1からの水理学(13)単位の話
とてもまわりくどい書き方になっていたので修正します(すみません)。

私が小学生だった頃、水の特性値は、すべて1でした。密度、比重、比熱まで、すべて1だったように思います。でも、その時、水の体積は1[m³]ではなく、1[cc]だった気がするのですよね。それって、1[cm³]のことですよね。
この話も、もし大学生が小学生の話の中の数字だけまねて、「水の密度は1kg/m³です」と言ったらまちがいですね。ここでは、(1)式のように単位をばらして、変換して組み立てなおしました。マンガの中でふたりとも、間違ってはいなかったのですね。


引き続き、重力加速度についてです。そんなことをテーマにした理由ですが、アメリカでは今も、フィート、ポンド法であって、メートルではないらしいのです。ここでは、次の式中のXを求めなさい、という問いと同じことになります。

慣れたひとなら、(2)式をすぐに解いて、Xを示してくれるのかもしれません。でも、ここではまず、加速度1.000[m/s²]について、以下の式を用意しました。

(2)式と(3)式とから得られる(4)式ですが、この(4)式の左辺については、無次元の実数9.81になります(少なくとも左辺については、ややこしい単位を気にしても良くなります。)。この(4)式の形づくりが、以後の変換をしてゆく時の大きな助けになると期待したわけです。

(4)式の左辺が無次元の実数9.81になるということで、容易に、
X = 9.81 × 3.281 = 32.2
を得ます。マンガの中でふたりとも、間違ってはいなかったのですね。

重力加速度gも、密度ρも、今までの話の中で普通に定数として登場していましたが、定数は定数でも適用する単位に合わせて数値の変化する定数でした。そのほかにも、物性定数には多くの種類がありそうですが、無次元の係数(何倍とか何個とかいった係数など)以外、物理的な単位が何か付いている定数には注意しましょう。
密度に似た濃度の概念は、水質を扱う分野でも良く使われています。高さ10cm程度の小さいコップの中の水が「そのまま」の状態で1㎥集まった時の質量[kg]が濃度[kg/㎥]ということですね。その片方で、食品に良く書かれている濃度[mg/L]との違いが気になります。1m³と1リットルの大きさがとても違うからです。そもそも、高さ10cmのコップの中の水の濃度の話に、長さの単位として1メートルとかテーブルサイズの大きさが想起される単位が用いられること自体に違和感を感じる人も多いのではないでしょうか。私自身が、そうでした。ですが、長さにはメートルを使うSI単位に寄り添ってくださいという流れがありますので仕方ないです。(ちなみに、1[kg/㎥]=1000[mg/L]です、上の計算例と同じ手順で換算できるはずです)

おまけ
マニング式がアメリカでどのようになるか考えてみました。

この(5)式を単位変換して、アメリカ対応にしてゆきます。


(6)式と(7)式について、それぞれ左辺の青い文字の部分を右辺に移しておいて、黒い文字の部分を、マニング式(5)式に代入して(8)式を得ました。なお、(4)式の整理の過程では無次元の実数9.81が出現したのと異なり、(6),(7)式でvやRの単位をそのまま残したことの結果だと思うのですが、(8)式中の1.486は無次元にはなりませんでした。
一方、マニングの粗度係数nについては、例えば、コンクリート水路なら、n=0.015とか、日本などと同じ対応表を使っているらしいので(アメリカでも0.015を使うらしいので)、何も変換しませんでした。また、エネルギー勾配iは無次元ですので、やはり変換しません。

アメリカの学生らは(6)式をマニング式として学んでいるらしいのです(なんかすごい)。
