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オーバーヘッドプレスで三角筋を鍛えよう


臨床のリアルと迷い

オーバーヘッドプレスは、バーベルなどを頭上に持ち上げることで主に三角筋を鍛える代表的な筋トレです。

個人的な感覚では、頭より前側を通す(フロント)でのオーバーヘッドプレスが主流となっている気がします。
その理由としては、肩関節への負担が頭より後ろを通す(バック)と大きくなり、怪我のリスクが高まるからかと思います。

しかし、バリエーションによる筋活動の明確な違いを知らないまま漠然とフロントを行うことも、少しもったいないかもしれません。

フロント or バック
バーベル or マシン

様々なバリエーションでの筋の活動について調べました。

知見の整理と道標

今回は、競技ボディビルダー8名を対象に、オーバーヘッドプレスの4つのバリエーションにおける挙上および下ろすフェーズの表面筋電図を比較した研究を紹介します。

バリエーションはこちらです。

  1. フロント・バーベル[front-BMP]

  2. バック・バーベル[back-BMP]

  3. フロント・マシン[front-MSP]

  4. バック・マシン[back-MSP])


以下のような特徴が明らかになりました。

① フロント vs. バック の比較

  • バック種目(特にback-BMP):
    挙上・下ろすフェーズともに、三角筋中部・後部の筋活動が有意に高くなる。
    また下ろすフェーズでは、三角筋前部の活動もフロントより高まる。

  • フロント種目(front-BMP, front-MSP):
    挙上・下ろすフェーズともに、大胸筋(鎖骨頭)の筋活動が有意に高くなる。
    下ろすフェーズにおいて上腕三頭筋の活動が高い。

② バーベル(フリーウェイト) vs. マシン の比較

  • バーベル種目
    マシン種目と比較して、三角筋中部・後部の活動が高くなる。これは、フリーウェイトの場合、バーベルの軌道を垂直に安定させるため、これらの筋肉の活動が大きくなったと考えられる。

  • マシン種目
    軌道が安定している分、安定性への要求は減る。
    しかし1-RM(最大挙上重量)はバーベル種目よりも有意に高い。

③ 種目間で差がなかった筋肉

  • 僧帽筋上部
    どのバリエーションにおいても、肩甲骨の上方回旋・挙上を伴うため、筋活動に有意な差は見られなかった。

臨床への落とし込みと深掘り

「バック」をあえて選択する意義

バックプレスは危ないと敬遠されがちなのは事実です。
個人的には、十分な胸椎の伸展可動域や肩関節の外旋、水平外転可動域、そして体幹の安定性が担保されている症例に対しては、あえて行ってもいいのではないかと思います。

三角筋の筋活動も大きくなることが示されていますし、フリーウェイとでは体幹等の働きも活性化する可能性があります。

体幹より後方での上腕の操作が必要な人(投球動作等)や不良姿勢の方に対しては、軽負荷で行うことは臨床的に意義が見出せそうです。

パワーをつけていくには

一方で、前方の支持性や純粋なプッシュパワーを強化したい場合はフロント種目を行う方がいいでしょう。
怪我のリスクもそうですが、大胸筋など他の筋を動員し、純粋にプッシュするパワーを求めるならフロントを選択しましょう。

また、マシンは軌道が安定している分、高重量を扱えます。
軌道をコントロールする要素を排除し、純粋に対象組織へ強いメカニカルストレスをかけたい場合はマシンでのトレーニングを行うことも重要です。
マシンとフリーウェイトを組み合わせることが理想だと思います。

締め

低負荷でもいいから、三角筋へしっかり刺激を入れたい場合はバックでのオーバーヘッドプレスの選択を。

参考文献

Coratella G, Tornatore G, Longo S, Esposito F and Ce E (2022) Front vs Back and Barbell vs Machine Overhead Press: An Electromyographic Analysis and Implications For Resistance Training. Front. Physiol. 13:825880.doi: 10.3389/fphys.2022.825880.

フロント対バックおよびバーベル対マシン・オーバーヘッドプレス:筋電図分析とレジスタンストレーニングへの示唆

ではでは。
#整形外科 #理学療法士 #リハビリテーション

ご覧いただきありがとうございました。

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