沖縄修行の裏話【前編】
試合の話もあらかた書き終わってしまったので、今回からは格闘技関連の過去回想編。
前回の記事はこちらから読めます。
さて、時は遡り2023年春。
訳あって会社から4週間の休みを頂けたため、この機会にどこかに修行に行こうと考えた。
さっそく家族に相談すると、
「全然自由にしていいよー」
的なゆるい返事がきたので、東京に行くか沖縄に行くか少し悩んだ挙句、家族を置いて1人沖縄に修行に行くことにした。
東京ではなく沖縄を選んだ理由は沢山あるけど、1番は単純に沖縄の方が楽しそうだから。
自分の住む岐阜県は四方八方を山に囲まれており海もないので、真逆の環境である沖縄に全員憧れている。(知らんけど)
それに加えて、当時から既にUFCファイターだった達郎を中心として、ストロー〜バンタム級の選手が沢山おり、修斗の世界ランカーなども多かった為、良い練習が出来ると思い即決した。
また、強い選手が東京に集中している中、沖縄から沢山の選手を輩出する松根さん(THE BLACKBELT JAPAN副代表)の指導にも凄く興味があった。
理由を挙げだすとキリがなくなってしまうのでこの辺で。笑
とにかく沖縄に行こうと決め、TBJ沖縄のホームページから松根さんに修行に行きたい旨のメールをした。
翌日くらいに返信が来て、有難いことに修行を受け入れて頂けることとなったので、5月中旬、片道切符で岐阜県から1人沖縄に飛んだ。
当初の予定では10日くらい滞在して昼間は沖縄を観光しながら夜は練習しようくらいに考えていた。
しかし、思わぬ出会いや居心地の良さ、そして台風で飛行機が飛ばないなどのトラブルもあり、気づいたら昼夜練習し、2週間半も滞在することとなる。
沖縄到着!激安ゲストハウス泊!
2023年5月15日。
朝から家を出て昼過ぎに沖縄に到着した。
とにかく1人で沖縄に来たという開放感が半端じゃなく、空港に着いてからずっとニヤニヤしてたと思う。
沖縄に来て、やりたいことは3つあった。
①TBJ沖縄で練習すること、②ゲストハウスに泊まること、③原付で沖縄一周すること。
自分はアフロ田中という漫画が大好きで、その中で実在するゲストハウスでの生活が描かれており、とにかくその自由さに憧れていた。
沖縄に来る際、練習道具と行きの飛行機の切符以外何も準備せずに来たので、とりあえずゲストハウスを転々としながらアフロ田中に出てきた場所を探そうと決めていた。
そんな経緯もあり、まずは拠点となる宿探し。
沖縄には電車がなく、ゆいレールというモノレールが一本あるだけ。
とりあえず国際通りに近い駅で降り、拠点を探すこととした。
何でも良いからゲストハウス見つけて入ろうと適当に歩いていると、早速1件目のゲストハウスを見つけた。
外に出たボロボロの看板に【1泊800円】と書いてある。
めちゃくちゃ怪しいなと思いつつ、相場もよく分からなかったのでゲストハウスってこんなに安いのかと思いながら入ってみた。
荷物を預け、お金を払うと寝床に案内された。
かなり天井が高い部屋に、落ちたら大怪我するくらいの高さの3段ベッドが置いてあり、最上段だったが柵などは何もなかった。
分かりやすい写真を撮ってなかったのが残念だけどざっくりこんな感じ。天井近すぎ、床固すぎ。笑

成程これが800円クオリティか、と納得しつつ、一度付近を探索することとした。
沖縄にはEVER GROUND(通称エバグラ)という格闘技ショップがあり、行ってみたかったので調べたところかなり近くにあることが判明し早速向かってみた。
買い物をして店長のマリコさんと話すと、壁にサインさせて頂けることに。自分のサインを考えてなかったので、でっかくフルネームで名前を書かせて頂いた。
今後エバグラに行く方は、気が向いたら探してみてください。
この時の会話の中で、明日から松根さんのところでしばらく練習させて頂く旨を話したところ
「明後日から(鈴木)千裕くんも来るみたいだよ」
と教えて頂き、 出稽古が自分1人じゃないのが分かりかなり心強かった。
元々 ずっとKNOCKOUTやRIZINで試合を見ていたこともあり、それまで面識はなかったが楽しみだなと思いつつエバグラを後にした。
拠点の確保と買い物が終わり、次は練習場所の確認。
沖縄は全然土地勘がなかったのでGoogleマップ片手にジムまで歩いてみることにした。
歩いたところ40分近くかかり、予想以上に距離があったのでこれは無理だと思い、翌日はとりあえず原付を借りに行こうと決めた。
適当なお店で沖縄そばを食べて激安ハウスに帰宅。
旅の疲れもあり、めちゃくちゃな環境だったがすぐに眠ることができた。
2日目。拠点の月光荘へ!
翌日、固い床とガンガンの冷房に晒されバッキバキの体で起床。
あまりにも寒かったため1枚100円の布団を借りて包まって寝たが、控えめに言って人間が寝れる環境ではなかった。笑
布団、薄すぎなんよ。
夜中は隣で寝ていたおじさんがいびきをかきながら自分の区画にガンガン侵入してくるので、狭いスペースが更に狭く地獄だった。
そんな苦い思い出の激安宿に別れを告げ、歩いて原付を借りに行くことに。

