アスリートのキャリアと転機
参考文献
Stambulova, N. B., Ryba, T. V., & Henriksen, K. (2020). Career development and transitions of athletes: the International Society of Sport Psychology Position Stand Revisited. International Journal of Sport and Exercise Psychology, 19(4), 524–550. https://doi.org/10.1080/1612197X.2020.1737836
アスリートのキャリア発達と移行:国際スポーツ心理学会の立場の再考
とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)
この論文は、国際スポーツ心理学会(ISSP)が2009年に発表した「アスリートのキャリア発達と移行」に関する考え2020年に再考したものです。
この報告では以下の4つが主な目的となっていました。
重要なポイントは、
・キャリアは非線形で多様
・転機(トランジション)に対する心理社会的支援が不可欠
・ホリスティックアプローチ(身体・心理・社会を統合して支援)と文化的配慮
だそうです。
あまり心理的な面は勉強したことがない分野だったので、なるべく噛み砕いてまとめてみました。
ポイントと感想
アスリート=競技者+一人の人間
アスリートというと、どうしても「スポーツをやる人」というイメージがついてしまい、キャリアのことを考えると、アスリートとしての成績のみが頭に上がってしまいます。
しかし、実際のキャリア発達にはスポーツだけでなく、学業、仕事、家庭、人間関係が絡みます。
それらを統合して考えていかないと、セラピストとアスリートの考えに乖離などが生じやすいと思います。
転機には3タイプ
ノーマティブ:予測可能(ジュニア→シニア、引退)
ノンノーマティブ:予測困難(重度のケガ、戦力外)
クオジノーマティブ:一部予測可能(移籍、大会への選出)
自分たちが対象とする患者さんのケガはノンノーマティブです。
よって、リハビリ中の心理的落ち込みは自然な反応であり、単なる身体機能回復だけでなく、このケガがキャリアにどんな意味を持つかを一緒に考えることが、モチベーション維持につながります。
そして、その怪我にどんな意味を持たせられるかも自分たちが支援できる部分だと思います。
キャリア支援のキーワード
ホリスティックアプローチ:身体・心理・社会を統合して支援
キャリアエクセレンス:パフォーマンスと健康の両立
文化的プラクシス:文化や価値観を尊重した関わり方
患者さん自身の立場が現状どのようなところにいるかどうかの把握も重要です。
学生で言えば、
次の大会がどのような意味を持つ?
学業や進学との両立は?
人間関係は?
例えば、転校してすぐの場合などは、人間関係などで少なからずストレスがかかっている場合がありますね。
そのような状態をうまく把握し対応することが求められていると思います。
最後に
その人にとってその競技が人生のどの位置にあるかを判断していくことが重要だと思います。
そして、人生をトータルで考えたときのセラピストが思う最適解を提案することも重要だと思います。
現在は、ネット上での書き込みなどでアスリートが思いがけないところで心理的に悩まされているようなニュースを時折見かけます。
時代とともにこのような心理的なアプローチは変えていく必要がありそうですね。
ではでは。
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