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慢性腰痛への短時間の生物心理社会介入の有効性

参考文献

Hochheim M, Hallmann W, Wippert PM. The effectiveness of low-dosed outpatient biopsychosocial interventions compared to active physical interventions on pain and disability in adults with nonspecific chronic low back pain: A systematic review with meta-analysis. Pain Practice. 2023;23(4):409-436. doi:10.1111/papr.13198.

非特異的慢性腰痛症の成人における、低用量の外来バイオサイコソシャル(生物心理社会)介入と能動的な身体的介入が痛みと障害に与える有効性の比較:メタアナリシスを伴う系統的レビュー



とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)

目的

非特異的慢性腰痛(CLBP)の成人患者を対象に、15時間以下の短時間かつ外来で実施可能な生物心理社会的介入(PCBI)が、能動的な身体的介入と比較して痛みと障害に与える有効性を評価することです。

方法

2021年12月31日までに発表されたランダム化比較試験(RCT)を対象に、論文を検索しています。
選択基準は、運動や通常の理学療法などの能動的要素を含む身体的治療と、対面での治療時間が計15時間以下のPCBI(心理・社会・職業的要素を含む介入)を比較した18歳以上のCLBP患者に関する研究とされました。

結果

1531名を含む15件の試験がメタアナリシスに組み入れられました。
痛みについては、治療直後、短期、長期、および超長期のすべてのフォローアップ時点でPCBIを支持する有意な効果が認められました。
身体機能(障害)についても、治療直後から長期においてPCBIの優位性が示されました。

結論

短時間のPCBIは、身体的治療のみを実施する場合と比較して、痛みと障害の両面でより高い改善効果をもたらすことが示唆されました。


ポイントと感想

短時間がもたらす実現可能性

生物心理社会(BPS)アプローチを「15時間以内」という比較的短い時間枠、かつ外来レベルで実施した際の有効性を証明したことが、この報告の重要な点です。

このメタアナリシスの結果では、15時間以下の介入であっても、運動療法単独より有意に痛みを軽減し、身体機能を改善できることが示されました。
外来リハビリテーションの現場において、実現可能性は高いですね。
リソースが限られた環境でも、適切なBPSアプローチを組み込むことで、治療成績を底上げできる可能性は高そうです。

生物心理社会的介入とは

生物心理社会的介入を詳細に見た時、特に認知行動療法の要素を組み込んだサブグループや、個別対応において痛みの軽減効果が顕著であった点は、介入スタイルを再考するきっかけとなります。

腰痛に効くエクササイズをただ単に指導するのではなく、患者が抱える痛みの信念、破局的思考、あるいは生活の中での心理的な障壁に対して、対話を通じてアプローチすることも一つですね。

痛み神経科学教育を導入して痛みのメカニズムへの理解を深めたり、マインドフルネスや行動活性化の手法を運動指導と並行して行ったりすることが挙げられます。
患者自身が自己管理能力を獲得するためのBPSアプローチは、慢性腰痛治療のスタンダードな方法の一つにしていくと良いですね。

ではでは。

#整形外科 #理学療法士 #リハビリテーション

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