【客席前方レポ】第19回ショパン国際ピアノ・コンクール2025 入賞者ガラコンサート感想(1月29日@ミューザ川崎)
【客席前方レポ】
第19回ショパン国際ピアノ・コンクール2025 入賞者ガラコンサート
1月29日(木)@ミューザ川崎シンフォニーホール。

P席(パイプオルガン側)正面寄りの席から鑑賞しました。
肉眼でピアニストの手元や表情、ペダル操作まで見える距離。


演奏順にレポートしていきます。
【第6位】ウィリアム・ヤンさん|舟歌
音色の美しさが際立つ、みずみずしく若々しい演奏。
けれど、私の心の準備が整っていなかったのか、演奏が一瞬で過ぎてしまった感覚。
あるいはウィリアムがまだ場に慣れていなかったのか?
もっと味わいたかった……と少し心残りがあった幕開けでした。
【第5位】ピォトル・アレクセヴィチさん|ノクターン第18番
情緒たっぷりの演奏で、一音一音が心に染み込んでくるようでした。
最後の1音がホールの天井に吸い込まれるまで、ピアニストは空を見たまま静止し、 客席もそれに引き込まれるように誰一人動かず、 「無音の演奏」「音の余韻」を一緒に味わうような静けさが広がっていました。
【第4位】桑原志織さん|スケルツォ第3番
まるで人生を振り返るような壮大な物語を見せてもらったような感覚。
超絶技巧もさることながら、演奏全体が語りかけてくるようでした。
(志織さんに優勝してほしかった……!)
ご出身は学習院小・中、東京藝大を首席で卒業、エリザベート王妃コンクールのファイナリストという輝かしい経歴。
この日の衣装は先日の池袋公演と同デザイン(?)の黒。
キラキラ具合、透け感、シルエット、どれも上品で洗練されていて素敵でした。
ぜひコンチェルトも生で聴いてみたい!
【第3位】ワン・ズートンさん|ソナタ第2番「葬送」
微弱音が美しく、強くないのにずっしりと胸に響く音。
多彩な音色の世界観にぐっと引き込まれました。
(ただ、客席のあちこちから咳がコホコホ聞こえていたのが少し残念……)
【第2位】ケヴィン・チェンさん|ポロネーズ第6番「英雄」
上品で柔らかい音の中に、爽やかな華やかさが光る英雄像。
小柄で少年のようなケヴィンのキャラクターと曲のテーマが重なって見え、 そのギャップがまた魅力的でした。
この日の演奏で、ファンがさらに増えたのでは?
【第5位】ヴィンセント・オンさん|ピアノ協奏曲第1番
マレーシアの新星、世界中から注目を集めたヴィンセントの登場で客席のボルテージが一気に上昇!
ルバート多め、時に極端にゆっくりとしたテンポでオケをリード。
(指揮者がピアノに合わせるのが大変そうに見えた瞬間も……)
手首を高い位置にした演奏スタイル、無表情にも見える表情からキラキラした音が出る不思議。
ホルンの美しさにも引き込まれ、思わず一緒に息を吐いてしまいそうに。
明らかなミスタッチがあっても、客席からは「ブラボー!」とスタオベ。
なぜかP席にお辞儀せず退場……と思いきや、
カーテンコールではちゃんとこちらにもお辞儀してくれました。
【第1位】エリック・ルーさん|ピアノ協奏曲第2番
ステージに登場した瞬間、まずその身長に目が釘付け。
188cm。そして細い!
この日のピアノはスタインウェイ(優勝時はファツィオリ)。
小柄なヴィンセントが使った椅子を、高身長のエリックが下げるというギャップ演出もあり。
(やっぱりね、笑)
第1楽章では目を閉じてオケを聴き、出番を静かに待つ姿。
横顔が美しい……!✨
写真や動画では知っていたけど、真横からの顔は初めて。
コンクールの配信では緊張と気迫を感じた表情が、この日は余裕と風格に変わっていて、 まるで雰囲気ごとステージを支配しているようでした。
そして、いよいよピアノパート。
ピアノの 15小節目、ここで私は涙腺崩壊!
(早っ!)
スタインウェイのやや重めの音も美しかったけれど、
エリックの煌めく音色をファツィオリでまた聴いてみたいと強く思いました。
(前回のコンクール入賞者、ガルシア・ガルシアさんの演奏をコンサートホールのファツィオリで聴いて衝撃的だったので)
【アンコール】ワルツ第7番 Op.64-2
中級者でも弾けるこの曲。
私も学生時代に弾いたことがあります。
エリックの演奏に合わせて、心の中で指を動かしながら、気づきました。
私のように、心の中で一緒に弾いていたファンは多かったはず。
その瞬間は、会場全体がまるで「ひとつの楽器」のように、彼の音と呼応していたのでしょうね。
演奏者と聴き手が「同じ音楽を内側から共有する」ような、特別であたたかい体験。
こういう時間を生み出せるからこそ、人の心に残るし、ファンが増えるのだと思います。
もしこれを見越しての、あえて中級者向けの選曲だったのなら、
エリックの感性と、観客との距離感の設計力、本当にすごいです。
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私はクラシックの専門家ではありません。
ただの「音楽を聴くのが好きな人」です。
だからこそ、演奏の技術的なことではなく、聴いた瞬間に心がどう動いたかを中心に記録しています。
『ショパンコンクール鑑賞手帳2025』をつくりました。
演奏を聴きながら、感じたことや心に残った瞬間を記録できる、
自分だけの感想ノートです。
2025年9月に発売したところ、
ワルシャワのコンクール会場で使ってくださったファンの方が!
現地から写真を送ってくださいました。

この手帳は、
「どの演奏が心に残った?」
「あの一音に涙が出た理由は?」
—— そんな「自分だけの記憶」を残せるツールです。
入賞者ガラコンサートのこの記事も、
曲と曲の合間に実際に手帳にメモしたものをもとに書いています。
「クラシックって難しそう」「高尚で近寄りがたい」
——そんなふうに思われることもあるけれど、
私はただ、聴いていて楽しいし、感動するから聴いています。
作品の美しさ、演奏家の技術、
そして何百年も前の音楽が現代に生きていること……
それが本当に素敵だと思うんです。
だからこの手帳も、
「音楽を感じたままに記録して、自分だけの感想を残せるツール」として、クラシックのすそ野を広げたいという想いで作りました。
後世へ 音楽を受け継ぐ こと、
そのきっかけになるような体験を、たくさんの人と共有できたら嬉しいです。
▼ Amazonで見る(リンク)
また、普段のコンサートの記録を書き込めるものがほしいというお声から、2026年2月に、こちらの手帳を制作いたしました。
持ち運びやすい大きさで、
50回分の鑑賞記録ページに加え、
アーティストのサインをいただいたり、チケットを貼ったり、自由にお使いいただけるページもあります。
ヴィンセント・オン 日本初リサイタル(2026.2.5)の鑑賞記事も公開中!
「客席前方レポ」などの記事を公開中!
こちらの記事も、よろしければご覧ください。
※本記事にはAmazonアソシエイトリンクを含みます。
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