「失われた30年」③:経済政策の評価と国民の実感
前々回
前回
前回、前々回は失われた30年について社会の構造と金融政策の両面から考察してみたんやけど、ワイの中では失われた30年は失われた20年+10年みたいな認識なんよね😙
もちろん厳密にはアベノミクス以降10年以上経ってるし、それまで何もしてこなかったわけでもないからわかりやすく・キリの良い数字で20+10にしてるだけやけど、それを踏まえて今の政治の課題を考えてみた
①アベノミクスの功罪
2012年、長期停滞に陥った日本経済を再び動かすために打ち出されたのがアベノミクスやったんやけど、大胆な金融緩和・機動的な財政出動・成長戦略という「三本の矢」で、デフレ脱却と経済再生を掲げた政策セットやね
特に注目されたのが、日銀による大規模な金融緩和と、それに合わせた円安誘導
2013年以降、為替は1ドル=80円台から一気に120円台に進んで、輸出企業の収益が回復日経平均株価も上昇して、雇用環境も改善傾向に向かった
たしかに、数字の上では「景気回復」があった
・失業率は低下し、求人倍率も上昇
・企業の内部留保は膨らみ、株価も安定的に上昇
このあたりだけを見ると、成功のように見えると思う
でも、生活実感としては「恩恵を受けたのは一部だけ」という声も多かったと思うんよね
実質賃金が上がらなかったからっていうのが大きいと思う🙄
名目賃金がやや上昇しても、それ以上に物価が上がってしまえば、手取りの実感は減るしかない
また、恩恵を受けたのも大企業や都市部の一部労働者に偏った構図で、地方や非正規雇用には、好循環が波及せんかったという意味では、「成長はしたが、分配は見えにくかった」とも言える
それに、第二・第三の矢(財政出動と成長戦略)が不発に終わったのも事実やね
構造改革は遅れて、保育や介護などの社会インフラ投資は限定的、財政政策は選挙前のバラマキに傾いたし、継続性や戦略性が見えにくかった
つまり、アベノミクスは「株価と雇用は改善したけど、格差は拡大した」という副作用を伴った政策やったんよ


そして、もうひとつ忘れたらあかんのは、財政の悪化
国債発行による財政出動が続き、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化目標は何度も先送りにされた
「日銀が国債を買い支える」ことで金利上昇を抑えてきたけど、これは副作用を先送りしただけという見方もできる
アベノミクスは、言ってみれば経済を人工的にドーピングで持ち上げる政策やったんよね
たしかに当時の日本には即効性が求められていたし「劇薬」が必要だったとも思う
でも、副作用にどう向き合うかの議論は、ずっと先送りされてきた
その「劇薬」の出口として登場したのが「新しい資本主義」やと思うんよ😗
②アベノミクスの評価と“その後”に挑んだ岸田政権
アベノミクスは、「失われた20年」を終わらせるための出発点みたいな存在で、目的は明確やった
とにかく、止まった経済をもう一度動かすために打ち出されたのが「三本の矢」やね
・金融緩和(量的・質的)
・機動的な財政出動
・成長戦略(規制緩和や法人税引き下げ)
ここまでは多くの人が聞いたことあると思う😗
でも、大事なのはその先に何があったかやと思うんよ
金の総量は増えた──でも、回らなかった
アベノミクスで何が起きたか?
一言で言えば、「金の供給量」は増えた
日銀はとにかく市場にマネーを供給した
その結果:
株価は上がる(= 投資家や企業の資産効果)
企業収益は改善
雇用者数も回復
ここまではある意味、マクロの数字としては成功やったと思うけど一方で格差も可視化されてきたのは①でもまとめた通り
増えたはずの金が回っていないという状態
分配がうまくいかなかった理由
じゃあ、なぜ金が回らなかったのか?
