周りに合わせる生き方を手放した日|おーつーnote部修了生 なるちすさんインタビュー
「流れに身を任せすぎて、自分が分からなくなったんです」。
そう話してくれたのは、おーつーnote部0期(以下、note部 ※)に参加したなるちすさん。参加当時、オンライン秘書として働いていたなるちすさんは、社会や家庭の〝こうあるべき姿〟に合わせようとするほど心がざわつき、次第に自分の感情が見えなくなっていきました。
手帳に思いを書き出し、自分のルーツをたどろうとしても、そのモヤモヤは深まっていったと言います。
そんなとき、「自分に戻る」ための環境に選んだのが、note部でした。仲間との対話を通して本音に触れ、やがてオンライン秘書を辞める選択へつながっていきます。
——ここからは、なるちすさんとのインタビューから、「本当の自分」を取り戻すまでの過程をたどります。
聞き手/冨田 裕子(おーつー)・note部主宰
※ note部:おーつーnote部の略称。noteで発信する人たちが集まり、「自分の本音と繋がること」を目指す3か月間の伴走型オンラインコミュニティ。これまでに0期・1期を開催。
常識に合わせすぎて、自分が分からなくなった

——よろしくお願いします!note部に入る前は、どんな悩みがありましたか?
なるちす:社会や家庭の「こうあるべき姿」に合わせ続けるうちに、ずっとモヤモヤしていました。自分の軸より外の価値観を優先してしまい、「これでいいのかな」と自分に問いかけても、答えが見つからないままの状態でした。
——自分を見失う、というのはどんな感覚ですか?
なるちす:いつも周囲に合わせていて、自分の気持ちが分からなくなる感覚です。誰かの目を気にして、「客観的に見て合格点かどうか?」とばかり考えてしまい、主観で生きられないと感じていました。本心よりも常識を優先しすぎて、ますますモヤモヤが大きくなったのです。
ざわざわの正体を探し始める——書く内省で見えたもの

——日常で、自分の感情に気付くのは難しいですよね。
なるちす:本当にそうです。情報社会は便利な一方で、他人の価値観がどんどん自分に入り込んできます。自分のままでいいはずなのに、気付けば自分じゃない何者かになろうとしていました。
モヤモヤの正体が知りたくて、前から手帳に自分の思いを書き出しながら、「自分の気持ちはどこに行き着くんだろう」と模索していました。私にとってnoteも「手帳を書くことの延長」だったんです。
——書くと、気持ちが整理されますよね。
なるちす:はい。手を動かして書いてみると、頭の中の回路がつながりやすいと感じていました。noteでも同じ感覚です。noteは安心して書ける場所だったので、note部に入れば自分のもっと深いところにアクセスできるかもしれないと思っていました。
——だからnote部を選んだ?
なるちす:そうです。自分一人では深層にたどり着けない部分があっても、メンバーに見てもらえたり、自分も人の文章を読めたりするつながりがある。それがいいなと思いました。
note部での対話を通して感化され、本音に気付く

——note部に入ってみて、どうでしたか?
なるちす:普段は場をうまく回すために、つい優等生的な答えを選びがちでした。でもnote部では「そんなの関係ないや」と思えて、朴訥なまま本音を話せました。
——印象に残っている出来事はありますか。
なるちす:メンバーとの対話です。初対面なのに、みんなが「本当はこうしたい」という自分の夢や願いを素直に語っていたのが印象的でした。表面的なやりとりとは違って、どの言葉にも気持ちがこもっていて、心に響きました。
——影響を受けた?
なるちす:はい。誰かの本音に触れるたび、「ああ、私もこうしたかったんだ」と気付きました。あるメンバーが「本当は小説家になりたかった」と話したとき、この場では自然に、「年齢は関係なく、そういう世界があっていい」と思えました。自分にも許可が出た感覚でした。
——自分の感情も見えるような?
なるちす:そうですね。私は客観視が得意ですが、自分の感情には鈍感でした。けれど、まっすぐに気持ちを語る人と向き合うと、少しずつ主観が戻ってきて、「自分が感化されてもいい」「これが私の気持ちなんだ」と気付く瞬間が増えました。
違和感を覚えることも、それが自分の価値観を知る手がかりになりました。良い違和感か悪い違和感かも、頭で考えるより先に、直感で分かるようになった感じです。
——note部での対話は、どんな特徴がありましたか?
なるちす:自分をさらけ出しても大丈夫だと思える空気です。おーつーさんが自分自身を率先して開いてくれるので、私も自然と心を開くことができました。
「人は人、私は私」人に合わせる生き方を手放し、オンライン秘書を辞める

