【プロ13戦目】オトゴンバートル戦の裏話
スモーカージムの華ストライカー宮川選手に苦戦しつつもギリギリ勝ち、次戦はチョ・ジュンゴンを倒すぜと意気込んでいたところ、ジュンゴンが怪我により欠場。
※前回の試合はこちらから読めます
チャンピオンが空位だったこともあり、棚ボタ的にGLADIATORの最強モンゴル人、オトゴンバートルとタイトルマッチでチャンピオンを決めることとなった。
オトゴンバートルは当時4戦全勝。レスリングでアジア優勝などの結果を残しつつも打撃の上手いオールラウンダー。
GLADIATORの上位陣が軒並みボコボコにされており、オトゴンは誰が見てもGLADIATORフライ級最強だった。
(当時のGLADIATOR上位陣の実力を30とすると、オトゴン1人だけが100くらいのイメージ)
みんなオトゴンバートルに負けていく中で、GLADIATOR参戦のタイミングが遅く偶然にも良い戦績(当時9勝3敗)で残っていた自分がタイトルマッチの権利を手にすることができた。
ただ、強い相手ではあったが自分としてはオトゴンバートルと戦ってみたい気持ちもあったので、めちゃくちゃラッキーだなと思いながら試合に挑むこととなった。
ちなみに分かりやすいように最初に結果を話してしまうと、1Rで特に何もできずボコボコにされ悔しい敗戦となった。
試合前の煽り映像撮影
タイトルマッチということで、GLADIATOR参戦から恒例となっていたMMAPLANETさんのインタビューに加え、ジムに煽り映像の撮影などが来ることとなった。
煽り映像の撮影ではプロ練の様子を撮影して頂いたが、自分は練習で弱いタイプなのでひたすらボコボコにされているだけの映像が出来上がってしまった。笑
自分の撮影ということもあり、みんな練習で華を持たせてくれるのかなと思ったが、期待とは裏腹にそんな雰囲気は一切なく、いつも通りピリピリした感じの練習だった。
アマチュアの選手にバックを取られながら、
この映像はさすがに使えねえよな...
と思ったが、変に張り切ると絶対に怪我をすると思い、GLADIATORには悪いなと思いつつもいつも通りのテンションで練習を終えた。
ちなみに出来上がった煽り映像がこちら。
自分がボコボコにされているシーンはしっかりカットされていた。ありがとうございます。笑
いつもより注目度が高いなと思いつつ、練習に関しては普段の練習に加え、GSB多治見での打撃パーソナルなどを取り入れた。
自分は組み技に関しては自分で考えて新しい技術を見つけたり、悪いところを改善できたりすることもあるが、打撃に関しては才能が全くないのか、あまり新しい発想とかが出てこない。
毎日なんとなく打撃をやっていたため、人に教えて貰うことで新しい発想に繋げようとちょくちょくパーソナルを受けるようになった。
その他は特別な練習などはなく、普段通り練習して追い込み終了。
前日計量、モンゴル勢大遅刻
怪我なく追い込みも終わり、前日計量。
いつも通り集合時間の30分前に会場に入り、予備計量を済ませた。
計量はメインから始まるため、今大会セミファイナルだった自分は結構早く順番が回ってくるが、オトゴンバートルの姿がない。
というか、モンゴル勢が3人くらい出場する予定が誰もいない。
この時の自分の心境としては
オトゴン微妙に計量オーバーして減点スタートにならねえかな
みたいな感じで、タイトルマッチまで来ても頭の中はこれまで通りちゃんとカスだった。
そんな期待も虚しく30分遅れくらいでモンゴル勢が到着。
どうもバンタム級タイトルマッチに出場する予定のシンバートル選手の体重が全然落ちずホテルを出発できなかったみたいな話だった。
肝心のオトゴンバートルは余裕で体重が落ちたらしく、普通に計量クリア。
オトゴンに関しては体があまり大きくないため、計量時でも少し脂肪が乗っており、減量は楽なんじゃないかと思う。知らんけど。
お互いに計量をクリアし、フェイストゥフェイスが終了。

計量をクリアすると普通の選手は経口補水液などで水分を補給し、その後にフルーツなりお粥なり、胃に優しいものを摂取する。
自分も例外ではなく、経口補水液で水分を補給してルール説明が終わるのを待っていた。
そんな中、ふと気になってオトゴンの方を見てみると、計量会場では中々見かけないものを食べていた。
強い選手は何を食べてるのかと思いよく見てみると、横のコンビニで買ったと思われるチキンカツサンドだった。
水分を摂取するだけで精一杯の自分に対し、オトゴンバートルはそもそも普通に食っても重いチキンカツサンドを、計量の直後に食えるという、試合前にもかかわらず生物としての強さの違いを見せつけられてしまった。
しかも少しずつ食べるわけでもなく、腹減ってましたって顔してかぶりついてた。
ちなみに、オトゴンバートルのフルネームは
オトゴンバートル・ボルドバートル
というのだが、名前に2回も入っているバートルという言葉の意味が気になって調べてみた。
モンゴル語で「英雄」という意味らしく、名前に2回も英雄なんて入ってる生まれながらの戦士に田舎っぺの今井健斗が勝てるのかよと弱気になった。
また、モンゴルでは小さい頃から大自然で乗馬やモンゴル相撲で遊ぶらしく、そんなヤツにポケモンしかしてなかった俺が勝てるわけねえだろ!とも思ったが、試合となれば勝つしかないので全て心の奥にしまっておいた。
話が逸れたのでこの辺で。
無事に計量が終わり、今回もクボケンさんにうどんをご馳走になり、そのあと一平さんにもうどんと親子丼をご馳走になり、自分のホテルへ帰った。
試合当日
ついに試合当日。
この日は試合数が21試合と多く、しかも自分の試合がセミファイナルだったのでかなりの長丁場だった。