これは一言で言えば、構造の問題やと思う
賃金が上がるのは一部の大企業だけ(中小や非正規には波及せず)
若者は将来不安で消費より貯蓄へ(デフレマインドの温存)雇用の流動性が低く、労働市場の硬直化が続いた
つまり、「金はあるのに使えない/使われない」構造が残ったままだった
だから、アベノミクスだけでは「景気回復の持続力」までは生まれなかったと思う
・岸田政権はアベノミクスからのソフトランディング
そんな中で登場したのが、岸田政権やね
そして彼が掲げたのが「新しい資本主義」
これはアベノミクスの全否定ではなく次のステップに進むための設計やったとワイは思ってる😌
金を刷って“量”を増やしたアベノミクス
→ その金をどう流し、どう配分するかを考える新しい資本主義
この流れが意識されてたと思うし、実際に「成長と分配の好循環」がそのキャッチコピーやった
・「人への投資」や「子育て支援」
岸田政権が打ち出した政策をざっくりまとめると、こんな感じ
・人への投資(リスキリング、賃上げ促進)
・子育て支援(こども家庭庁、児童手当の拡充)
・科学技術・スタートアップ支援(未来への投資)
・グリーン・デジタル推進(GX・DX)
たとえば、賃上げを促すために税制で優遇したり、NISAを恒久化して投資への動機づけをしたり
子育て支援にも大きく舵を切って、ようやく「少子化に本気で向き合うんか?」という期待も出てきた
・でも「実感がない」と言われるワケ
ここで問題になるのが、「国民の実感」やね
岸田政権の施策には明確な方向性があるし、世界的に見ればインフレも抑えてるし、子育て支援も打ち出してる
けど…
名目賃金は上がっても物価高に追いつかない(= 実質賃金マイナス)
賃上げも大企業や特定業種だけ
子育て支援は中間層の取り残され感が強い
給付金や補助金は単発かつ規模が限定的
だからこそ「やってるのは分かるけど響かない」という空気になってしまってるんやと思う😗
・インフレ・為替・外部要因というハードモード
正直言って、岸田政権はタイミング的にハードモードやと思うんよ
コロナ禍の出口が見えた途端に:
ウクライナ戦争
エネルギー価格の高騰
円安進行
グローバルなインフレ波
という複合要因が一気に来た
この中でインフレを欧米より抑えながら、子育て支援も分配もやろうとしてるのは、実は相当健闘してると感じてる
・でも実感を奪うのは「情報」でもある
ここがこの記事の後半にも繋がるけど
国民の「実感がない」っていう背景には、情報の偏りや分断を煽る言説の影響も大きいと思うんよ
「非課税世帯にばかり配るのはおかしい」
「子育てしてない人は損してる」
「政府は庶民を苦しめてるだけ」
こうした分配政策を感情で否定する声がSNSで拡散され、本来の政策目的が見えなくなってしまう
これは岸田政権の情報戦略の弱さでもあるし、令和の政治の課題そのものやと感じる
ということで、アベノミクスは「金を増やす」ことに一定の成果を残したが、回す構造まで作れなかった
そして新しい資本主義は、その金をどう使うかを問うフェーズやけど、まだ途中段階やね
③令和の政治が抱える課題『情報』
新しい資本主義がうまくいってないのか?
政策がズレてるのか?
そう思われるのは、「実感がない」からやと思う
でもここで考えたいのが、そもそも実感って何でできてるのか?って話やね😗
・情報が実感を作る時代へ
テレビや新聞しかなかった時代とは違って、今はSNSがある
誰でも発信できるし、誰の言葉も「それっぽく」見える時代
でも、実際に流れてくる情報の多くは
・感情的に刺さることを最優先にした見出し
・バズりやすい断片だけを切り取った引用
・意図的な分断や対立構造を煽る論調
こうした情報ばかりが目につくようになってるんよね
その結果、不満の声が広がってしまう
本来は再分配政策として必要な支援が「ズルい」「不公平」「優遇だ」って感情で歪められてしまう
・分断インフルエンサーとメディアの責任
この流れを加速させているのが、「偏向情報を発信して稼ぐ」タイプのインフルエンサーたちやね
彼らは
「庶民が損している」
「政治が国民を裏切っている」
「税金の無駄遣いがすべて悪だ」
みたいな「怒りや被害者意識」に訴える情報でバズを狙う
でもその背景にはデータの歪曲や、都合のいい切り抜きがあることが多い
しかも、それを一次情報にあたらずにシェア・拡散してしまう空気がSNSにはある
これはもう、「情報の公害」とも言える状態やと思う
・野党もその空気を利用してしまっている
こういう情報空間の中で、残念ながら野党も空気に乗っかるスタイルになってしまっているように見える
「非課税世帯ばかりズルい!中間層にもっと出せ!」
「税金が高すぎる!減税しろ!」
一見、庶民の味方のように見えるけど、それって短期的にウケの良い話だけしてるだけになってないか?と感じるんよね
本来、政治には「長期的な設計」が必要であって、「今怒ってる人の声を拾うだけ」じゃ社会はよくならない
でもその設計力を持つ政党や発信者が、いま本当に少なくなってると思う
・見える支援と伝わる設計が必要
ここで政府にとって必要なのは、「もっと支援をばらまけ」という話やないと思う
それよりも
「なぜそれをやるのか」
「その支援はどう繋がっていくのか」
という設計と目的を見える形で示すことやと思ってる
たとえば、子育て支援ひとつにしても
・いま育ててくれてる人を支える
・将来の労働人口と税収を確保する
・次世代の教育や治安の安定にもつながる
こうした社会全体の中での「投資」として説明することが必要
その説明責任こそが、いまの政権に問われてる課題やと思う
・政治が情報戦を制する必要がある時代へ
つまり令和の政治は、ただ政策を作って執行するだけでは不十分
「どう届けるか」「どう理解してもらうか」までが、政策設計のうちになってきてる
誰に届いているのか?とか、どんな誤解が広がっているのか?を本気で考えて、SNS上でもリアルでもわかる言葉で語る必要がある
「知ってる人にだけ通じる政策」ではなく、知らない人にも伝わる政治が求められているんやと思う
結局、実感のなさは政治への信頼を損なう重大な問題やけど、単なる経済の問題だけやなく、情報の構造にもあるというのがワイの考えやね
最近になって誤情報対策は少し前に進みだしたけど、まだまだ足りてない
表現の自由とか様々な要因があって難しいけども、日本の政治の安定のためには必要やと思うし、政治リテラシーとでも言うのかな?そこは国民に対して教育の機会があってもいいと思う
令和の政治を前に進めるには、金の流れと同じくらい、情報の流れにも向き合う必要がある
そして「政治が見える」「意味が伝わる」状態をつくることが最も必要やと思ってる😙
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