【プロ15戦目】久保健太戦の裏話
クボケンさんとの試合が決まった時に既に記事を書いてしまったこともあり、前回の記事に肉付けしてリニューアルします。
4月6日に行われた「GLADIATOR030」で和田さんに勝利した翌日、ジムの代表を通じてGLADIATORから「6月8日もしくは9月21日の大会に出場できるか」
との連絡が。
※前戦の記事はこちらから読めます
和田戦の試合内容があまり良くなかったこともあり、まずはオファーを頂けたことにホッとしました。
GLADIATOR関係者の皆様、いつもありがとうございます。
1月、4月と連戦しているため6月だと試合間隔が短いなと思いつつも、9月だと逆に試合間隔が空きすぎてしまうので6月でお願いしますと返事。
この時点では対戦相手は決まっておらず、出場のみが決まっている状態。
GLADIATORメインカードの中から自分の対戦相手候補を探してみると、GLADIATOR名物の謎強豪外国人を呼んでくるかクボケンさんと戦うかの2択になった。
クボケンさんは自分が毎週出稽古に行っているGSB多治見の所属選手で、いつも一緒に練習する練習仲間。
体格がほぼ同じでプロ戦績も近いので、GSBではクボケンさんとのスパーリングがメイン。
また、GLADIATORでの試合の際は計量の前後に送迎して頂いたり、リカバリーにご一緒させて頂いたりと、練習以外でもとてもお世話になっている関係性。
選手としては独特な打撃が光るストライカーで、鶴屋怜選手やチェ・ドンフンなど、UFCファイターとの試合経験も豊富なベテラン選手。
また、名古屋RIZINでも勝利を収めており、東海地区を代表するファイターの1人。
自分はこれまでオファーを断ったことがなく、相手が強くても弱くても基本的に試合を受けることにしており、チョ・ジュンゴンやオトゴンバートルと試合をしてくれと言われた時もマジかよと思いながら即答しているが、(チョ・ジュンゴン戦は相手の事情により消滅)一緒に練習をしているという理由からクボケンさんとはタイトルマッチ以外では試合したくないなと思っていた。
しかし悪い方向に予想は当たり、4月下旬、正式にクボケンさんとの試合のオファーがきた。
タイトルマッチ以外であればクボケンさんとのオファーは断ろうと思っていたが、次期挑戦者決定戦とのことで、試合を受けることにした。
GLADIATORにうまく転がされているような気がするが、DEEPで4連勝しても東京に呼ばれず、PANCRASEでは勝ったり負けたりのノーランカーだった自分としては、毎大会メインカードに呼んで頂ける今の立場はとても嬉しい。
※余談になるけど、以前RIZINオープニングファイトのオファーを頂いた際、他で試合が決まっており泣く泣く断ることとなったが、もしオファーを受けていたらクボケンさんと試合していた未来もあったかもしれない。格闘技は紙一重。
(そんな経緯もあってなのか、オープニングファイトはクボケンさんvs岡本秀義選手に決定)
クボケンさんも自分もお互い現フライ級王者のオトゴンバートル🇲🇳に負けており、オトゴンはUFCを目指している為、勝った後どうなるのかは分からないが、どちらが勝っても岐阜県からGLADIATORのタイトルマッチへ進むこととなった。

試合までの期間も短かかったため、少しでも良い状態で試合を迎えようと、いつも以上に気合を入れて練習することにした。
試合前の練習。マット菌が強すぎる
毎週クボケンさんとスパーリングしていたこともあり、お互いの強みも弱点も把握していた。
スパーリングでは組めば勝負できるけど、打撃戦になると不利なことが多かったため、とにかく組むことに重点を置いて色々なタックルの入りだったり、壁際の攻防を沢山練習した。
クボケンさんの過去の試合を見ると、レスリングが強い選手などからのテイクダウンをうまくディフェンスしている場面などがあり、テイク取れなかったら最悪だな....と思いながら練習に励んだ。
そんなこんなでいい仕上がりで迎えた試合2週間前、クラス中に前腕の傷口が腫れていることに気がついた。
良くあることだと思いその日は放置して寝たが翌日、明らかに腫れが酷くなっており39度近い熱まで出てきた。
手がパンパンになり、触るだけでめちゃくちゃ痛かったので病院へ。

