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筋トレは限界まで追い込むべきか?

参考文献

Refalo MC, et al. Influence of Resistance Training Proximity-to-Failure on Skeletal Muscle Hypertrophy: A Systematic Review with Meta-analysis. Sports Med. 2023;53(3):649-665. doi:10.1007/s40279-022-01784-y.

筋力トレーニングにおける限界への近接度が骨格筋肥大に及ぼす影響:系統的レビューおよびメタ解析


とりあえず内容を知りたい方はここ(論文の要約)

目的

筋力トレーニングにおいて限界までやったかどうかが、骨格筋の肥大に及ぼす影響を明らかにすることです。

方法

PubMed、SCOPUS、SPORTDiscusのデータベースを用い、健康な成人を対象に筋肥大を測定した15件の研究を抽出しました。
比較対象を、
(A)瞬間的な筋肉の限界(Momentary muscular failure)対 非限界、(B)セットの限界(広義の定義)対 非限界
(C)異なる速度低下(Velocity loss)しきい値の比較
の3テーマに分類して解析を行っています。

結果

あらゆる定義を含む「セットの限界」まで行うトレーニングは、非限界群と比較して統計的に有意ではあるものの、極めてわずかな(trivial)優位性を示しました(効果量=0.19, p=0.045)。
しかし、最も厳格な定義である「瞬間的な筋肉の限界」まで行う群と非限界群を比較したサブグループ解析では、筋肥大の差は認められませんでした(効果量=0.12, p=0.343)。
また、速度低下しきい値においても、25%を超える高い速度低下(より限界に近い状態)が、20-25%の中程度の低下よりも優れているわけではないことが示されました。

結論

瞬間的な筋肉の限界まで追い込むことが、非限界トレーニングよりも筋肥大において明確に優れているという証拠は得られませんでした。
限界までの近接度と筋肥大の間には非線形な関係があり、ある程度限界に近づけば効果は頭打ちになる可能性が示唆されました。


ポイントと感想

限界まで追い込む必要はない?

この論文では、客観的な限界の定義である「瞬間的な筋肉の限界(正しいフォームで反復できなくなる状態)」まで追い込んでも、一歩手前で止めた場合と比べて筋肥大の成果に有意な差がなかったという点です。

オールアウトは、筋トレにおいてマストであるぐらいまで言われていましたが、実際はそうではないのかもしれません。
適切なメカニカルテンションを与えれば、十分に筋肥大を誘発できることを示唆しています。

非線形な関係と疲労管理

限界に近づくほど筋肥大効果は高まりますが、それはどこまでも直線的に伸びるわけではなく、ある一点でプラトーに達する非線形な関係にあります。
過度な疲労は、2セット目以降の挙上重量や反復回数を低下させ、結果として総負荷量が低下する可能性があります。
むしろ、大半のセットを限界に近いが、限界ではない状態で終了させることで、セッション全体を通して高い強度を維持し、適切なセットボリューム(週12〜20セット程度)を確保する方が、長期的な筋肥大には有利に働く可能性が高いと言えます。

追い込み

ただし、限界まで追い込むことが無意味であるわけではありません。
低負荷(1RMの50%以下)を用いる場合には、高負荷時よりも限界に近い状態で行う方が筋肥大に効果的である傾向も示されています。

要は、高ボリューム扱えない状態なら、回数をこなしなさいのような感じですかね。

ではでは。

#整形外科 #理学療法士 #リハビリテーション

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