ガレー船をつくる【第2話】 もうひとつのきっかけは…
【タミヤの手こぎボートを改造しよう】
ガレー船をつくろうと思ったのは、前回も書いたようにヴェネツィア旅行がきっかけだったのだが、もうひとつ理由があった。
タミヤの「手こぎボート工作基本セット」だ。
別に連載している「科特隊基地をつくる」で小型ビートル発射ギミックの実現方法にあれこれ悩んでいたときに、タミヤの「楽しい工作シリーズ」のラインナップを調べてみた。
結局、「ラック&ピニオンギヤセット」を見つけてこの問題は解決したのだが、他にも魅力的なセットがいくつかあり、なかでも気になったのが「手こぎボート工作セット」だった。
モーターの回転を、クランクアームとリンクロッドで直線的な動きに変え、オールをこぐという仕組みが面白そうで、ぜひつくりたいと思った。

さっそく買って、組み立ててみた。
こんなふうに動く。
接着剤なしで手軽につくれることをウリにしているキットなので、30分もかからずに完成してしまうのが、ちょっとあっけない。
水に浮かべて動かせば楽しめそうなのだが、お風呂じゃ狭すぎるし、近所に遊べそうな水場もない。
このままではつまらない。
で、改造したくなった。というか、このギミックを利用してなにかつくりたくなってきた。
まず思いついたのが「レガッタ」と呼ばれるボート競技用のボートへの改造だ。
例えばエイトと呼ばれる競技用ボートなら、左右に4本ずつ、計8本のオールを配置することになる。
一糸乱れぬオールさばきを、模型で再現できたら楽しいだろう。
あとは、日本海軍のカッターを模型化するというのはどうだろう。
日本海軍は、艦載水雷艇や内火艇、救命艇などのさまざまなボートを軍艦に積み込んで運用したが、そのなかで救命艇として使われていたのがカッターである。実際には、救命艇というよりも水兵の訓練用として使われることが多かったようだ。
大きさは3種類あって、9メートルカッターはオールが12本、7メートルカッターはオールが8本、6メートルカッターはオールが6本となる。
9メートルカッターを模型で再現し、12本のオールを一斉に動かせば、さぞ壮観だろう。
そんなことをなんとなく考えていたときにヴェネツィアを訪れて、アカデミア美術館でヴェロネーゼの《レパントの海戦の寓意》や、海軍史博物館で数々のガレー船の模型を見たりしたものだからたまらない。
もうガレー船をつくるしかないだろう。

【第3話】レパントからアクティウムへ につづく
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