病院で何と言われたかは覚えてないけどとりあえず菌が入ってる的な感じで薬をもらい、普段薬なんて全然信じてない自分だったが必死に塗りたくった。
そんな甲斐あり、試合の週にはなんとか発熱が治り、前腕はまだ腫れていたがなんとか試合に挑める状態になった。
追い込みラストの週に全く練習ができず、不安を抱えながら試合に挑むこととなる。
ちなみに自分だけではなく、ジムの練習メンバーが全滅していたのでこれが所謂マット菌というやつなのかもしれない。知らんけど。
いざ大阪へ。出発直前に出張確定
マット菌もマシになり怪我もなく最後の練習を終え、スタミナに不安を抱えつつもラスト1週間は調整しようとのんびり過ごしていた。
そんな中、仕事に行くとこんなことを言われる。
「今井くん、来週の月曜日千葉に出張いける?」
もう後は体調を整えて試合に挑むだけだと思っていたが、最後の最後に大変なことになってしまった。
「どんな怪我しても勝てればいいや」
と思っていたが、
「日曜日に大阪で怪我なく勝ち、そのまま翌日千葉に出張に行く」
という感じで、ミッションの難易度が跳ね上がった瞬間だった。
試合後に自宅のある岐阜に帰ると睡眠時間が全くないことに気付き、名古屋で泊まることに決めた。
家族が当日車で応援に来てくれる予定だった為、スーツや書類をあらかじめ車に詰め込み、自分は電車で前日計量へ。
今回のグラジの勝利者賞がリュックだったので、格闘技用の臭いやつしか持ってなかった自分は、試合に勝って勝利者賞のリュックで出張に行こうと決めた。
マット菌の発熱がなんとか治って試合ができると思った瞬間にこんな事態となり、
「無事に試合に勝ち、リュックを手に入れ翌日の出張に辿り着けるのか」
という大きな不安を抱えながら大阪へ出発した。
前日計量でスッポンポン
毎回恒例になったボッチ前日計量。
4キロちょいの水抜きを終え、予備計量へ。
57.15kgまでOKのところ、体重計が57.2kgと50gオーバーだったので、大勢の前でパンツを脱ぐのがなんとなく嫌な自分は外に走りに行くことにした。
ちなみに、グラジの体重計は全面の目隠しが低く、パンツを脱ぐと50人くらいの前で全て丸出しになる。
タオルで囲うとかがベターなのかなと思うが、特にそういうこともない。笑
水抜きのラスト50gをケチったばかりに走ることになり、最悪の気分だったが10分ほど軽く走り計量会場へ戻る。
少し汗ばんでいたこともありジャストだなと謎の自信を持ちつつ、本計量が開始し自分の番へ。
パンイチになり、ジャストを確信したドヤ顔で体重計に乗ったところ予備計量と同じく57.2kgで50gオーバーだった。
さっき出た汗は何だったんだよ。と思いつつ、結局大勢の前で全裸になり計量。
体重計は57.0kgを指し、
(俺のペラペラのパンツが200gもあるわけねーだろ)
と思ったが、そんなことは今どうでも良かったので急いでパンツを履いた。
そんなプチトラブルがありつつ無事に計量クリア。
写真撮影を終えてホテルへ戻った。
リカバリー大成功
いつもは計量後に決まったうどん屋さんに行くが、普段はクボケンさんが連れて行ってくれるため被ってしまうと思い他でリカバリーを開始。
計量後はお腹が空いてしまうこともあり、いつもは1件目で腹8分目まで食べてしまうことが多かったが、しんどい思いをするのが分かりきっているので今回は少しずつ食べてみることにした。
ホテルの近くにあったうどん屋さん、なか卯などを3件くらいハシゴし、スーパーで食料を買い込んで再びホテルへ。
1件でお腹いっぱいまで食べるよりも、ちょくちょく食べて行ったほうが沢山食べれることを15戦目にしてようやく発見した。

計量が終わってから、休憩を挟みつつ10時間くらい食べ続け、毎回恒例の体重測定。
いつもは7kgちょっとしか戻らないが、今回はちょくちょく食いの成果があってか8.5kgのリカバリーに成功した。フライ級で計量クリアして翌日試合するころには2階級上のフェザー級という戻りっぷり。

