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年初一括S&P500の私が、「毎月オルカン」を家族にすすめた話

こんにちは、沖縄手取り16万円おじさんです。 「低収入でも生活を整えれば資産形成はできる」を数字と実体験で記録しています。
前回は、原油94ドル・ガソリン227円・ゴミ袋3割値上げという物価高が手取り16万円の生活にどう影響したか、していなかったかを書きました。 あの記事のあと、姉から連絡がありました。
「NISAって何から始めればいいの?」
この一言が、今回の記事のきっかけです。
結論を先に書きます。
私自身は3年連続でS&P500に年初一括360万円を入れています。でも家族にすすめるなら、オルカンの毎月定期購入を選びます。
矛盾しているように見えるかもしれません。でもこれは、3年間の上下を体験した自分なりの正直な結論です。
S&P500が悪いわけではありません。ただ、自分が耐えてきた振れ幅を、投資を始めたばかりの人にそのまま渡すのは違うと思いました。
その理由を、数字と自分の感情で記録します。


3年間、毎年何かが起きた

2024年に新NISAが始まってから、毎年1月にS&P500のインデックスファンドへ360万円を一括で入れてきました。
3年やって、3年とも何かが起きました。
2024年は石破ショック。8月に日本株が急落し、米国株にも波が来ました。
2025年はトランプ関税ショック。4月に資産が470万円消えました。あの話は以前の記事で詳しく書いています。
2026年はイラン・ホルムズ海峡問題。3月にS&P500は月間で約8〜9%下落。円建てのeMAXIS Slim米国株式は1ヶ月で基準価額が3,000円以上落ちました。
年初に360万円を入れて、数ヶ月後に数十万円から数百万円が消える。
これを3回繰り返しました。3回とも、そのあと戻ってきています。でも「戻る」と頭でわかっていても、下がっている最中は長い。
金曜の夜に楽天証券の画面を開いて、マイナスの数字を見て閉じる。土日は市場が動かないのに、気持ちだけが動き続ける。あの感覚は、数字では伝わりません。


姉に「S&P500にしな」と言いかけて、やめた

姉から「NISAって何から始めればいいの?」と聞かれたとき、最初に頭に浮かんだのはS&P500でした。
自分がやっているから。自分がうまくいっているから。
でも言いかけて、やめました。
自分がS&P500を持ち続けられているのは、毎日YouTubeや本で「長期では戻る」「退場しないことが最重要」という話を何百回も聞いてきたからです。暴落のたびに画面を閉じて、ジョギングに出て、配達に出て、体を動かして気を紛らわせてきた。
それでも下げ相場は長く感じるし、上がればまた下がるかもと毎回思います。
この「耐える技術」を身につけるまでに、3年かかっています。しかも、まだ完全には身についていない。
その過程をすっ飛ばして「S&P500にしな」と言うのは、無責任だと思いました。
4月の夜、配達を終えて帰ってきた後に姉への返信を考えていました。北谷の夜風がもう生温い。スマホの画面を開いたり閉じたりしながら、文面を何度も書き直しました。


S&P500とオルカン、数字で比べるとこうなる

ここで数字を整理します。
信託報酬(年間コスト)の比較です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は年率0.0814%。eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は年率0.05775%。
オルカンの方が約0.024%安い。100万円で年間240円の差です。大きな差ではありませんが、数十年持つなら塵が積もります。
次に、2026年3月のイラン・ホルムズ海峡問題での下落です。
オルカンの3月の月間騰落率は約-6.85%。S&P500の円建てファンドは約-8〜9%の下落。正確な数字は基準価額の取得日によって変わりますが、オルカンの方が下げ幅が小さかったのは確かです。
これは当然の構造です。
S&P500はアメリカ100%。オルカンはアメリカが約6割で、残りは欧州・日本・新興国など。イラン問題でアメリカ株が大きく下げたとき、非米国株がクッションになった。
2025年の1年間でも、ドル建てで見るとオルカンがS&P500を上回りました。アメリカ一強の時代がずっと続くとは限らない、ということを2025年の数字が示しています。


それでも私がS&P500を選んでいる理由

ここまで書くと「じゃあ自分もオルカンに変えればいいのに」と思われるかもしれません。
変えない理由があります。投資を始めたときに決めた長期目標を、途中で変えたくないからです。
S&P500で3年間やってきました。470万円の暴落も経験した。-18.5%の下落も見た。そのたびに何もせず持ち続けて、結果的に資産は3,400万円まで来ている。
この3年間で身についたのは、リターンよりも「ブレない一貫性」だと思っています。
投資を始めたときに「S&P500を長期で持つ」と決めました。相場が荒れたから変える、もっといい選択肢が見つかったから乗り換える。それを繰り返したら、結局はタイミング投資と同じになる。
「当てることより、続けること」が自分の投資方針です。ファンドを途中で切り替えるのは、その方針と矛盾します。
オルカンの方がコストも安く、下落幅も穏やか。もし今からゼロで始めるなら、自分もオルカンを選ぶかもしれません。
でも途中でルールを変えないことの方が、ファンドの選び直しより大事だと思っています。
テーマ株で失敗したのは、流行に合わせてルールを変えたからでした。あの失敗から学んだのは、自分の判断力を信用しすぎないことです。決めたルールを守り続ける。それが私にとっての一貫性です。


