【5分で分かる中学社会】緯度と経度 中1地理 世界のすがた⑤
前回は国境と国旗について学ぶました。
今回は緯度(いど)と経度(けいど)のお話です。
緯度・経度のあたりから難易度が上がり、社会を嫌いになってしまう人が多いので、なるべく丁寧に解説できたらと思います。今回は少し長いですが、最後までお付き合いください。
1:緯度・経度とは?
まず確認したいことは「緯度・経度は何のために使うのか?」ということです。緯度と経度は地球の場所を表すために使うとまずは理解しておきましょう。「地球の住所」を簡単に表示するために緯度と経度を使うというイメージです。
では、そもそも何かの場所を表すにはどうすれば良いのでしょうか?この問題を考えるために次の例を考えてみましょう。
例:あなたは友達と映画を見に行くことになりました。映画のチケットは次の通りです。あなたはどこに座りますか?


チケットを見て映画館の指定席に座ることはできましたか?おそらく、多くの人が無事に座ることができたと思います。
座席はGの列の8番目ですね。映画館の座席はタテとヨコが分かれば決定することができます。実は、緯度・経度もこれと同じような考え方をするのです。映画館の座席が分かれば緯度・経度の土台はマスターしたようなものです。
つまり、緯度・経度の考え方は「映画館のように地球にタテとヨコを作れば、地球の場所を表すことができるじゃないか!!」ということなのです。そして、このタテとヨコに当たる部分が緯度・経度なのです。
さて、タテとヨコで場所を表す方法で重要なことは、タテとヨコの基準です。基準が決まらないと、どうやって場所を表せばよいのか分かりません。
基準の話を先ほどの映画館の例で考えてみましょう。

映画館の「ヨコ」の基準を確認してください。スクリーンの前から順番にA、B、C・・・と基準のアルファベットが割り振られていました。でも、場合によっては映画館の後ろの列からA、B、C・・・と割り振ることもできますよね?(そんな映画館はほとんどないと思いますが・・・)
また、「タテ」の基準は左側から1、2、3・・・と数字が割り振られていますが、場合によっては右側から1、2、3・・・と数字を割り振ることだってできます。
このように「タテ」と「ヨコ」という考え方を使って場所を表す際には、その基準が重要になってくるのです。
この話を踏まえて、緯度と経度について考えてみましょう。
2:緯度について
まずは、地球におけるヨコです。ヨコは緯度(いど)といいます。そしてヨコの基準(つまりヨコの数え始め)は赤道(せきどう)です。赤道を基準にして地球のヨコの場所を表しています。赤道を緯度0度として、緯度は北(上)と南(下)にそれぞれ90度ずつ広がっています。
赤道より北側の緯度を北緯(ほくい)、南側の緯度を南緯(なんい)と呼びます。地図上で緯度を示す線を緯線(いせん)と呼びます。
また、赤道が通る場所はとても重要なのでしっかりと確認しましょう。アフリカ州にあるビクトリア湖という湖、東南アジアのシンガポールのすぐ南、そして南アメリカ州に広がるアマゾン川という巨大な河川の河口(かこう)(※河口とは川の出口付近を指します。)を通っています。これはぜひ一度、地図帳でじっくりと確認してほしいところです。

では、ここで考えてみましょう。日本は北緯にあるでしょうか?それとも南緯にあるでしょうか?
この問いは言い換えれば、日本は赤道より北(上)にあるか、それとも南(下)にあるか、ということです。
日本はどちらにあるか分かりましたか?日本は赤道よりも北にあるので北緯に位置しているということになります。
3:経度について
では、次に地球におけるタテである経度(けいど)について考えていきましょう。経度の基準(経度0度)は本初子午線(ほんしょしごせん)と言います。本初子午線はイギリスの首都ロンドンにあるグリニッジ天文台を通っています。
なぜイギリスを通るのかというと、かつてのイギリスは世界で最も強く影響力を持っていたからです。(イギリスが世界の約4分の1を植民地にしたという話を前回しましたね。)
ちなみに、本初子午線の「子午線」を「子牛線」と書いてしまうケースがあるので注意してください。
経度は本初子午線を中心に東(右)と西(左)に180度ずつ広がっています。本初子午線より東側の経度を東経(とうけい)、西側の経度を西経(せいけい)と呼びます。地図上で経度を示す線を経線(けいせん)と呼びます。

では、ここでまた考えてみましょう。日本の経度は東経でしょうか?西経でしょうか?
つまりこの問いは、日本は本初子午線よりも東に位置しているか、西に位置しているか、ということですね。
日本は本初子午線よりも東側に位置しているので東経であることがわかります。
緯度と経度は基本的にここまでの話が理解できていれば、十分だと思います。ただ、テストなどの際にはもう少し細かく緯度と経度の具体的な数字まで問われるので、最後に練習して終わることにしましょう。

4:練習問題
よく聞かれる問題は地図上に場所が示されて、その緯度と経度を答えるというものです。次のA~Dの場所の緯度と経度を示すとしたらどうなるでしょうか?また、ア~ウの線の名前は何でしょうか?考えてみましょう。

