最後は誰に売り渡すか? - マーケットはさながら「爆弾渡しゲーム」
「損切り」にしろ「利益確定」にしろ相場で一番難しいのは "いつ、どうやって手仕舞うか”
前稿.いつも何かが起こる「ジャクソンホール」|損切丸 でこういう書き方をしたが、マーケットはかなり神経質になっている。「ゼロサム」の理屈からすれば市場での売り買いは「爆弾渡しゲーム」に似ている。あとは自分が持っている時に "運良く" 爆発しないかどうか
ドル円とか日経平均とかNYダウとか分厚いマーケットはまだいい。問題は取引量の薄いボールドマーケット(Bold Markets)。直近10年で代表的だったのがビットコイン(BTC)だが時価総額が2兆ドル越えまで膨れ上がってしまってはもうボールドとは言えない。「法定通貨」≓「インフレ」からの逃避でここまで買われてきたが、依然価値の算定基準が曖昧なまま。こうなると問題は「最後は誰に売り渡すか?」
相場急騰の背景には「お金持ち」とそれを優良顧客とする「ウォール街」の影が見え隠れする。極めて少数の市場参加者がスクイーズ(Sqweez、買い占め)でここまで上がってきたが転機となったのがETFの導入だろう。これで幅広く「買い」を呼び込みマーケットをここまで拡大させてきた
だが所詮は「逃避需要」。天井無しの相場はなくどこかでピークを打つ。これまでは「ドル高」による支援もあって世界中の「お金」を集めてきたが、それも大分怪しくなってきた。 ロンドンに行って来ました - 「お金」はそんなに大事じゃない?|損切丸 で元同僚にBTCの事を聞いたら多くが鼻で笑っていて、投資家の裾野はそれ程広がっていないと感じた。「預金」大好きの日本人然りだろう
相場は皆が ”儲かっている” うちはいい。だがそれは「砂上の楼閣」に過ぎない。全員が儲かる相場など有り得ないからだ。この辺りを一番理解しているのがYダヤ系であり、彼らはそれで財を築いてきた。その対極にあるのが「清貧思想」で「お金」に疎い日本人だろう
「ゼロサム」はBTCに限った事ではなくS&Pでもドル円でも一緒。だが取引量の多いマーケットでは「爆弾渡しゲーム」は長期に渡る事が多く「爆発」も起こる確率は低い。だが*少数が牛耳っている市場は別。ピークに達すれば「最後は誰に売り渡すか?」という問題に突き当たる
*そうはいってもキプロス危機(2013)前には1枚たった@45ドルだったBTCは2ヶ月で@265ドルになり、その後@1万ドル、@5万ドル、@10万ドルと次々と上値を突破。この動きに目を付けた投資銀行によって時価総額2兆ドル超えというとんでもないモンスターに成長した。「爆弾渡しゲーム」になぞらえてもあまり説得力を持たないかもしれないが、未だその希少性以外に価値を見いだせない。筆者は次の金融危機が「ビットコイン危機」になるのではないかと秘かに怖れている。その保有量によって株価が急騰している事業会社が多数あるからだ

1兆ドル超えの巨額となると一気に売りつけるのは無理。そうなると時間をかけて少しずつ少しずつ誰かに売りつけるしか無いが、ひょっとするとそのプロセスは現在進行型かもしれない。「新NISA」では「ドル」と共に米株が10兆円規模で売り渡されている。だがそれも日本での人気は大分下火になってきたようだ。BTCなら差し詰めETFということになろう
日米国債のイールドカーブの急激なスティープニング(長期>短期金利の傾斜化)を見るとマーケットで「お金」が足りなくなっているのは明らか。あとはどこに影響が現れるか。そういう観点からBTCはパイロットランプの役割を果たしそうだ。いつも "危ないもの" が先に売られる




だからこそのFRBによる「利下げ」強要なのだろうが「インフレ」下ではかえって逆効果。「利下げ」期待後退でドル高 ≓ 円安が進む構図を見ると、最後に止めをさすのは日銀 ≓ JGBではないかと未だに筆者は推定している。世界中に溢れかえった「円」が金利上昇と共に "里帰り" - 続・おそらく...あまりいい事にはならない ー「金利上昇」という ”パンドラの箱” が開く|損切丸 のきっかけになりそうだ
リーマンショック(2008)の時はまだ余力のあった中国がバックストッパーになり得たが今や不良債権問題と過剰借金で息も絶え絶え。ヨーロッパにも日本にも余力など無く、そして肝心要のアメリカは「借金地獄」で年間▼200兆円近い利払いもままならない。これでは筆者でなくとも「誰に売り渡すか?」を考える投資家は多いはず
ポイントは「時間」。売り渡すには年単位の時間がかかるが、マーケットはそれを待ってくれるか。世界中の「借金」が4京円を超える今「インフレ税」以外にウルトラCは望むべくもない。案外残された「時間」は限られているのかもしれない。高い確率で「金利」がそれを主導するだろう
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