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「100年前のマクラメ」プロジェクト、また始まるよ

 皆さまこんばんは、懲りないアマチュア手芸家・ owarimao でございます。きょうは忙しくて、いつもより遅い時間になりました。
 先週は下のようなプロジェクトを完成させて、ほっと一息つきました。

 一つうまくいくと、もっとやりたくなる。およそ100年前の素敵なマクラメ作品を、現代に蘇らせるプロジェクト(という言葉に高揚してる)を続けたいと思います。
 次のターゲットはこちら。マクラメを始めて間もないとき、一度お目にかけた写真です。

なんか かわいい!

 下のような本に掲載されています。出版されたのは昭和2年(1927)。

『編物と手芸』 岡田正子著、昭和2

 この本は分厚くて充実していて、とても興味深いです。編物のほか、さまざまな手芸が網羅的に扱われていて、手芸の百科事典のよう。フランスの有名な手芸百科
"Encyclopedie des Ouvrages de Dames"
の名が出ているので、これを意識して作られているのでしょう。
 序文の最後に「本書の編集に就いては金澤静子河野富子さんの御助力を得ましたことを喜びます」とあります。このご両人は過去の記事ですでにご紹介しました。河野富子氏は、私が前回使ったお手本の著者です。
 今回の著者・岡田正子氏も、金澤氏・河野氏と同様、戦前の手芸界を牽引したグレートマザーたちのお一人だったと考えられます。
 だって、本の内容がすごいんだもの。びっくりするほど幅広くて。

こういう装丁は当時の定番
たぶん元々は箱があったと思われる
『大日本百科全集』というシリーズの1冊だったらしい

 この本が出版された昭和2年は、実質的には昭和の最初の年であり、天皇の「即位礼」を翌年に控えていました。若い天皇の即位で「新しい時代が来た!」という気分がみなぎっていたようです。そのことは、一見関係のなさそうな手芸の本からも読み取れます。
 いくつか引用してみましょう。(現代的な漢字・仮名遣いに直してあります)

ところが世界大戦後西洋の手芸が非常な勢いで流行し始めたのに刺激され、一は国粋的反動ともいうような機運に遭遇して近来これ(注:絽刺し)を試むる人が相当にある(…)とにかく絽刺は日本固有の立派な手芸の一つである。

 今日、手芸といえば西洋手芸の事のごとく考えるものが多い。そこで日本手芸の世界に誇るべきものなることを特記し、併せて国粋の保存の意味を以って手芸の項目中特に別にこれを挙げて、説明しておいた。

 マクラメの手芸が最近になって新しい手芸として、一般に普及されて来たので、つい此頃で非常な流行を見ている(…)我国でもこれに似よった精巧な組紐等がずいぶん古くからあって、(…)今ここにこのマクラメを説明するについて、先に我国の昔にも、このものに勝るとも劣らぬ手芸のあった事を特記しておく。

岡田正子『編物と手芸』 昭和2

 「国粋的反動」「国粋の保存」という文言がありますね。
 西洋のものに圧倒され、強い憧れを抱く一方で、こういう心理も働いていたということは、注目に値すると思います。
 そんな昭和初期の雰囲気を伝えるマクラメ作品をぜひ作ってみたい〜!
 と思うのはいいけど、今回はそもそも作り方がまともに書かれていません。概略の説明だけ。

「手提袋の作方」
図解などはなんにもなし、文章だけ

 マクラメで難しいことの一つは、糸の長さを事前に見積もらなきゃいけないことです。「何センチに何本切る」と書いてあればラクですが、今回はそれも自分で考える必要があります。
 なんでいつも自分でハードルを上げたがるのか? どういう性格をしてるのか?
 少女っぽい雰囲気のデザインなので、あえてグレーでクールな雰囲気を狙おう。などと考えて、グレーのリリヤーンを注文しました。

「平結び」が自然にゆるむ(左上)
試行錯誤……

 でもこれは失敗でした。リリヤーンは結び目がゆるみやすいので、間隔の開いた七宝結びには向いていないと思います。
 やっぱりヘンプ(麻糸)で作ろう。

ちょっと粗すぎる
目を細かくした
これでいってみようかな
写真にメジャーをあてて、だいたいの出来上がり寸法を予測
持ち手の、V字型のところから作り始めてみます
長い糸の中央に、タティング結び2つ
これがV字の先端になるはず
この先どうなることやら
きょうはもう遅いのでまた来週

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