Aの位置から確認してみましょう。ヨコとタテ、つまり緯度と経度が分かれば場所を示すことができるのでした。
まずはヨコである緯度から確認します。Aは赤道(イの線)よりも北にあるから北緯ですね。Aがある場所のヨコの数字を確認すると45と書いてあります。つまりAの緯度は北緯45度ということになります。
今度はタテですね。経度について確認しましょう。アの線は本初子午線です。この線よりも東(右)にあるので、Aは東経ですね。Aがある場所のタテの数字を確認すると90と書いてあります。よってAの経度は東経90度ということになります。
これらを合わせて、Aは北緯45度 東経90度と表すことができます。(ちなみに、緯度・経度の順番で表記するので、東経90度 北緯45度とは書きません。注意しましょう。)
次にBの位置です。まずは緯度(ヨコ)からです。Bは赤道(イの線)よりも南にあるので南緯ですね。Bのヨコの数字を確認すると30と書いてあるので、Bは南緯30度です。
では次に経度(タテ)を確認しましょう。本初子午線(アの線)よりも東にあるので東経です。そしてタテの数字は75と書いてありますね。だから東経75度です。よってBは南緯30度 東経75度と表すことができます。
続いてCです。緯度(ヨコ)から確認します。Cは赤道よりも北にあるので北緯ですね。数字は45とあるので北緯45度です。
今度は経度(タテ)ですね。本初子午線はアの線です。アの線よりも右にあるので東経と言いたいところですが・・・実は東経は180度までしか広がっていません・・・。180度はちょうどウの線と重なっているところまでですね。
東経と呼ばれる場所は本初子午線(アの線)から東(右)へ向かい、180度(ウの線と重なるところ)の間にしかありません。ですから180度の線よりもさらに右の地域は東経ではありません。実は西経になるのです。

「えぇぇ!本初子午線より東(右)の地域は東経じゃないの!!!」と思うかもしれません。ここまで勉強してきた人なら当然の疑問です。
なぜこんな変なことになるのかというと、問題の地図が日本を中心とした地図だからです。イギリス中心の地図だとスッキリいくのですが、日本中心の地図だとこのように混乱を招きやすくなってしまうのです。(少し前に示したイギリス中心の地図を確認してみてください。東経と西経がスッキリしているはずです。)日本中心の地図だと西経がぶつ切りになってしまうのですね。

地球は本来丸いので、本当は地図の左の端の部分が地図の右の端の部分とつながっていると思ってください。地図では本初子午線(アの線)より西(左)の部分は少ししか書かれていません。西経の部分は15という数字しかありませんね。そこで地図は切れています。地図の都合上、左側には西経は15度までしか表現できなかったのです。
でも本当は地球は丸いので西経は右端につながっています。地図の右端の30という数字が確認できますか?つまりここは西経30度ということです。15ずつ割り振られている経度の数字が地図の左側の15をはさんで地図の右側の30、45、60・・・と続いていることが確認できます。
このように考えるとCの地点の経度は西経120度ということになります。分かりにくければ次の図で示したグレーの部分が東経、それ以外が西経だと考えましょう。(東経は本初子午線から東に180度まで。)

Cが位置している場所が西経であるということを理解できるかどうかが重要です。分からなかった人はあと2、3回読み直してみてください。(分からなかったら私の説明が悪いですね。ごめんなさい。分からなければ実際に先生に聞いてみたり、他に解説者の説明もあたってみてください。)
長くなりましたがCは北緯45度 西経120度です。
最後にDですね。Dは赤道よりも南に位置するので南緯。数字は15なので南緯15度、そして経度は西経です。(本初子午線から東へ180度までの線が東経なので、それ以外の地域は西経ですね。先ほどの地図でグレーの部分が東経でそれ以外は西経です。)数字は60ですから西経60度です。
つまりDは南緯15度 西経60度です。
では次にア~ウの線の名前を確認したいと思います。もうすでに答えを言ってしまっているものもありますね(笑)
アは本初子午線、イは赤道です。ウは初めて登場しますね。経度180度の線に沿ってジグザグに引かれているこの線は日付変更線(ひづけへんこうせん)と呼びます。
なぜジグザグなのかといえば、一つの国の中で日付が分かれてしまうと困るからです。ですから、本当は真っ直ぐ引きたいところを、あえて国をまたがないようにジグザグに引いているのです。
日付変更線は時差の勉強のときにまた確認したいと思います。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました。緯度・経度はやや難しい考え方なのでびっくりしたかもしれません。ただ、基本は映画館の座席の考え方ですから、あまり恐れずにいきましょう。この記事を何度か読み返したり、練習問題を解いてみたりしてください。慣れてくれば、緯度・経度は得点源になるのでぜひ取りこぼさないようにしましょう。
最後に今回の勉強をまとめておきます。
・緯度=赤道を0度として南北に90度広がる。
→赤道より北側を北緯、南側を南緯という。
☆赤道はビクトリア湖、シンガポールすぐ南、アマゾン川河口を通る
・経度=本初子午線を0度として東西に180度広がる。
→本初子午線より東側を東経、西側を西経とよぶ。
☆本初子午線はイギリスの首都ロンドンを通る。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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