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みんなが投資を始めた時代に、私が時々こわくなること

NISAの口座が、2年でおよそ倍に増えたらしい。

新しいNISAが始まる前、2023年の終わりに約1,428万口座だったものが、2025年の終わりには約2,826万口座になったという。金融庁の調べだと、口座を作れる大人の、だいたい4人に1人が持っている計算になるそうだ。ずいぶん増えたものだと思う。

そして、その中に、私もいる。手取り16万円で、S&P500を淡々と積み立てている、ごく普通の一人だ。みんなが投資を始めるのは、たぶん良いことなのだと思う。それでも、私はこのニュースを見て、少しだけ、落ち着かない気持ちになった。今日は、そのことを書いてみたいと思う。

少数派だったころの、静かな安心

正直に言うと、私が投資を始めたころは、まだ少数派だった気がする。

2022年、38歳のときに、旧NISAでS&P500の積立を始めた。当時、周りに投資の話をする人は、あまりいなかった。お金は使うものだ、貯金が一番だ、という空気のほうがまだ強かった。私は誰にも言わず、一人で、月に33,333円をこつこつ積み立てていた。

そのころは、正直、少し肩身が狭かった。地味なことをやっている、変わり者だと思われるかもしれない。そんな気持ちが、どこかにあった。でも同時に、静かな安心もあった。誰も見ていない場所で、自分のペースで、黙って続けられる。少数派でいることは、気楽でもあったのだ。

気づけば、多数派になっていた

それが、ここ2年ほどで、すっかり変わった。

新しいNISAが始まってから、投資の話を、いろいろな人がするようになった。職場でも、テレビでも、SNSでも。「何に投資してるの」と聞かれることも増えた。少し前まで、誰にも言わずにやっていたことが、いつのまにか、みんなの話題になっている。

私がずっと地味に続けてきたことを、時代のほうが追いかけてきた。それ自体は、悪いことではない。むしろ、投資が身近になったのは、多くの人にとって良いことだと思う。でも、正直に言えば、少数派だったころの、あの静かな安心は、少しずつ薄れてきている。多数派の中の一人になると、なんだか落ち着かない。うまく言えないけれど、そういう感覚がある。

みんなが同じものを買うと、どうなるのか

もう一つ、頭の隅に、小さな不安がある。

私を含めて、多くの人が、同じようなインデックスを買っている。S&P500や、全世界株式。同じ方向に、みんなでお金を入れている。こういうとき、将来のリターンは、これまでと同じようにいくのだろうか。買う人が増えすぎると、何かが変わってしまわないだろうか。そんな心配が、ときどき頭をよぎる。

ただ、これについては、正直、私にはわからない。専門家でも意見が分かれるような話で、手取り16万円の私に、答えが出せるはずもない。だから、これは「危ないぞ」という警告ではない。ただ、みんなが同じほうを向いているとき、私はなんとなく、そわそわしてしまう。それだけの、頼りない不安だ。

おわりに

こわくなる、と書いたけれど、だからやめる、という話ではない。

少数派だったころも、多数派になった今も、私がやっていることは、たいして変わっていない。月10万円で暮らして、余ったお金を、淡々と積み立てる。周りが少なくても、多くても、私のペースは、私のペースのままだ。

たぶん私は、時代が味方してくれても、少しそわそわするような性分なのだと思う。それでも、こわがりながら、そわそわしながら、これまで通り続けていく。答えは、何年も先にならないとわからない。わからないまま、今日もまた、いつもの金額を積み立てた。

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