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9月24日 清掃の日 【SS】愛しすぎた人(1.森の中の清掃)

日々設定してある記念日の中から一つを選び出して、その記念日から連想した内容でショートショートを綴ってお届けしています。今日の選ばれし記念日はこちら。

今日からは、連載企画第二弾に挑戦したいと思います。それぞれの記念日の内容を盛り込んで一つの短編ミステリーとして仕立てる挑戦です。今回は、七話連載での完結を目指します。うまくつながらない場合は途中で終了の場合もありますが、その際はご了承ください。


【今日は何の日】- 清掃の日

厚生省が2000年(平成12年)まで実施し、その後は環境省に移管された。

1971年(昭和46年)のこの日、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法、廃掃法)が施行された。

この日9月24日の「清掃の日」から10月1日の「浄化槽の日」までは「環境衛生週間」となっている。名称に「週間」とあるが期間は8日間である。期間中には環境省が中心となり、各地で廃棄物の減量化・リサイクル、ごみの散乱防止、公共施設の清潔の保持などの啓発活動が実施される。


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【SS】森の中の清掃

 森を切り開き、キャンプ場が作られている場所があった。夏休みも終わり、平日にはほとんど訪れるものはいない。かろうじて、キャンプを愛する人たちが週末に何組か訪れる程度となり、森は静けさを取り戻していた。毎年、心ある近くの街に住むキャンパーたちが集まって、森の中の枯葉やゴミを清掃するために集まってくれる。しかも、平日の方が仕事をし易いということもあり、みんな仕事を休んで集まってくれる。森にとってもとても有難い人たちだった。

 爽やかな秋晴れで、夏の名残を感じるような太陽の暑さの一日が始まった。午前十時、清掃してくれるキャンパーたちがキャンプ場に集合していた。数人ずつのグループに分かれて清掃作業が開始される。リーダーが作業開始の宣言をする。

「みんな、今日も集まってくれてありがとう。キャンプに来る人たち全員がみんな綺麗にして帰ってくれれば、私たちが清掃をしなくてもいいんですけど、なかなかそうはなりません。とはいっても、一緒に来ている子供達は楽しんでくれるので、辛抱強く啓蒙活動を継続しながら、清掃も続けましょう。私たちの愛する森を守るために。では、これから前もって決めておいたグループ分けの通り、それぞれで分担して清掃しましょう。一応、前回までの清掃担当場所を考慮してローテーションしておりますが、変更希望の方はいませんよね。では、早速始めましょう。昼食の集合時間は、十二時、この場所です。では、開始しましょう」

 こうして、各グループは、キャンプ場内、キャンプ場前の森、キャンプ場となりの川の辺り、キャンプ場後ろの森の清掃に分かれて行った。空き缶やビニール、使い終わった石炭の残りなどを集める予定だ。空き缶とペットボトルは集めれば業者に引き取ってもらえるので、多少ではあるがお金になる。そのお金はキャンプ場の維持費に充てられる予定だ。実は、清掃のために集まっているメンバーは、全員がキャンプ場のオーナーたちだったのだ。キャンプ好きのメンバーが集まり、資金を出し合い、森を開いてキャンプ場としてオープンしていたのだった。

 キャンプ場の後ろの森を清掃に行ったグループから悲鳴のような声が聞こえてきた。その叫び声は、森の中でこだまして他のグループにも届いていた。スマホによる連絡が素早く回った。各グループは清掃の手を一旦止めて、昼食時に集合する予定だった場所に戻ってきた。時刻は十一時半を回ったところだった。

「一体どうしたんだ。もの凄い声が森の中でこだましていたぞ。まるでゾンビにでもあったような悲鳴だったぞ」

「ああ、みんな集まってくれたな。実は、キャンプ場の後ろの森の中でゴミを収集していたんだけど、やけに葉っぱが山のように積まれた場所があったので、葉っぱをかき集めていたんだ。そしたら、その下の土が乾いていてこんもりしていたので変だなって思って、少し土をどかしてみたんだよ。そしたら、そしたらさ。指が見えたんだよ。人の指が。怖くなって、それ以上は何もせずに、ここに戻ってきたんだ」

「よし、わかった。と、とりあえず警察に連絡しよう。今日の清掃作業は中止して、警察に協力することにしよう」

 連絡を受けてやって来たのは、証刑事と縁梨刑事のコンビだった。もちろん、鑑識メンバーも同行して来た。

「刑事の証といいます。隣は、縁梨刑事で私と共に操作に当たります。今回は、ご連絡ありがとうございます。早速ですが、発見者の方はどちらの方ですか? 現場への案内をお願いしたいのですが」

「あっ、私です。久住といいます。あんまり行きたくはありませんが、ご案内します。こちらです。キャンプ場の後ろの森の中なんです」

 歩きながら会話は続いた。

「ありがとうございます。今日はなぜそんな所に行かれたのですか」

「今日は、みんなで集まって、キャンプ場とその周りの清掃にやって来たんです」

「ああ〜、そうだったんですね。それで、この現場に遭遇したわけですか」

 青いビニールシートが現場の森の中に張り巡らされ、遺体は丁寧に掘り起こされた。埋められていたのは、男性で下着姿だった。胸の前で手を組まれていたため、土を少しどけただけで、組まれた手の指の先が現れたのだった。縁梨刑事が、遺体から二メートルほど離れた場所に焚き火の後を見つけた。少しだけ木と木の間にスペースがあり、どうやら被害者の衣類と靴を焼却したようだった。身元を隠すためだったようだ。近辺の足跡も丁寧に消されており、計画的な反抗を匂わせていた。

「証刑事、これは随分と用意周到に計画された殺人のようですね」

「縁梨刑事、まだ殺人と決まったわけではありませんよ。もしかしたら、死体遺棄だけの事件かもしれません」

「え、え、え、いくら何でもこんなに綺麗に埋められているし、身元を隠そうとしてるのは明らかですよ」

「そうですね。ただ、直接の死因は後頭部を強く打ったもののようですよ。鑑識によると、テーブルのようなものの角に後ろ向きに倒れ込んで強く打ったようだということです。なので、死んだと認識していたとしても警察に届けられない事情があって、遺体の処分を考えたのかもしれないわけです」

「なるほど〜。深い。私が昇進できない訳が少しわかったような気がします」

「あ、そんな意味でいったんではありませんよ。縁梨刑事。とりあえず、周辺の聞き込みをしましょう」

 こうして、キャンプ場後ろの森で埋められた遺体が見つかり、捜査が開始された。まずは、周辺への聞き込みを元にして、容疑者の絞り込みができることに望みを賭けた。

続く


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