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運動介入が炎症に及ぼす影響

参考文献

Lentejas, John Patrick R., et al. The Effect of Resistance, Aerobic, and Concurrent Aerobic and Resistance Exercises on Inflammatory Markers of Metabolically Healthy Overweight or Obese Adults: A Systematic Review and Meta-analysis.Acta Medica Philippina 58.21 (2024): 90-105. doi: 10.47895/amp.vi0.7315.

レジスタンス運動、有酸素運動、および有酸素・レジスタンス併用運動が代謝的に健康な過体重または肥満成人の炎症マーカーに及ぼす影響:系統的レビューおよびメタ解析


とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)

目的

代謝的に健康な肥満(MHO)成人の脂肪組織由来の炎症マーカーを改善するための、異なる運動介入の有効性を比較することです。

方法

MHO成人における運動介入の効果に関する、ランダム化比較試験(RCT)および準実験的研究の系統的レビューおよびメタ解析です。
2021年1月から2022年1月にかけて、PubMed、Cochrane、CINAHL、OVIDで検索を実施した。
インスリン抵抗性モデルを用いたランダム効果モデルにより、炎症マーカーと身体組成測定値のメタ解析を行っています。

結果

21件のRCTと7件の準実験的研究(計1,117名)が対象となりました。
短期介入(6週間未満)では、有酸素運動でIL-6の上昇傾向が見られ、レジスタンス運動と有酸素運動の両方がそれぞれTNF-αとCRPのレベルを低下させました。
長期介入(6週間以上)では、有酸素運動はCRPの有意な減少を示しました。併用トレーニングもTNF-αの有意な減少を示しました。
運動種目の比較では、併用運動が有酸素運動やレジスタンス運動よりもCRPの減少に効果的でした。
IL-6の減少に関しては、有酸素運動が併用運動よりも有意な効果をもたらし、特に中年女性のサブグループにおいて、有酸素運動によるIL-6の有意な減少が認められた。
身体組成に関しては、高強度の有酸素運動と併用トレーニングが、有意な体重減少、BMIの低下、および体脂肪量の減少に寄与した。すべての運動介入がコントロール群と比較して除脂肪体重を改善させ、特に併用トレーニングの改善幅が大きかった。
メタ回帰分析では、体重や体脂肪量と炎症マーカーの変化との間に直接的な関連は見られなかった。

結論

併用運動と有酸素運動はいずれも炎症促進マーカーの減少に効果的であった。
併用トレーニングは、有酸素運動やレジスタンス運動と比較して、BMI、体脂肪組成、CRPの減少においてより効果的であった。
さらに、中年女性は有酸素運動によるIL-6レベルの低下から恩恵を受けた。


ポイントと感想

併用運動の多面的な効果

この研究で重要な点は、有酸素運動とレジスタンス運動を組み合わせた併用トレーニングが、炎症マーカーの改善において非常に優れた効果を示した点です。
特に長期的な介入において、併用トレーニングはTNF-αを有意に減少させ、さらに有酸素運動やレジスタンス運動単独と比較してCRPを最も減少させました。
炎症マーカーの改善だけでなく、体重、BMI、体脂肪率の減少、そして除脂肪体重の増加においても最も大きな効果を示しており、MHO成人に対する包括的なアプローチとして、併用運動はいわば最強の武器になるかもしれません。

減量だけではない〜炎症改善のメカニズム〜

今回、体重減少や体脂肪量の変化と炎症マーカーの変化との間に有意な相関は見られませんでした。
これは、運動による炎症の改善が、単純に体重が減った結果として生じるのではなく、筋肉の収縮そのものが直接関与している可能性を示唆しています。
有酸素運動がIL-6の減少に効果的である理由の一つとして、運動時の筋肉収縮に伴いマイオカインとしてIL-6が一時的に分泌され、これが抗炎症サイトカインであるIL-10の産生を刺激するというメカニズムが考えられています。
この知見は、体重が減りにくい患者さんであっても、運動を継続すること自体が体内の炎症状態を改善することを示唆しています。

強度は強く、長期間

今回推奨されている運動方法として

  • 中〜高強度

  • 長期間

が示されています。

短期的に効果が出てくればモチベーションになりそうですね。
いかに、患者さんのモチベーションを維持するか、難しいところです。

ではでは。

#整形外科 #理学療法士 #リハビリテーション

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