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吉成名高TKO勝ちでONE3連勝、ソンチャイノーイはまさかの敗戦~ONE Friday Fights 122 (2025年8月29日)

ONEチャンピオンシップは8月29日にルンピニースタジアムで、毎週金曜のムエタイ中心の格闘技イベント、ONE フライデーファイト122を開催した。

この日の注目カードは、なんと言ってもONE3戦目となる吉成名高が出場の第4試合で、吉成はハマダ・アズマニ(モロッコ)とアトム級(52.2キロ)ムエタイ3回戦で対戦し、3ラウンドTKO勝利を収めた。この日、吉成とのアトム級王座決定戦での対決が噂されていたONE9戦9勝のソンチャイノーイ・ゲッソンリットも出場したが、ヌンスリン・チョークートウィナーにダウンを奪われる判定負けの波乱、王座決定戦の切符の行方は不明となった。

ONEフライデーファイト122のカード。日本選手は、時差と放送時間が考慮され、前半に試合が組まれることが多い。

吉成名高対ハマダ・アズマニ

吉成名高は、24歳の元ラジャダムヌンスタジアム3階級王者、元ルンピニースタジアム王者。今年より、戦いの場をONEに転じ、2勝を挙げている。前戦は6月27日のONEフライデーファイト114で、バンルーロック・シットワチャラチャイに判定勝ち。2戦続けてのタイ遠征となる。通算戦績は64勝6敗、2019年より38連勝を記録している。

対するハマダ・アズマニは19勝9敗1分と、戦績では吉成に見劣りするものの、キックボクシングのISKA世界フェザー級王座を獲得したこともある24歳。スイッチを多用し、変則でやりにくいとの評判。6月には来日してRISEで那須川龍心と対戦して、判定負けしている。ONEには初登場となる。

身長は167センチのアズマニと、165センチの名高だが、リングで対峙するとアズマニの手足の長さが目に付く。初回、アズマニのミドル、ハイキックに長い距離のパンチは迫力があるが、名高はバックステップも使いながら相手をよく見て対処、アズマニを攻め込ませない。サウスポーの吉成の右ミドルや、パンチは当たるがアズマニのそれは当たらない。揉み合いでも吉成が有利で、投げやこかしで、アズマニを何度もキャンバスに落とす。

2回開始早々、コーナーに詰まったアズマニに名高の左ストレートが決まり、ダウン。立ち上がったアズマニ、意外とダメージは感じられない。左右の大振りのフックを振る回し、バックハンドブローなども用いて、名高に応戦する。初回と同じく、投げやこかしで、何度もアズマニをキャンバスに送る。名高は決して焦らず、アズマニを詰めていく。右ジャブがアズマニの顔面にきれいに命中し、試合の終わりが近いことを予感させる。

そして、3回開始早々、名高の左ミドルを避けたアズマニがそのままキャンバスに沈む。無理な体勢で攻撃を回避したことで、右脚を負傷したというアズマニ、レフェリーは試合続行が難しいと判断し、試合をストップ。名高のTKO勝ちが告げられた。

リング上での勝利者インタビューで名高は「今日の相手はリズムが独特でやり辛かった。相手を崩す技術は絶対的な自信を持っている。ムエタイの技術で勝つことができた」と述べた。次の目標を尋ねられると「3連勝を果たしたが、ぜひ、ONEのチャンピオンになりたい。(決定戦に)ふさわしい相手となら誰でもやりたい」としている。

3月のONE日本大会(ラック・エラワン戦)、6月のONEフライデーファイト(バンルーロック戦)、そしてこのアズマニ戦と、ONEの舞台でも、自身が非常に高いレベルにあることを示した名高、次戦は11月16日の有明アリーナでの日本大会、ONE173でのタイトルマッチ出場となる見込み。

アズマニの攻撃を避ける名高
変則的な攻撃をしかけるアズマニにパンチを打ち込む名高
2回に左ストレートダウンを奪った名高
3回、右脚を負傷し、倒れ込むアズマニ
これでONE3連勝の吉成名高、神々しいオーラが漂う(著者の個人的見解)

