筋肉増量?痩せる?目的に応じたトレーニングを。
参考文献
Arı U, Ulupınar S, Özbay S. Effects of resistance training with and without post-exercise aerobic activity on strength and body composition according to individual goals. BMC Sports Sci Med Rehabil. 2025;17:311. doi:10.1186/s13102-025-01256-6.
個別の目標に応じた運動後の有酸素運動の有無を伴うレジスタンストレーニングが筋力および身体組成に及ぼす影響
とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)
目的
筋量増加と脂肪減少を目的とした2つの異なるトレーニングプロトコルが、筋力の発達および身体組成の変化にどのような影響を及ぼすかを検討することです。
方法
18歳から40歳の男性27名を対象としました。
参加者は自身の目標に基づき
筋量増加グループ(MMGG)
脂肪減少グループ(FRG)
を選択し、14〜16週間にわたり計40回のセッションを実施しました。
最初の8回は共通の解剖学的適応フェーズとし、その後、FRGはスーパーセット法(休息45〜60秒)と25〜30分の有酸素運動を行い、MMGGは筋肥大へむけたトレーニング(休息2〜3分、高負荷)を行いました。
評価項目は身体組成および6種目の推定1RM(筋力)とされました。
結果
身体組成において、FRGは体重、BMI、体脂肪率が有意に減少しました。
MMGGでも体脂肪率はわずかに減少しましたが、除脂肪体重(FFM)の有意な増加が確認されました。
筋力に関しては、両グループともに全種目で初期値より有意に向上しましたが、効果量の分析ではMMGGがFRGを上回る向上を示しました。
特にスクワットにおいて、MMGGは非常に大きい効果を示しました。
結論
個人の目標に合わせてトレーニングプロトコルをカスタマイズすることは、特定の成果を得るために極めて有効です。脂肪減少にはスーパーセットと有酸素運動の組み合わせが、筋量および筋力の最大化には高負荷と十分な休息を設けるプロトコルが適していることが裏付けられました。
ポイントと感想
目的に応じたトレーニング方法の選択
最近は、筋肉をつけるにも痩せるにも筋トレという言葉をよく耳にします。
この研究では、それぞれの目標に対してそれぞれに有効とされるトレーニングを実施し、体の変化を見ています。
脂肪減少グループ(FRG)が採用したスーパーセット法(拮抗する2つの筋肉(例:胸と背中)や同部位の種目を、休憩なしで連続して行う筋トレ技法)と短い休息時間(45〜60秒)は、心拍数を高く維持し、代謝ストレスを最大化させることでカロリー消費を促進しました。
ダイエットなどに対して、こうした時間的制約を設けた高密度なプロトコルを提案することの妥当性が示されています。
筋量増加グループ(MMGG)のように2〜3分の十分な休息を取ることは、次のセットで高重量(1RMの75〜85%)を扱うための神経系・エネルギー系の回復に不可欠です。
筋肥大を最優先とする場合は、安易に休息を短縮せず、1セットごとの質を担保する伝統的なアプローチがやはり王道であると言えます。
有酸素運動の併用は筋力向上を阻害するのか?
有酸素運動による干渉効果についても、この研究では一つのデータを示しています。
結論として、レジスタンストレーニング直後に有酸素運動を組み合わせても、筋力は有意に向上します。
FRGにおいても、スクワットなどの多関節運動で効果量が認められた事実は、筋肉を維持して痩せたい人は、この研究のやり方を真似するべきでしょう。
ただし、筋力向上の幅はMMGGに比べて小さいのも事実です。
目的がなんなのかによってトレーニングプログラムを立てていきましょう。
解剖学的適応期間
この研究の特徴として、最初の1ヶ月程度は解剖学的適応期間を設けています。
いきなり高負荷や複雑なスーパーセットに挑むのではなく、まず1ヶ月程度(週2〜3回ペース)をかけて全身の主要筋群を網羅する基礎プログラムを行うことで、正しいフォームの習得と組織の準備を促しています。
急がば回れですね。
ではでは。
ー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●ーー●

投稿はこちらのXで随時報告しております。ぜひフォローをお願いします!
クリエイターページはこちらから!
関連の文献もご覧ください!
いいなと思ったら応援しよう!
皆さまのご支援は、AIへの課金、書籍やPCの購入など、日々の業務や良質な記事をお届けするための活動資金として大切に使わせていただきます。今後とも応援いただけると嬉しいです!