——価値基準は変わってきましたか?
なるちす:変わりました。もう、外の評価ではなく「私はどうしたいか」を大事に選ぶようになりました。オンライン秘書の仕事では、連絡が来るたびに心がざわつき、リーダー役を求められるほど負担が大きく、「この役割は私には無理だ」と思うようになりました。
——書くことで気付いた?
なるちす:そうですね。書くほどに「常識ではなく、私はどう感じているか」が少しずつ見えてきました。以前は、「大人は何事もスマートに割り切るべき」と思い込んでいましたが、それは外側の価値観だったと気付きました。
——違和感が強まった?
なるちす:そうですね。note部で素直に語るメンバーの様子に触れ、私自身の本音も浮かび上がってきました。世の中で「これが当たり前」と言われても、「本当かな?」と疑えるようになり、反骨心も戻ってきた感じです。
「及第点」ではなく、「私はどうしたいか」に軸が移り、オンライン秘書を辞める決断にもつながりました。私はこれまで長く〝人に歩調を合わせる文化〟の中で生きてきましたが、今は〝合わせなくてもいい生き方〟に進みたいと思っています。人は人、私は私。他の誰とも違っていて、自分のペースで生きていいと、心から感じられるようになりました。
——note部に入る前より、生きやすくなりましたか?
なるちす:そうですね。以前は外に出て成果を出さないと価値がないと思っていましたが、それも借り物の価値観だと気付きました。今は、外に働きかけるよりも、自分のタイミングでやりたいことをやればいいと考えています。
気が付けば、金子みすゞさんの詩の一節『みんなちがって、みんないい』が、自然と自分の中で納得できるようになりました。
自分にはどんな土俵が合っているのか、見極めたい人へ

——どんな人に、note部をおすすめしたいですか?
なるちす:モヤモヤしている人や、変わりたいと思っている人におすすめです。多くの人は、周りに振り回されていることに気付かず、「自分が分からない」と悩んでいます。でも本当に必要なのは「自分を変えること」ではなく、「自分に戻ること」。その感覚を自分で見つけ出せる場所が、note部だと感じています。
——noteの毎日投稿を辞めたときも、象徴的でしたよね。
なるちす:あのときは高熱が出て動けなくなっていて、「無理がたたったかな」と気付きました。途中から「noteを投稿しない」と決めましたが、その選択すら受け入れてくれるのがnote部の良さです。みんな方向性はバラバラなのに、いつでも戻ってこられるホームのような場所があるのが嬉しかったです。一人で書くと孤独になりがちですが、「一緒にやってもいいし、何もしなくてもいい」という雰囲気がありました。
——読者にメッセージをお願いします。
なるちす:自分にどんな土俵が合うか見極めたい人には、note部がぴったりだと思います。強制されたり、正解を押し付けられたりすることのない場所なので、本来の自分に戻りたいと思う人にぜひ来てほしいなあと思います。
(おしまい)
【プロフィール】
なるちす(なるちす)
会社員を経てオンライン秘書として約2年間働いたのち、心身の違和感に気付き、仕事を手放す。
社会や周囲の期待に合わせ続けたことで自分の軸を見失っていたが、書くことを通して本音に戻り始めた。今は外側の基準ではなく、自分の感覚を大切にしながら、新しい生き方を模索している。
一児の母。三度の飯より考えることが好き。
執筆/石川 えりさ
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