胃もたれもなく、いい感じで就寝。
試合当日
遂に試合当日。
この日の試合順はセミファイナルで、かなり待ち時間が長かった。

GLADIATORの控室は常に2つしかなく、当たりハズレがあるが、今回はグラジ5戦目にして初めてハズレの控え室だった。
アップするスペースがかなり少なかったため、まわりの選手が気合を入れてアップする中、隅っこでコソコソとアップをした。
アップの最後には試合で使いそうな極めの打ち込みを3種類やり、ほどほどに汗をかいて終了。
そして今回は人のゲロを踏むことなく試合開始。
クボケンさんは打撃が上手く、蹴りなどが怖いためガンガン距離を詰めて戦おうと思った。
(頼むから顔の骨とか折れないでくれ...)と願いつつ近距離でガンガンパンチを打っていく。
自分から前に出ることでテイクがかなり取りやすくなり、1度目のテイクダウン。
そのまま極めを狙うが凌がれ、コントロールして1R終了。
2Rは1Rと同じ感じで行こうと思い、同様にガンガン前に詰めた。
壁際に詰めてテイク。
壁際の攻防が得意なだけあり、壁に詰めると冷静になれるので会場内のことがよく分かる。
ケージサイドの係員の足元にチーズバーガーが置いてあるな...とか、壁の展開中に客席にいる練習仲間の土本くんとやたら目が合ったりと、普段のスパーリングより冷静だった。(試合中に目が合いすぎて変な空気だったので、微笑んでおいた)
極めをかなり警戒されていたが、2R終盤に相手のスタミナが削れてきたところで肩固めでフィニッシュ。
肩固めは元々全然極まらなかった技だけど、今回の試合に向けて1から習って作り上げた技。
1年ぶりのフィニッシュで、大きなミスもなく久しぶりにいい試合をすることができた。
そして無事に勝利者賞のリュックも手に入れ、無事に翌日出張に行くためのピースが揃った。
試合後のドキドキボーナス
今回はボーナスが公表されていなかったが、GLADIATORは毎大会メインカードを対象にボーナスが出る。
今回の試合内容的にあってもおかしくないなと思い、ドキドキして最後の写真撮影へ。
※GLADIATORはメインカード終了後に全選手がケージに入り写真撮影をする。その際にボーナスの発表がある。
総額30万円のボーナスが発表され、メインの南選手が10万円、自分が20万円を頂くことができた。
自分の場合、20万円はファイトマネーより高いのでめちゃくちゃ嬉しい。
6月は本職のボーナス月でもあるので、めちゃくちゃウハウハで帰った。

翌日出張。東京で千裕と祝勝会
試合が終わって、既に前日計量から2日以上家を離れていたため、めちゃくちゃ家に帰りたかった。
ただ、家に帰ると翌日の5時半の始発に乗って出張へ行かなくてはいけないため、無理だと思い1人寂しく名古屋で泊まることにした。
何の予約も下調べもしていないので、駅前のネットカフェへ。
数時間前にボーナス20万円+ファイトマネーを獲得した奴とは思えないくらいの落差だった。
お酒を飲みたい気持ちだったが、明日の朝やらかす未来が見えたのでこの日は控えて就寝した。
翌日、関東に行くなら以前から交流のある千裕(RIZIN/鈴木千裕)に久々に会いたいと思い連絡してみると、予定が空いているとのことで仕事終わりにご飯に行くことに。
※この辺の出会いとかはまた時間のある時に書きます
試合の翌日ということで祝勝会をしてくれることになり、自分では中々食べれない美味しい焼肉をご馳走になりました。
千裕、ありがとう。。。

終電か分からないけど遅い時間に岐阜へ帰り、ヘトヘトでそのまま就寝。
3日ぶりに自宅へ戻ってきた安心感と、全てを無事に終えられた安心感のダブルパンチでこの日はめちゃくちゃぐっすり眠れた。
次戦について
今回、次期挑戦者決定戦に勝利したため次戦はタイトルマッチ予定。。。のはず。
現チャンピオンのオトゴンバートル🇲🇳がUFCを目指していることもあり、もしかしたら返上するのかな?というところなのか、今のところGLADIATORからタイトルマッチのオファーは来ていない。
どちらにせよ練習で鼻が折れてしまったこともあり、しばらく試合はできないので少しのんびりして過ごそうかと思います。
次戦へ続く。
