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「題名のない音楽会」公開収録レポ|反田恭平さんの弾き振り(5/9放送回)

「題名のない音楽会」の公開収録へ行ってきました。

この日は、サントリーホール開館40周年を記念した特集回。
休憩をはさみながら、番組3回分の公開収録が行われ、私もそのすべてを観覧しました。

この記事では、2026年5月9日放送予定の、反田恭平さん出演回について書きます。

「クラシックの殿堂!サントリーホール40周年①
 鈴木優人&反田恭平 ~次世代がつなぐ音楽会」

最初に印象に残ったのは、反田恭平さんの登場シーンでした。

黒を基調にした端正な舞台衣装でした。
光沢のある靴がライトを受けて輝き、舞台へ向かって歩いてくる姿に、この日が特別な収録であることを感じました。

サントリーホール40周年。
そのお祝いの回にふさわしい、凛とした佇まいでした。

私の席は2階上手側、ステージを真横から見下ろす位置でした。
正面席とはまた違う景色が見える場所です。

私の席から見たステージ。真横から見下ろす位置でした。


ここからは、ピアノを弾く手元も、足元も、立ち上がる瞬間も、指揮をする様子もよく見える。
そして、ステージ脇の扉から出演者が登場すると、こちらへ向かって歩いてくる姿まで見えます。

しかも、私の席のすぐ前には番組のテレビカメラが設置されていました。
番組にとっても、この角度・この位置は、ステージを撮影するのに適した場所だったのだと思います。

座席は抽選なので、自分で選ぶことはできません。
けれど、もし選べたとしても、私はこの席を選んだと思います。
反田さんの弾き振りも、他の出演者の演奏も見やすく、私にとってはこれ以上ないくらい理想的な席でした。

そして、私が最も息をのんだのは、弾き振りする横顔です。

立って指揮していたかと思えば、次の瞬間には椅子に座り、鍵盤の上を指が走っている。

さきほどまで全身でオーケストラ全体に指示を送っていた人が、今度は視線を落とし、小さな鍵盤一つひとつに集中して音を生み出している。

その切り替えの速さと正確さに、ただ見入ってしまいました。

私は、反田さんの弾き振りで音楽が生まれる瞬間を見逃すまいと、瞬きさえ惜しいほど集中していました。

反田さんの弾き振りは、これまでにも何度か拝見してきました。
けれどこの日は、ご自身のオーケストラではなく、番組のために編成されたサントリーホール祝祭オーケストラとの共演でした。

そのためか、いつも以上に張りつめた集中を私は感じました。
もちろん、私自身が「今日は別のオーケストラで弾き振りする日」という意識で見ていたために、そう感じた部分もあるのかもしれません。

それでも、視線や動作の一つひとつに緊張感があり、目が離せませんでした。

以前拝見した公演では、音楽に乗って歌うように感じる場面もありましたが、この日はそれよりも、集中の鋭さが印象に残りました。


演奏されたのは、モーツァルト ピアノ協奏曲第26番 ニ長調《戴冠式》第3楽章

モーツァルトらしい軽やかな音が弾み、華やかで明るい響きがホールに広がります。
祝祭の回にふさわしい、晴れやかな演奏でした。

私の席はステージ真横。
そこから4階席の後方まで見渡すと、サントリーホール全体がひとつの楽器になったように、ステージから音が客席へ広がっていくのを感じました。

視界にはシャンデリアの光がきらめき、まさに40周年を祝う特別な空気に包まれていました。


トークコーナーも印象的でした。

反田恭平さんは、21歳でサントリーホールでリサイタルデビューしたこと、そのとき2000席が埋まるか不安だったことを語っていました。

そして、このホールで演奏することは、音楽家としてやっていく決意表明でもあったと。

憧れの舞台でデビューし、10年後の節目に再びこの舞台で演奏する。
その時間の積み重ねにも胸が熱くなりました。

テレビ放送では、正面からの美しい映像でこの日の演奏が届けられると思います。

けれど、真横の席で見た、立ち上がる瞬間の横顔、視線でオーケストラを導く姿、そして、音楽が生まれていく一瞬の連続は、現地で見たからこそ忘れられない景色になりました。

収録の休憩時間、私はコンサート鑑賞手帳を開き、忘れないうちにこの日の印象を急いで書き留めました。

そして帰宅してからも、思い出せるうちにさらに書き足しました。

番組の収録は4月6日、今日は5月2日です。
もしあの日のうちに記録していなかったら、26日前の出来事を、ここまで鮮やかには思い出せなかったと思います。

感動は、その場で終わらせず、書き残すことで未来へつながる。
この手帳は、記事のためのメモ帳ではなく、私にとっては感動保存装置なのだと、あらためて感じた公開収録でした。


この日の感想を書き留めたのは、私が作ったコンサート鑑賞手帳です。
演奏会の記憶を未来へ残したい方へ。


以前拝見した反田恭平さん弾き振り公演レポはこちらです。
ショパン協奏曲第2番で“歌うように感じた瞬間”を書いています。


『題名のない音楽会』公開収録レポシリーズの
角野隼斗さんご出演回の記事はこちらです。


『題名のない音楽会』について詳しく知りたい方は、こちらの公式サイトをご覧ください。


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小川なっち|作家/体験を未来へ残す出版プロデューサー よろしければサポートをお願いします! いただいたサポートは、より良い記事のための活動費に使わせていただきます😊