「で、御社はAIを使ってるんですか?」——導入支援の会社が、正直に答えます
「AIの導入、支援しています」と自己紹介すると、たいてい少し間があって、こう返ってきます。「で、御社は、使ってるんですか?」。
書いているのは、OhEN Groupでお客様のAI導入と組織づくりの支援を担当しているメンバーです。使っていますという話を、今日は正直に書きます。
OhEN Groupは、熊本を拠点に、AI・事業・組織・経営という4つの領域から企業の変革を支援している会社です。
「AIはやらなければと思っているけれど、何から手をつければいいか分からない」
そんな声を、日々の支援のなかでたくさん聞いてきました。
高いお金をかけて、立派な仕組みを入れた。なのに、現場では誰も触っていない。
この記事では、支援の現場で何度も見てきたその失敗がなぜ起きるのかを、技術ではなく組織の側から解きほぐしていきます。
このnoteでは、その現場で得た知見を、少しずつ書いていこうと思います。
「で、御社は使ってるの?」という質問

白状すると、この質問に、昔は少しだけ身構えていました。
AIの導入や活用を支援している会社が、自分たちはまだ手探りでした、では格好がつきません。そう思っていた時期がありました。
でも、あるときから身構えるのをやめました。やめられるだけの実態が、自分たちの側にできてきたからです。
私たちOhEN Groupは、AIを含む企業変革の支援を仕事にしています。
その私たちが、まず自分たちの組織のなかにAIを迎え入れて、一緒に働いてみました。
うまくいったことも、拍子抜けするほど当たり前だったことも、思っていたのと違ったこともあります。この記事は、その現在地の報告です。
助言ではなく、共に変える

OhENという会社の入口には、一つの言葉が置いてあります。
「助言ではなく、共に変える。」というものです。
社内にいると、代表の鶴がこの言葉を口にする場面に何度も出くわします。やりたいのは、外から提案書を渡して去る助言者ではなく、お客様の当事者の一員として現場に入り、一緒に手を動かしてやり切ることだ、と。
会社案内にも「当事者として現場に入り、お客様と一緒に変革をやり切る」と書いてあります。
中で働いている実感としても、この言葉は飾りではありません。
この立場を選んだ以上、AIについてだけ評論家でいる、というのは筋が通りません。
自分たちが毎日は触っていないものを、当事者のふりをして人にすすめるのは、いちばんやりたくないことでした。
だから、順番として、まず自分たちが使うほうへ進みました。
理屈ではなく、姿勢の問題だったからです。
検索の代わりで終わらせない、の本当の意味
私たちは公式サイトに、AXの説明としてこう書いています。
「単なる検索代替で終わらせない、AI導入・活用の実装支援。」
最初にこの一文を読んだとき、少し格好つけた言い回しだな、と内心思っていました。実際に自分たちで使ってみて、意味が変わりました。
AIを「賢い検索窓」として使っているうちは、実は組織は何も変わりません。
調べものが少し速くなるだけで、次の日も、その次の日も、仕事の形はそのままです。
変化が起きはじめたのは、AIに「調べてもらう」のをやめて、「一緒に仕事をしてもらう」ほうへ振り切ったときでした。
そしてそのとき、問われたのはAIの性能ではなく、私たちの側の段取りでした。
どの仕事を任せるのか。人はどこで判断するのか。何を渡してよくて、何は渡してはいけないのか。
この線引きを先に決めておかないと、AIは器用に空回りします。
グループ会社のMethod Hubは、この考え方をかなり思い切った形で自社に実装しています。
「人がやる前提の業務設計は、いったん禁止」から入り、実行はいくつものAIエージェントに分担させ、人は判断と意思決定に集中する、という組み方です。
もちろん、すべてが最初からうまく回ったわけではありません。
任せたつもりが宙に浮いた仕事もありましたし、安全に使うための線引き、いわゆるガードレールを引き直したことも一度や二度ではありません。
ただ、この試行錯誤そのものが、いま私たちの持っている数少ない実感になっています。
意外だったのは、いちばん難しいのが道具の使い方ではなかったことです。難しかったのは、自分がずっと抱えてきた仕事を手放して、AIに渡すという、その心理のほうでした。
ここは自分でやったほうが早い、という気持ちを一度置いてみます。
任せてみて、出てきたものを直します。
この繰り返しに慣れるまでに、時間がかかりました。
技術の話だと思っていたものが、途中から自分たちの働き方の話に変わっていきました。
だから、私たちの支援も変わった
自分たちで一度この道を通ったことは、支援のしかたを静かに変えました。
以前なら、AIの入れ方を整理して、あとはお任せします、で終われたかもしれません。今はそれができません。
立派なものを入れたのに誰も触っていない、あの気まずい沈黙を、私たち自身が味わったからです。
だから支援でも、絵に描いた計画だけでなく、うまくいかない日のことまで含めて一緒に居られます。
念のため書いておくと、AIを入れれば必ず成果が出る、とは言えません。
成果は、任せる仕事の選び方や、組織側の準備によってずいぶん変わります。ここは条件しだいで、魔法ではありません。
それでも、変わりはじめた組織に共通するものが一つだけあるとすれば、それは「AIに何をしてもらうか」より先に、「自分たちの仕事のやり方をどう変えるか」を考えていた、という点でした。
AIを「入れる」のか、「一緒に働く」のか

最初の質問に戻ります。「で、御社は使ってるの?」
いま同じことを聞かれたら、私たちはこう答えます。使っています。
しかも、ツールとして入れたのではなく、同僚として迎え入れて、うまくいかない日ごと一緒に働いています、と。
「共に変える」という言葉は、まず自分たちが変わることから始まりました。
お客様の当事者になると決めた会社が、AIについてだけ他人事でいるわけにはいきませんでした。
だから私たちは、人にすすめる前に、自分たちの席の隣に、もう一つの席を用意しました。
そこであなたに、一つだけ問いを残したいと思います。
あなたの会社は、AIを「入れる」つもりでいますか。
それとも、「一緒に働く」つもりでいますか。
この二つは、似ているようで、行き着く先がまるで違います。
AI・事業・組織・経営の4つの領域で、企業変革を「共に」やり切る会社です。「AIを入れるべきか、どう働いてもらうか、そもそも何から」。
その、まだ言葉になりきらない段階の壁打ちから、ご一緒します。
私たちOhEN Groupは、AIと組織・人事を横断しながら、漠然とした課題の段階から一緒に整理していく支援をしています。
自社のどこから手をつけるか、一度整理してみたい方は、OhEN Groupの相談窓口から気軽にお問い合わせください。
▶ OhEN Group公式サイト
※本記事は一般的な情報提供であり、個別の状況への助言ではありません。具体的なご相談は、公式サイトからお問い合わせください。