※試合ハイライト映像(タイ以外の国で視聴できない可能性あり)

ソンチャイノーイ対ヌンスリン

ソンチャイノーイは通算戦績は59勝18敗、2023年4月に日本で吉成名高に3回KO負けの記録があるが、同年7月に再来日し、石井寿来に判定勝ち。ONEに参戦後は9戦9勝、ONEアトム級(52.2キロ)界隈では無双の状況である。対するヌンスリンは通算戦績では104勝19敗とソンチャイノーイを上回っており、ONEでの戦績も5戦5勝と無敗対決だが、事前予想では、ソンチャイノーイ有利の声が圧倒的であった。117ポンド(53.07キロ)契約のムエタイ3回戦のこの試合は、この日のセミファイナルで、リングサイドで名高が見守る中で行われた。ソンチャイノーイの勝利に合わせて、リング上で名高との王座決定戦が発表されるのではと期待される。

リング上では、156センチと小柄なソンチャイノーイに対し、162センチのヌンスリンは頭ひとつ大きい。初回、ソンチャイノーイが、ヌンスリンの前蹴り、ミドルキックの右脚をキャッチして右ストレートを打ち込む。一度はヌンスリンがダウンしたように見えたが、レフェリーはノーカウント。このラウンドは同じようにキックをキャッチしてソンチャイノーイがパンチを打つシーンが目立つ。

2回開始早々、攻め急ぐソンチャイノーイの顔面にヌンスリンの左フックがカウンターとなり、命中。背中から落ちるダウンを喫する。ダメージはない様子のソンチャイノーイは、ダウンを挽回するよう、攻めだるまとなるが、下がるヌンスリンはソンチャイノーイの攻撃をうまく遮断していく。そのままヌンスリンが逃げ切り、2‐0で番狂わせの判定勝ち。3ラウンドの試合は、一度のダウンがあると、なかなか挽回が難しいところがある。

日本大会で行われる見込みのアトム級ムエタイ初代王座決定戦の名高の相手はヌンスリンとなるのかは、まだ未定である。

 追記〜名高対ヌンスリンのアトム級王座決定戦はONE173で決定、写真下のヌンスリンのインタビュー翻訳のリンクへ

試合開始前のソンチャイノーイ、ONEでは9連勝中だった
ソンチャイノーイは小柄だが、身体に厚みがある
ソンチャイノーイがまさかのダウン


トングラムプーン対コタオ(ゴッタオ)

122ポンド(55.3キロ)契約、ムエタイ3回戦で行われたこの試合、トングラムプーン・FAグループは47勝12敗、ONEでは6戦6勝の21歳。対するコタオ(ゴッタオ)・ペットヌムスックは60勝16敗、ONEでは1勝2敗の20歳で、2024年12月のRWS JAPANで来日し、元ラジャバンタム級王者の松田龍聖と対戦して判定負けしている。

2人は初回から、3回まで激しい打撃戦を繰り広げ、会場はこの日一番の盛り上がりを見せる。コタオがパンチの連打と、左右のヒザでトングラムプーンを追い詰めると、トングラムプーンも反撃、お互いのノンストップの攻撃にどちらかがKOされそうな試合展開が続くが、結局3回終了のゴングが鳴り、トングラムプーンが2‐0の判定で勝利した。ONEフライデーファイトではKO勝利ボーナス35万バーツが提供されている(内容によっては提供されない場合もあり)が、今回はこの激戦に、勝者、敗者の2人にそれぞれボーナス35万バーツ(約150万円)を贈った。

判定を待つ両者、トングラムプーン、コタオの両者に35万バーツボーナス

ONEフライデーファイト122は、ルンピニースタジアムでの現地観戦、写真は著者撮影のもの。

拙著「ムエタイ裏街道」、Amazonにて発売中です。

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