1からの水理学(9)自由水面


道具がなければ目に見えない水道管の動水勾配線、でも近くの川の動水勾配線はそうではないですよね、っていう話になると思います。
図1と2には、エネルギー線(赤色)、動水勾配線(黄色)、路床(河床)、および天端(コンクリートの一番高い所)が描かれています。これらの図を参考にして、質問Q1と2に解答してください。ただし、水圧は静水圧のように分布している(水面からの深さが圧力水頭Hpに等しい)と仮定してください。

👉Q1:図1中、適切な自由水面(青色)の図はどれ?(□左の図、□中央の図、□右の図)

👉A1(解答例):
今、考える水の深さが図2の水路底付近(ひとつ星の場所)、水深の中央付近(ふたつ星の場所)、自由水面付近(みつ星の場所)のいずれであっても、その場所の圧力水頭Hpは水深(水面からその場所までの距離)に等しいので、圧力水頭Hpの矢印の先は水面に当たります。圧力水頭Hpの矢印の先は、その定義から動水勾配線ですので、動水勾配線と水面とは一致していることになります。∴図1では右の図が正解になります。


👉Q2:図3中、適切な潤辺(青色)の図はどれ?(□左の図、□中央の図、□右の図)

👉A2(解答例):
潤辺は、流れを阻害する摩擦の部分であって、水に接していないところは除かれます。したがって、水面も、水路の外側も潤辺ではありません。∴中央の図が正解になります。

💡付記1:
開水路の世界での流速公式の代表例は、マニング式です。
v=(1/n) x R²’³ x √ I (9)
I = Hf/L
係数nについては、n=0.015などをマニングの粗度係数の一覧表から選択します。²’³は指数の2/3です、0.67乗です。今、図1の右端の三角形はどれも、鋭角のtan角(sin角)が勾配を表しています。マニング式中の記号Iとしては、
🥇できれば赤い三角形の勾配(エネルギー勾配、全水頭の勾配)をあてがい、
🥈それが無理なら、黄色い三角形の勾配(動水勾配、ピエゾ水頭の勾配)、または、
🥈青い三角形の勾配(水面勾配)をあてがい、
🥉最後に仕方なく?緑色の三角形の勾配(水路床勾配、河床勾配)を使います。
そこそこ勾配のある水路(河川)ではどの勾配も大差ないのですけどね。

