この試験に人生賭ける価値ありますか?行政書士試験の令和7年合格発表を見て
まずは、令和7年行政書士試験の合格発表がありました。
合格された方、本当におめでとうございます。
結果を勝ち取ったという事実は、誰が何と言おうと揺るぎません。
この記事は主に「不合格だった方」に向けて書いています。
これまでの試験データを改めて見返して、私はどうしても考え込んでしまいました。
「この試験って人生賭けるだけの価値あるかな?」と。。。
まずは感情論を脇に置いて、
これまでの行政書士試験がどのように推移してきたのか。
受験者数・合格者数・合格率が、年ごとにどう動いてきたのか。
行政書士試験受験者数と合格者の推移
令和7年度の行政書士試験は、受験者数50,163人、合格者数7,292人という結果でした。
受験者数はここ数年の流れを引き継いで5万人前後まで回復してきており、それに合わせて合格者数も増加しています。

人数が多かったりするのは、下記記事にて書いているので参照ください。
行政書士試験合格率の推移
令和7年度の合格率は14.54%でした。
直近数年と比べるとやや高めの水準ですが、過去の推移を振り返ると、行政書士試験の合格率はジェットコースターのように大きく上下しています。

この合格率の振れ幅は、行政書士試験が「180点以上で合格」という絶対評価を採用しながらも、実際には年度ごとの問題難易度や運用の影響を強く受けていることを示していると感じます。
私自身は平成20年しか受けたことがなく、しばらく試験などから距離を置いていたのですが、最近身の回りで2人ほど行政書士にチャレンジして合格してというのを見てきたので、あらためて振り返ってみているというものです。
なので、最近の試験科目については熟知はしていないという人間ですのであしからず。
「今年の問題がたまたま難しかった」という理由だけで切り捨てられてしまう国家資格試験
ここまで数字とグラフを見てきましたが、
試験の「よくないところ」については、必死に戦ってきた皆さんであれば、すでに強く感じているのではないでしょうか。
行政書士試験の最大の特徴は、「絶対評価」を掲げている点です。
300点満点中180点以上を取れば合格。数字だけを見れば、とても分かりやすい基準に見えます。
しかし、実際に勉強を進め、試験を受け、結果を受け取る過程で、多くの受験生が違和感を抱きます。
「何を、どこまで、どの程度やればいいのかが分からない」
これが、行政書士試験に対して感じる一番大きなストレスではないでしょうか。
司法書士試験や宅建試験のような相対評価の試験であれば、「他の人ができないなら、自分もできなくていい」という割り切りが成立します。
難しすぎる問題が出れば、全体の点数が下がり、合格ラインも下がる。努力の方向性が比較的はっきりしています。
一方、行政書士試験ではそうはいきません。
180点という絶対的なラインが存在する以上、「他人ができなくても、自分はできなければならない」というプレッシャーが常につきまといます。
それにもかかわらず、
・記述式の配点は高すぎるのに、採点基準は明確に示されない
・一般知識(現在の基礎知識)は運要素が強く、足切りの影響が極めて大きい
・年度ごとに問題難易度の振れ幅が大きい
こうした要素が重なり、「努力と結果の対応関係」が見えにくくなっています。
必死に勉強してきた人ほど、「今回は何が足りなかったのか」「次は何をどう改善すればいいのか」が分からず、立ち尽くしてしまう。
行政書士試験には、そうした構造的な厳しさがあるように感じます。
もちろん、行政書士試験がすべて悪い試験だと言いたいわけではありません。
冬に実施される試験であることから、司法試験や司法書士試験など、他の法律系試験の学習者が多数受験することから法律初学者でも十分に闘えるようにはなっているなと。
ただ、それでも「行政書士だけを目指して、全力で取り組んでいる人」にとって、
この試験はあまりにも基準が曖昧で、努力の置きどころが見えにくい。
この点について、次のパートでは、相対評価型の代表例である司法書士試験と比較しながら、
「相対評価」と「絶対評価」、どちらが受験生にとってフェアなのか、考えてみたので、書き殴ってみます。
※他の資格試験とも比較したいのですが、私が経験がないので、司法書士だけとの比較になってしまう点はあしからず。
絶対評価と相対評価──どちらが受験生にとってフェアなのか
資格試験の評価方法は、大きく分けると「絶対評価」と「相対評価」に分類されます。
絶対評価とは、あらかじめ定められた基準点を超えれば、全員が合格できる仕組みです。
