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サッカー選手の疲労後におけるストレッチング

参考文献

Iranmanesh, Mojtaba, et al. The role of stretching protocols in post-fatigue performance and flexibility among soccer players. Scientific Reports. 2026; 16: 2499. doi:10.1038/s41598-025-32188-3.

サッカー選手における疲労後のパフォーマンスと柔軟性に対するストレッチングプロトコルの役割


とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)

目的

サッカー特有の疲労が生じた後において、静的ストレッチ(SS)、低速動的ストレッチ(SDS)、高速動的ストレッチ(FDS)が、柔軟性、バランス、および運動パフォーマンスの回復にどのような影響を与えるかを比較検討することです。

方法

3年以上のトレーニング経験を持つ健康な男子セミプロサッカー選手40名(平均21.0歳)を対象としています。
参加者はサッカーの試合を模した疲労プロトコル(SAFT90)を限界まで実施した後、以下の4つの条件をランダムな順序で実施しました。

  • 静的ストレッチ(SS):最大可動域で30秒間保持

  • 低速動的ストレッチ(SDS):50 bpmのテンポで実施

  • 高速動的ストレッチ(FDS):100 bpmのテンポで実施

  • 対照群(CC):ストレッチなしで休息

測定項目は、膝関節可動域(ROM)、動的バランス、カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)、20mスプリント、イリノイ・アジリティテストとしました。

結果

関節可動域(ROM)に関しては、SS群が膝屈曲および伸展の回復において最も高い効果を示しました。
膝外反の減少や離地時間の短縮、スプリント速度、アジリティの回復においては、SDS群が他の条件よりも有意に優れた結果を示しました。
FDS群は、全ての指標において最も低い回復効果にとどまりました。
動的バランスについては、全群で時間経過とともに改善しましたが、条件間の有意差は認められませんでした。

結論

疲労後の柔軟性(ROM)を回復させる目的にはSSが最適ですが、スプリントやアジリティ、運動メカニクスといった爆発的なパフォーマンスを回復・維持させる目的にはSDSが最も効果的です。


ポイントと感想

柔軟性回復のSSとパフォーマンス回復のSDS

スポーツ後に行うストレッチですが、どのような効果があるのでしょうか。
この研究の知見は、目的に応じたストレッチの使い分けが明確に示された点です。

筋肉のコンプライアンスを高め、可動域を確保したいクールダウンの場面では静的ストレッチ(SS)が優位となります。
試合中やハーフタイム、あるいは連戦の合間など、すぐに次の高いパフォーマンスが要求される場面では、SSは爆発的な力を低下させるリスクがあります。

そこで推奨されるのは低速動的ストレッチ(SDS)です。
SDSは神経筋システムを再活性化させ、疲労によって低下した運動制御能力を補完する役割を果たしていると考えられます。

重要なのはそのスピード

同じ動的ストレッチでもテンポによって結果が大きく異なる点です。
100 bpmという速いテンポで行うFDSは、この研究において最も効果が低いという結果でした。
これは、疲労困憊の状態では固有受容覚や運動制御能が低下しており、速すぎる動きは正確な筋出力を妨げる可能性を示唆しています。

1分間に50回程度を考慮しましよう。

なんとなく習慣で行っているストレッチもやり方次第で、その効果が変わってきます。
せっかくやるなら効果があることをしましょう。

ではでは。

#整形外科 #理学療法士 #リハビリテーション

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