めちゃくちゃ遠い道のりを越えて昼頃になんとか原付を確保。
これまで狭い範囲で沖縄をエンジョイしていたが、これで行動範囲が沖縄全域に広がった。(原付で8時間程度で沖縄一周できるらしい)
練習にもバッチリ行けるようになり、早速この日の夜から練習に行くこととした。
練習前に今日の宿を探さなくてはと国際通り付近をフラフラしていると、偶然にもアフロ田中に出てきた宿を見つけた。
【月光荘】という名前で、手作り感満載のレトロな雰囲気の宿だった。

雰囲気がとても好きで国際通りから徒歩5分とアクセスが良かったので、暫くここに滞在することにした。ちなみに一泊2000円くらい。
こうして偶然にも2日目にして目的の一つを達成した。
その後は原付で少し遠出。
RIZINにも出場経験のある曹さんがやっている【氷ヲ刻メ】というかき氷屋さんへ。
かき氷にはシロップしかかけたこと無かった自分からすると凄い衝撃だった。美味すぎるだろ!!

なんだかんだ時間も夕方になってしまったので、ゲストハウスで焼き鳥パーティの後、遂に初練習へ。

沖縄での初練習と千裕到着✈️
夕食後に練習の準備をしてジムへ。
今は「THE BLACKBELT JAPAN」と名前が変わっているが、自分が出稽古に行った当初はまだ「THEパラエストラ沖縄」で、場所も現在とは違った。
早速ジムに入るが、めちゃくちゃ人数が多くて活気が凄い。
活気が凄すぎてジムの中が通勤ラッシュの新宿駅みたいになっていた。(今井は盛り癖があります)
「練習相手、無限にいるじゃん!!」
と、普段は無い光景にテンションが上がりまくり、早速練習に参加させて頂いた。
滞在が長かったので最初の練習が何だったかは覚えていないが、とにかく充実した練習をすることができた。
自分はガチスパーがめちゃくちゃ嫌いだが、心配していたスパーリングの強度も自分に合っており、雰囲気も凄く良く、ここで暫く頑張るぞという気持ちになった。
練習が終わり月光荘に帰ると、月光荘に併設されている手作りのバーで飲み会が始まっていた。
沖縄ではゆんたくと言うらしい。
日本全国から旅人が集まり、ワイワイ交流しましょうみたいな感じ。
沖縄では仕事の話などは一切なく、みんなめちゃくちゃ自由で普段何してるのか全く分からない感じが最高に沖縄だった。

ゆんたくでの飲みも終わり、翌日の練習のために就寝。
月光荘の寝床はドミトリータイプで、初日に泊まった800円の宿とは違い、快適に眠ることができた。
最初の2日間でとりあえず生活できる環境を確保できたので、3日目からは2部練をすることにした。
この日から千裕も沖縄に来て、昼夜ともに練習。
1人で沖縄に来て心細いと思っていたが、千裕は同い年の上、同じ出稽古組とあって初対面だったが仲良くなり、心の励みになった。
夜はステーキを食べに。

そんな感じで沖縄での生活も順調に始まり、ゲストハウスで暮らしながらほぼ毎日の昼夜練習。
昼練が終わった後は水浴びをして、夜練が終わった後は千裕と吉野家でご飯を食べて帰るという生活になった。
沖縄に行ってまでなんで吉野家?と思うかもしれないが、練習後は中々空いている店がなく速攻で吉野家に落ち着いた。

少し練習から話が逸れるが、沖縄と岐阜で明確に違うなと思ったのが、一般の人達の格闘技に対する理解。
岐阜では格闘技があまり知られておらず、ほとんどの人に格闘技=K-1だと思われており、訂正してもあまり理解して貰えないので
「あ、ザックリそんな感じのやつです!」
でやり過ごしている。
それに比べ、沖縄では格闘技への解像度が高く、飲食店などに入ると結構頻繁に耳が潰れている事に気付かれる。岐阜では中々話しかけられないので、まずそこにビックリする。
「あ、格闘技やってて....」
と言うと、総合格闘技だろ!みたいな感じで返事が帰ってくる。
「沖縄には修斗のチャンピオンがやってるジムがあるぞ!」
と結構な割合で言われるので、まず普通の飲食店で修斗と言うワードが出るのにビックリしたのと、沖縄の人達が格闘技詳しいのは松根さんの功績なのが分かり
(松根さんマジで凄えなぁ....)
と大尊敬。
松根さんの言うことを聞いて2週間頑張ろうと思い、沖縄修行の良いスタートを切った。
中編へ続く。