ケンチャンマン、翔太さん、宮川選手、ルキヤ選手、クボケンさんなど気になる選手の試合だけ会場で観戦し、あとは基本的にアップをするか寝て過ごした。
翔太さん、クボケンさんと練習仲間が2人とも勝利し、自分にバトンを繋いでくれたのが心強かった。
そんなこんなでメインカードも進み、自分の番が回ってきた。
今回は遠くからいつもより多めの25人の応援が来てくれ、結構ホーム感が強くて凄くありがたかった。
期待を感じつついつも通りケージインして向かい合う。
タイトルマッチということでベルトと一緒に写真撮影などをし、絶対にベルトを持って帰りたいという気持ちで試合開始。
基本的に試合の最中、劣勢のシーンなどで負けることに対する恐怖はあっても相手の暴力に対する恐怖は感じたことがないが、この試合だけは例外で、オトゴンバートルマジで怖いなと思った。
打撃のプレッシャーが強すぎるのと、拳が硬かったこともあり、開始20秒くらいでこれ打撃戦は厳しいなと悟った。
打撃が強い相手にはレスリングで勝つ、組み技の強い相手には打撃や柔術で対抗するのが自分のスタイルだが、打撃とレスリングの両方で上回られると中々キツいのが現状。
そんな選手にはこれまであまり出会ってこなかった(多分、前田選手くらい)こともあり、タックルは切られ打撃でボコボコにされて最悪の思い出だった。
厳しい状況の中で、普段練習ではあまり使わない柔道投げのような形で一度テイクダウンを取ることができたが、ここで一本極めないと絶対負けるという焦りから大ミスをしてしまい、嫌々スタンドに戻されることになる。
テイクダウンを取れた時に嬉しくて笑ってしまったが、マジで笑ってる場合じゃなかった
事前の作戦で、打撃は勝てない、レスリングも勝てない、なら純粋な柔術(グラップリング)で勝負するしかないという結論にはなっていたが、そもそもそこに持ち込むのがめちゃくちゃ難しかった。
テイクダウン能力に絶対の自信があったけど、やっぱ打撃にビビって入るテイクダウンでは限界があるなというのも勉強になった。(距離が遠くなり見切られる)
そんな学びもありつつ、跳び膝で人生初めてのダウンを奪われたり、パウンドでボコボコに殴られたりと特にいいところもなく1R終盤、タックルフェイントからのアッパーを出したところオトゴンの膝がみぞおちにヒット。
ダウンからのパウンドで完全に心が折れ、嫌倒れのような形で人生初のKO負けとなった。
やっちまったと思いながら退場。
オトゴンのベルトとボーナスがめちゃくちゃ羨ましかった。

あまりにも完敗だったので今後のキャリアについて結構不安だったが、GLADIATORサイドからは継続参戦してほしいとの言葉を頂き、また頑張ろうと思った。
試合後
試合後は大阪で飲み。
KO負けしたあとはあまり酒を飲まない方がいいとの話だが、嫌倒れだったので関係なし。(あんま覚えてないから怪しいけど)
ブレイキングダウンのパンチングマシンで今日の試合の鬱憤を晴らしつつ、ホテルへ帰った。

翌日。普段なら試合当日に岐阜に帰ってくるが、怪我する可能性が高いと踏んでいたので、珍しく次の日も休みを取っていた。
試合ばかりで中々出かけられる機会もなかったので小学校の修学旅行ぶりに奈良に寄り、鹿を見てきた。

その後は京都に寄り、めちゃくちゃ美味しいわらび餅と、1つ2000円くらいするクソ高いケーキを食べて岐阜へ帰った。※店に入ってからクソ高いなと思ったが、引き返すのも癪なので半ベソで頼んだ

次戦の話
オトゴンバートルにぶっ飛ばされてから約1週間後、GLADIATORサイドから次戦について連絡がきた。
4月6日の大会に出れますか?とのことで、早く挽回したかったのでよろしくお願いしますと返事。
この時点で、GLADIATORで自分より上の選手が2人しかいなかったこともあり、次戦の対戦相手の予想がなんとなくついていた。
2月上旬、GLADIATORから再度連絡があり、
4月6日の大会で和田教良選手とどうか
という旨のオファーだった。
実は初めから予想していた選手が和田さんだったので速攻OK。
和田さんもOKとのことで、大会2ヶ月前にして早くも正式に試合が決まった。
和田さんは名古屋の選手ということもあり、練習で一緒になったことはないが個人的に知っていた。
和田さんの塩漬けにどう対処するかというのを課題に、4月に向けて練習に取り組むこととなる。
プロ14戦目 和田教良戦へ続く
