続・「円、どんどん売ります!」の免罪符 ー 今度は「新首相」?から
「円、どんどん売ります!」の免罪符。ー 世界的な「真性インフレ」下、「金融緩和」しているのはトルコと日本だけ。|損切丸(2022)の続編
"金融政策の責任を持たなければいけないのは政府"
やはり日銀は「政府の子会社」という認識なのだろう。確かに日銀法第4条 ↓ には「十分な意思疎通」を謳っているが「責任」が政府にあるとは規定していない。もし本当にそうしたいなら第4条を変えるべきだろう
「日本銀行の通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすことを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、日本銀行は常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない」
もっともそんな事をしたらFXでは急激な「円安」が進む。まさに「円、どんどん売ります!」の免罪符。前稿.「ポピュリズム」の亡霊|損切丸 で推定した通り、FX市場では東京市場が開く前からドル円、ユーロ円、ポンド円と「円売り」一色。これまでレンジ内で煮え切らない相場が続いていただけにヘッジファンド(HF)も "Mrs. Watanabe" (FX証拠品取引)も飛びついた。+4%近い金利差も得られるのだからみんな「円キャリートレード」がしたくてウズウズしている
日経平均も先物で@48,000円台を突っかけ ようやく動き出した日本の「家計」- 日経平均@50,000円はそれ程遠くない|損切丸 を目指す勢い。 "バラマキ" 大好きの株式市場は当然飛びつく

問題はJGB(Japanese Government Bond、日本国債)
JGB市場はあからさまに「スティープニング」=長期>短期金利の傾斜化で反応。取引で言えば2~5年買い+20~30年売り。「利上げ」が不要に引き延ばされることによって「インフレ」が加速するいう見立てだ。これでは「物価高対策」どころかもっと「値上げ」が続く事になる。まあ当然だろう


幹事長、副総裁に財務省経験者の2Gを持ってきたことから一定の歯止めをかけようとしているのは明らか。これでまた税調が「財源」「財源」とシャシャリ出てくるようなら元の木阿弥。前政権と同じ末路を辿る事になる
*「サッチャー」を目指すなら社会保障費を含む大幅な歳出削減に取り組む必要があるが、文句ばかり言っている日本人を説得できるのか。国債増発で「減税」など "バラマキ" に突き進むなら「トラス」化する
*財務省的には「インフレ」が進むのは実質「借金」が減るのでそれ自体はウエルカム。怖いのは「金利」の上昇。アメリカ同様「インフレ」抑制が効かなくなり@3%、4%なんて「利上げ」に追い込まれれば利払いは膨大になる。そういう観点からすると、いたずらに「利上げ」を阻んで「円安」が止まらなくなる事態は避けたいはず。そういうレクチャーが為されるだろう
2022年9月の「トラスショック」もそうだったが、暴落商状を引き起こすのはいつも「金利」、特に「長期金利」の急騰。英政府は首相の首を切って事態を収拾したが、そのぐらい「金融危機」は怖い。「円売り」+「JGB売り」が止まらない相場になれば、いずれは「日経平均売り」に波及し「トリプル安」に転じる。日銀は「政府の子会社」なんて認識ではとても乗り切れまい。もっともそういう時は "Tariff Man" 同様誰かのせいにするのが政治家の常。「責任」なんて取るはずがない
大変になるのは「お金」の最終処理をしなければいけない日銀と財務省の現場スタッフ。特に「資金繰り」担当者は逃げられない(元担当者としての実感)。本当に「責任」を取るなら「資金繰り」の「責任」も取ってほしい
そもそも今回は与党総裁がそのまま「首相」になれるかどうかさえ怪しい。連立を組むK明党も(本音は別として)離脱をほのめかしており、このままではじり貧なのは明白。ラブコールを送られているK民M主党首も「総選挙」準備に言及しており状況は流動的。政治も相場も "一寸先は闇"
「免罪符」を乱発して「円安」が一気に@155円まで突っ走るようなら「長期金利」の+1%上昇なんてあっという間。特に注視すべきは今年に入って生損保などの買い余力が細って上昇を続けている20年超のJGB金利。政策金利との+2.5~3%もの「金利差」を背景に「円」+JGBを買ってきた海外投資家が「損切り」で投げるのが怖い
そうでなくとも 「インフレ」は「お金」を磨り減らす|損切丸 で日本の金融機関のJGB買い余力は乏しい。前日銀K総裁のように「無制限国債買取オペ」なんて愚策や不用意な発言はHFにつけいる隙を与えるだけ。30年も続いた「ゼロ金利」(含.マイナス金利)から急旋回して今度は「金利」の怖さを見せつけられる事になるかもしれない(くわばら、くわばら)