行政書士試験でいえば、「300点満点中180点以上で合格」というルールがこれに当たります。
一方、相対評価とは、受験者同士を比較し、上位一定割合(あるいは一定人数)を合格とする仕組みです。司法書士試験や宅建試験は、実質的にこの相対評価で運用されています。
絶対評価が「理想的」に見える理由
制度論として見れば、絶対評価には分かりやすい魅力があります。
・一定の能力水準を満たせば、誰でも合格できる
・他人と競う必要がなく、学習の目標を立てやすい
・本来は「職務を遂行できる最低限の能力」を測るのに向いている
医師国家試験や看護師国家試験のように、合格者数を絞ること自体が目的ではない試験では、絶対評価は理にかなっています。
「このラインを超えればOK」という明確さは、受験生にとっても安心材料になるはずです。
しかし、行政書士試験では何が起きているか
問題は、行政書士試験がその理想通りに機能しているか、という点です。
合格率の推移を見る限り、行政書士試験は年度ごとに難易度が大きく変動しています。
一桁%台まで落ち込む年がある一方で、15%を超える年もある。
これは、「180点」という絶対的な基準が、試験問題の難易度に対して適切に調整されていないと考えることができるでしょう。
問題が極端に難しくなった年でも、合格ラインは基本的に固定されたまま。
結果として、受験生は「今年の問題がたまたま難しかった」という理由だけで切り捨てられてしまう。
絶対評価であるがゆえに、本来もっとも重要であるはずの「問題の出来不出来」が、そのまま合否に直結してしまっているのです。
相対評価が持つ「割り切り」の強さ
これに対して、司法書士試験のような相対評価型の試験では、考え方がまったく異なります。
司法書士試験では、問題が難しすぎれば全体の得点が下がり、合格ラインも下がります。
逆に問題が易しければ、合格ラインは上がる。
受験生にとって重要なのは、「他の受験生と比べて、自分はどの位置にいるか」という一点です。
極端な話、誰も解けない問題が出たとしても、それは合否にほとんど影響しません。
「他人ができないなら、自分もできなくていい」という割り切りが成立するからです。
この構造は、受験生にとって精神的にも非常に分かりやすい。
努力の方向性が明確で、「上位に入るために何をするか」という戦略が立てやすいのです。
どちらがフェアなのか
私自身の経験と、今回改めてデータを見直した感想としては、
少なくとも「受験生にとって納得しやすい」のは相対評価の試験だと感じています。
司法書士試験や宅建試験では、落ちたとしても、
「自分は上位に入れなかった」
「まだ実力が足りなかった」
と、理由を比較的素直に受け止めることができます。
一方、行政書士試験では、
運要素が強すぎるなというのが私の感じているところです。
※最近の試験は問題すらも見てなくて書いています。
もちろん、相対評価が万能だと言いたいわけではありません。
ただ、「人生を賭けるかもしれない試験」として考えたとき、努力の置きどころが見えにくい試験は、それだけで大きなリスクを孕んでいる。
行政書士試験をどう捉えるか。その答えは人それぞれですが、少なくとも「絶対評価だからフェアだ」と単純に言える試験ではない。
ここまでが、今回のデータと私自身の経験から感じた正直な印象です。
試験問題が実務で役に立たない
行政書士試験で1番これはどうなんだ?と異を唱えたいのは「試験問題が実務で全く役に立たない」という点ですね。
司法書士試験は、合格に近いところまで行ける人は、事務所の補助者として、まあ即戦力になるくらいの学習はします。
宅建試験も、重説に必要な知識は詰め込まれています。
一方行政書士試験は。。。仮に満点で合格した人がいたとしても。。。その人、行政書士の実務何もできないです。
それくらい実務と試験問題が乖離してしまっている試験です。
だから、せっかく合格して独立したのに何をしていいのかわからないことだらけだから「行政書士のための行政書士」みたいなのがたくさん生まれるんです。
すべてを否定するわけではないですけど、行政書士会の情報商材と私は呼んでいます。
さらに、AI化が進んで今後士業の仕事が減っていくのは明らかなのに、士業の人数は増加傾向だったりします。
私は平成20年当時に戻れるなら自分自身には絶対に行政書士試験に挑戦することは推奨しないので。。。
今年駄目で、また来年も行政書士試験にチャンレンジしようという方は司法書士試験の勉強したほうがいいです。
仮に、合格できなくても行政書士にはない役にたつことをたくさん学ぶことができるので。
と、先日の行政書士試験の結果を見ての個人的な感想でした。
