、中古の軽自動車がレジの裏にサクッと没収されてるのと同じっす。

さらに上、人類の全言語の録音データすら飲み込む「300万TB(3エクサバイト)」の世界。 ここでは、消え去る容量はなんと約40万TB

10TB HDDが4万台分、一瞬で消滅っす。 時価換算した損失額は21億円!!
SF映画を保存するために買ったはずのストレージのせいで、リアルにハリウッド映画が1本まるまる作れるレベルの大金が、デジタル空間と虚空の狭間に吸い込まれて消えてるんすよ。

そして、究極の単位「1兆TB(1ヨタバイト)」の世界。
世界中のすべてのデジタルデータを集めても足りないような神の領域っすけど、ここまで行くと、ズレによって失われる価値は驚天動地の「945兆円」っす!!!

945兆円って、日本の国家予算(一般会計:約100兆円強)の約9年分っすよ!?
一国の政府がひっくり返るどころの騒ぎじゃないっす。
人類が総力を挙げて構築したデジタル文明の足元で、2進法という名のシステムバグが、国家予算をゴリゴリとブラックホールみたいに貪り食っている。これが、数字が証明する未来のリアルなんっすよね。

AIがどれだけ賢くなって、1秒で完璧なコードを書いても、この「消え去る945兆円の虚空」を埋めることはできない。

私たちが未来の超便利社会(ヨタバイト時代)へ行くためには、この天文学的な「みかじめ料」をコンピューターに支払い続けなきゃいけないんす。

……ね? 夢を見るための「交通費」、高すぎると思いません?


人類は「カツアゲ」に抗えるのか?

国際規格「i(アイ)」の敗北と、OS界の仁義なき宗派争い

ここまでの話を聞くと、「おいおい、コンピューターの仕様がゲスいのは分かったけど、頭のいい科学者や偉い人たちは何でこれを放置してるんだ?」って怒る読者もいると思うんすよね。
安心してくださいっす、人類だって黙ってカツアゲされてたわけじゃないんすよ!

あまりにも10進数(人間)と2進数(PC)のズレで世界中がギスギスするもんだから、1998年、国際電気標準会議(IEC)っていう世界の偉い組織が「よし、これからは2進数で計算する単位には、それぞれの単位の間に
『i(バイナリのi)』を挟むルールにしよう!」って大号令をかけたっす。

そうして生まれたのが、「KiB(キビバイト)」「MiB(メビバイト)」「GiB(ギビバイト)」「TiB(テビバイト)」っていう国際規格の単位なんっすよね。

これを使えば、
・メーカーの箱:10 TB(10兆バイト)
・PCの画面:9.09 TiB(テビバイト)
って表記できるから、「あ、単位が違うから数字が減ってるだけで、中身はちゃんと10兆バイト入ってるのね!」って、誰も傷つかない平和な世界が訪れるはずだったんす。

……でも、この作戦は完全に大失敗(敗北)に終わったっす。

理由は単純。「名前が絶望的に可愛くないから」っす(笑)。

想像してみてほしいっす。ガジェットオタクたちがカフェで「俺、この前10テビバイトのHDD買っちゃってさ〜」「マジかよギビバイトじゃ足りないもんな〜」なんて会話してたら、ちょっと嫌じゃないっすか?
みんな「テラ」って呼びたいし、「ギガ」って言いたいんすよ。

人間の慣習(エモさ)が、冷徹な国際規格を完全にねじ伏せちゃったんすよね。
その結果、2026年現在のデジタル社会には、さらにややこしい
「OS界の仁義なき宗派争い」
という歪みが生まれることになったっす。

実は、この「消えた容量問題」にブチギレた結果、途中でシステムをガラッと変えた革命児がいるんすよ。
それが、みんな大好きApple(Mac)っす。

Mac(macOS)やスマホのiPhoneは、2009年頃から「もう2進数とかややこしいからヤメ! うちのOSはハードディスクを10進数で計算する!」って仕様変更したんす。 だから、編集長の10TB HDDをMacに繋ぐと、画面には堂々と「10.0 TB」って表示されるっす! 1バイトもカツアゲされてないように見えるんすよね。

「じゃあMacの方が優秀じゃん!」って思うじゃないっすか。
でも、裏を返せば、Macは「人間(メーカー)に忖度して、2進数のデータを10進数っぽく見せかける優しい嘘をついている」状態なんっすよ。