妻に説明したとき、父に説明したとき

姉だけではありません。妻にも、弟にも、父にも、NISAの話をしたことがあります。
妻はYouTubeで節約・資産形成の動画をながら聴きしているので、ある程度の知識はあります。でもいざ「どれを買えばいいか」となると、選択肢が多すぎて止まってしまう。
父に至っては、「インデックス」という言葉から説明が必要でした。
その全員に対して、私は同じことを言いました。
「オルカンを、毎月同じ金額で買い続けるのがいいと思う」と。
年初一括とは言いませんでした。360万円を1月に入れるやり方は、下がったときの心理的ダメージが大きすぎる。毎月定期購入なら、下がった月は安く買える。上がった月は少ししか買えないけれど、それでいい。
「下がったときに怖くないやり方」が、続けられるやり方だと思います。
社食で味噌汁を飲みながら考えていました。自分は下がっても耐えられる体質を3年かけて作った。でもその「体質」を、最初から他人に求めるのは違う。
風邪を引いたことがない人が「風邪なんか気合で治る」と言うのと同じです。経験者の言葉は、未経験者には届かないことがある。


年初一括が正解だったかは、まだわからない

自分のやり方についても、正直に書いておきます。
統計的には、年初一括の方が毎月積立より成績が良い確率が高いとされています。ただし2025年は逆でした。4月のトランプ関税ショックで大きく下げた後に回復したので、毎月積立の方が底値を拾えて成績が良かった計算になります。
つまり、年初一括が常に正解というわけではありません。
それでも年初一括を続けるのは、「今年は荒れそうだから分割にしよう」と考えた時点で、相場を予測していることになるからです。その予測が当たる保証はない。
「毎年1月に全額入れる」というルールを決めてしまえば、迷う時間がゼロになる。
迷わないことの価値は、リターンの差よりも大きい気がしています。
ただし、これは年間168万円の余剰資金と、特定口座からの移し替え192万円があるから成り立つ話です。生活費に余裕がない状態での年初一括は危険だと思います。
ここは強く書いておきます。年初一括ができるのは、月10万円生活という土台があるからです。


オルカンをすすめるもう一つの理由

最後にもう一つ、家族にオルカンをすすめた理由があります。
2025年の1年間で、ドル建てのリターンはオルカンがS&P500を上回りました。これは「アメリカだけが強い時代」がいつまでも続くわけではないことを示しています。
S&P500はアメリカ100%。アメリカが強ければ勝てる。でもアメリカが弱ければ、逃げ場がない。
オルカンはアメリカが約6割。残りの4割が欧州、日本、新興国。アメリカが強ければオルカンも上がるし、アメリカが弱くても他の地域がクッションになる。
「どこが勝つかわからないなら、全部持っておく」という考え方です。
投資を始めたばかりの人に「アメリカが今後も勝つ」と断言する自信は、私にはありません。自分は結果的にS&P500で利益が出ているけれど、それは運の要素も大きい。
アメリカンビレッジの花火を横目に配達しながら、ふと思いました。自分が3年間S&P500を持ち続けられたのは、生活が整っていたからであって、ファンド選びが正しかったからではないかもしれない、と。
大事なのは「何を買うか」よりも「続けられるかどうか」です。
そして続けやすいのは、下げが穏やかで、コストが安くて、世界中に分散されているオルカンの方だと、3年間の経験を通じて思うようになりました。


まとめ

私はS&P500に3年連続で年初一括360万円を入れています。2024年は石破ショック、2025年はトランプ関税ショック、2026年はイラン・ホルムズ海峡問題。3年とも荒れました。
それでも持ち続けて、資産は3,400万円になりました。
でも家族にすすめるなら、オルカンの毎月定期購入です。
信託報酬はオルカンの方が安い。下落幅もオルカンの方が穏やか。アメリカ一強がいつまで続くかは誰にもわからない。
そして何より、下がったときに怖くないやり方が、続けられるやり方だからです。
自分が3年かけて身につけた「耐える力」を、これから始める人にいきなり求めるのは無理がある。
あの頃の自分に伝えるなら、こう言います。
「お前が持つならS&P500でいい。でも大切な人にすすめるなら、もう少し優しい選択肢がある」と。
きれいにまとまった結論ではありません。自分のやり方と人にすすめるやり方が違うことに、まだ少しだけ居心地の悪さがあります。でもそれが、今の正直な記録です。


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