子どもの姿勢が悪いと思う人にまず読んでほしい。姿勢ってなんなのか
発達支援の仕事をしていると、保護者さんや職員から「この子は姿勢が悪くて」と相談されることがあります。
実は姿勢っていうのは奥が深く、単純に「良い」「悪い」では測れません。
今回はそんな話をさせてください。
姿勢を保つことはとっても高次な能力

人間が動いたり、姿勢を保つ時、一方的に脳からの指令を受けてそれに従っているわけではありません。
立っている時であれば足底、座っている時であればもも裏や坐骨から触覚や圧覚を感じ、
前庭感覚や視覚で、頭の位置や外の世界に対する自分の位置を探ります。
そして全身の筋肉の伸び具合や力の入り具合の感覚に合わせて、
常に揺れ動きながらバランスを調整しています。
ビーズクッションの上ではいわゆる「正しい姿勢」を取りづらかったり、
遊園地のマジックハウスで視覚情報にトリックを入れられると途端に姿勢を保てなくなることを想像していただければ、
姿勢が感覚に左右されるということがイメージしやすいかと思います。
人間は「脳からの命令によって動いている」と言われることもありますが、
実は外からの感覚に大きく影響を受けながら柔軟に微調整をし続けいるんですね。
姿勢の保ち方にも発達段階があります
それらの感覚は成長とともに精度が上がります。
単純に年齢によるものもありますし、運動経験が多いほど感覚の正確さは高いという研究があります。
小さい子どもは「無理やろ笑」という幅の水たまりを飛び越えようとしたり、
ボールをキャッチする時に自信満々で全く違う場所で構えていたりしますよね。
感覚そのものの精度や、それを統合する力、そして記憶から自分の能力を想定する力、そして物事を予測する力なんかを、
いろんな経験を通して発達させているんですね。
私が姿勢を確認する時
私が子どもの姿勢を確認する時、
・エラーはどこで起きているのか
・その原因は何なのか。
・その原因は問題がないものなのか、今後の発達や日常生活に影響がありそうなのか
などを見ています。
「姿勢を正して!」など口で指導することはまずありません。
それで一時的に背筋が伸びたとしても、それは「大人に注意された」という聴覚の影響を受けて、体の反応が変わっただけのことです。
具体的には
外反母趾ではないか、内反小趾ではないか、足底のアーチは発達しているか、踵重心か前足部重心か、足関節は固くないか、座っているなら坐骨で座っているか、仙骨で座っているか、脊椎のS字カーブは発達しているか、筋力は充分なのか、もも裏の筋肉は硬くなっていないか、呼吸は楽にできているか、肩甲骨の位置はどこにあるか、舌の位置はどこにあるか、どこに目を向けているか。
そういう体の状態を確認します。
また、前述の通り外からの影響によって左右されるのが人間の姿勢ですので、
・靴、衣服、椅子、テーブル、見ているもの、聞こえているもの
などの影響もみます。
・リラックスしているか、緊張しているか、興味のあるものを見ているのか、興味はないのか、何か気になるものがあるか、集中しているか、
などの心理状態も重要です。
それらを見た上で、
「足首やもも裏の筋肉が硬いのでストレッチしてあげないと今後の運動発達や骨格の発達を妨げてしまうぞ」
と考えたり、
「この子は注意が分散してしまうから、姿勢が安定しないけど、注意を誘導してあげればきっと落ち着いて座れるようになるはずだぞ」
と考えたりするわけです。
姿勢には、その子なりの理由があります。
姿勢は単純な良い、悪いではなく、その子なりの最適化戦略なのです。
猫背も巻き肩も反り腰もスマホ首も、結果としては同じでも人それぞれ原因も違えばアプローチも違います。
「良い姿勢」とは
姿勢は静止ではなく、小さな動きの連続です。
「背筋を伸ばさなければ」と気持ちを緊張させ、背中の筋肉を固めてしまえば、動きを妨げてしまいます。
環境に応じて自在に変化できる身体が理想です。
勉強する時は集中しやすい姿勢をとれる、
休憩する時は疲れがとれやすい姿勢をとれる、
状況や環境が変われば体がとる戦略も変わります。
私が子ども支援を行う時は、そんな風に柔軟で自由なカラダの発達を目標にしています。
今後、オンラインや写真でお子さんの姿勢や体の動かし方をチェックするサービスをしていけたらと夢見ています。
需要があるかはちょっと不安です笑
もし始まったらやってみたい!とか、いやいやそうじゃなくてこういうことやってくれよ!とか、思うところがありましたらぜひ教えてください♬