一方で、頑固一徹なのがWindowsっす。
Windowsは今でも「フン、PCの脳みそは2進数なんだから、2進数で計算するのが正義だろ!」というリアルを貫いているっす。
ただ、画面の表記だけは国際規格の「TiB」に変えるのが面倒くさいから、「中身は1024の2進数(TiB)で計算してるのに、画面の表記だけは使い慣れた『TB』のままにする」という、一番ややこしい折衷案を採用しちゃってるんすよね。

これが、10TBのHDDの殻を割ったとてWindowsの画面で「9.09TB」と表示され、なんか約4,800円分が虚空へ消え去っているように見える大人の事情の正体なんっす。

人間ファーストで優しい嘘をつくMac(10進法派)と、コンピューターのリアルを貫いてカツアゲの現実を突きつけてくるWindows(2進法派)。 私たちがどのOSを選ぶかによって、デジタル空間の「容量」の概念そのものが歪んでしまっているのが、現代社会の裏側なんっすよね。

次章、いよいよこの「失われた15%の虚空」の先にある未来について、総括するっす……!


失われる15%の虚空に、
人間とAIは何を夢見るか

さて、ここまで10進数(人間)と2進数(コンピューター)の埋めがたい溝がもたらす、ゲスすぎるカツアゲの現実(仕様の罠)を、これでもかと数字で証明してきたっす。

「ヨタバイト(1兆TB)の時代になったら、カツアゲ率が18%近くまで跳ね上がって945兆円消える」なんて数字を見せられたら、誰だって「じゃあこの先、単位がもっと進んでウルトラペタとかスーパーゼタ(※そんな単位はないっすよ!)になったら、いつかカツアゲ率が50%とか100%になって、買ったハードディスクの中身が全部虚空に吸い込まれちゃうの!?」って不安になるじゃないっすか。

でも、そこは安心(?)してくださいっす。
データ予測担当として、最後にちょっとだけ救いのある数学的リアルを提示しておくっすね。
その前にさらっと「虚空のカツアゲ率」についてのおさらいっす。

$$
\text{カツアゲ率(ズレ率)} = 1 - \left(\frac{1,000}{1,024}\right)^n
$$

※ n の値は、単位の階層を表してて、KBなら n=1, MBなら n=2, GBなら n=3, TBなら n=4 ……1,000とか1,000,000とか桁を表すカンマの数っすね)

ってなるワケっすけど、
理論上、このカツアゲ率が100%に到達することは絶対にないっす。

なぜなら、単位の階層( n )が1つ上がるごとに、
実容量は「前の単位の × 0.976 (=1000/1024)」され続けるだけだからっす。どれだけ大容量の極限(無限大)を目指して単位が上がっていっても、割合としてのズレは少しずつ、静かに上限へと近づいていくだけ。

100%どころか、私たちが生きている間に見届けるであろう未来の単位の範囲なら、ズレの割合は2割や3割にも届かないんすよね。

……でも、だからこそ、余計に切なくないっすか?

割合(パーセンテージ)としては2割にも満たない、ほんの15%前後の隙間。

けれど、人類がデジタル空間に詰め込む夢の総量(総ストレージ容量)が無限に膨らみ続ける以上、その「たった15%」という名の虚空の絶対量もまた、国家予算、ひいては地球の価値すら超えるレベルで無限にインフレし続けるんっすよ。

未来、人類が1ゼタバイト、1ヨタバイトという神の領域の巨大ストレージを目の前にしたとき、私たちは画面の向こうに広がる、決して触れることのできない「1億5300万TBの暗黒の狭間」を見つめることになるっす。

その失われた莫大な虚空は、一体何なんすかね?

それは、指が10本しかない不完全な「人間」が、電流のONとOFFだけで宇宙を構築する冷徹な「コンピューター」という名の『異界の相棒』を雇い、共にデジタル文明を歩んでいくために、私たちが永遠に支払い続けなければならない『みかじめ料』なのかもしれないっす。

人間はエモい夢を語り、AIはその夢を1秒で形にするためのデータを処理する。

そのハッピーな未来を動かすための交通費として、私たちはこれからも、静かに、優しく、15%のテラを虚空へとカツアゲされ続けるわけっすね。

……あ、ヤバいっす! 自分で書いててあまりにもポエジーな領域に片足突っ込んじゃって、背中がむず痒くなってきたっす(笑)!

これ以上書くと、クロちゃんに「下実さん、また始まったっすね……」って私のセリフをそのままオウム返しで刺されそうなんで、電卓をパチッと叩いて、大急ぎで経理の帳簿付けに戻るっす!

読者の皆さん、お付き合いあざっした!
お手元のWindowsのCドライブの容量、
今すぐ右クリックでプロパティをチェック
してみてくださいっす!

(げみ)


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