受け身指導で怪我を減らそう
参考文献
Arkkukangas M, Strömqvist Bååthe K, Ekholm A, Tonkonogi M. High Challenge Exercise and Learning Safe Landing Strategies among Community-Dwelling Older Adults: A Randomized Controlled Trial. Int J Environ Res Public Health. 2022;19(12):7370. doi:10.3390/ijerph19127370.
地域在住高齢者における高負荷運動と安全な着地戦略の学習:ランダム化比較試験
とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)
目的
地域在住高齢者を対象に、柔道の要素を取り入れた多要素運動プログラム「Judo4Balance」が、転倒技術、身体・心理機能、健康状態、身体活動レベルに及ぼす影響を明らかにすることを目的としています。
方法
平均年齢72歳の高齢者200名を、介入群(n=100)と対照群(n=100)にランダムに割り付けました。
介入は12週間の高負荷な筋力・バランス運動および転倒技術の指導(安全な着地戦略)で構成されました。
評価はベースライン、20か月後の追跡調査、介入12週間後の計3回行われました。
結果
20か月後の追跡調査において、介入群は対照群と比較して身体活動レベルが維持されており、さらに6〜9週間の初期介入で習得した転倒技術が20か月後も保持されていました。
12週間の介入終了後、両群ともに身体機能(筋力・バランス)および転倒技術が有意に向上しました。
結論
高負荷な多要素運動プログラムは、高齢者の身体機能向上と転倒技術の習得に有効です。
転倒技術は短期間(6〜9週間)で習得可能であり、その効果は長期間持続することが示唆されました。
ポイントと感想
転倒技術の習得
高齢者は、転倒技術(安全な着地)という複雑な運動技能を、6〜9週間という比較的短期間で習得できたことが結果として示されており、さらに長期間その技術は維持されたとのことです。
なんとなく年齢とともに新しい運動パターンを自動化することに期間が必要と思われていました。
しかし、今回のように2ヶ月弱で一度転び方を身につければ、それは長期的な身体的資産となり得ることを示唆しています。
転倒予防から傷害予防へ
転倒させないことを目的とした転倒予防では、バランスや筋力に注目されます。
今回の「Judo4Balance」プログラムは、柔道の受け身に基づいた前方・側方への着地戦略をトレーニングに組み込んでいます。
股関節骨折のリスクが高い側方転倒に対し、タックアンドロール(丸まって転がる)戦略が有効である可能性が示されました。
受傷機転を自ら回避する動作指導を積極的に取り入れるべきかもしれません。
Judo4Balanceの要素は、簡単に以下の3要素で構成されていました。
基本的な転倒テクニックの練習、筋力トレーニング、身体意識の強化、可動域のトレーニング、筋骨格の耐荷重性の向上、非日常的なバランス感覚のトレーニングなど。
上記の転倒防止技術と筋力トレーニングを維持し、難易度を徐々に向上させていく。
瞬発力を向上させるトレーニング、パワー向上、転倒技術のより高度なトレーニング、難易度を高めたバランス、協調性、および二重課題への挑戦。
高負荷トレーニングの重要性
パンデミック禍の20か月の追跡で、対照群の身体活動レベルが低下したのに対し、介入群はそれを維持できていました。
高負荷なグループエクササイズは、単なる身体機能の向上だけでなく、自己効力感を高め、アクティブなライフスタイルを維持するための心理的・社会的なトリガーとなっている可能性があります。
ではでは。
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