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ガレー船をつくる【第3話】 レパントからアクティウムへ

【イマイの「ローマの軍船」の電動化を目指す】

ガレー船をつくりたいのだが、肝心の図面がない。

キットが出ていないかとネットで調べてみた。国内メーカーならともかく、帆船に力を入れている欧米メーカーなら、ガレー船もキット化していそうだからだ。
ところが、意外に少ない。

エレール(Heller)が「ラ・レアル」(1/75)というキットを以前発売していて、1970年代にトミーが提携していたころには国産版も出していたようだ。
このキット、ラティーンセール(三角帆)の大型ガレー船であり、筆者がイメージしていた細身のガレー船そのもので、なんとも美しい。
18世紀のフランス船で、16世紀のヴェネツィア船ではないのが残念だが、手に入れたいと思った。ただ、オークションにはなかなか出品されないし、たまに出てきても竸り値がどんどん上がって、ちょっと手が出ない。

ないものねだりをしていても仕方がないので、かわりに目をつけたのがイマイの「帆船シリーズ」だ。
イマイといえば「サンダーバード」などのキャラクターもののイメージが強烈だが、一時期は帆船キットにもずいぶん力を入れていたらしい(『イマイ帆船ニュース』という小冊子も定期的に刊行していた)。当時の帆船キットカタログ(オークションで落札した)によると、帆船シリーズとして「ローマの軍船」「ギリシアの軍船」「ガレアス船」という3種類のガレー船を出していたようだ。

オークションで手に入れたイマイの帆船キットのカタログ。右下に「ローマの軍船」「ギリシアの軍船」「ガレアス船」が掲載されている。

当然ながらすべて絶版なのだが、エレールの「ラ・レアル」に比べればはるかに入手しやすい。
オークションに出品されたものを片っ端から落札していった。

最初に落札したのがイマイの「ローマの軍船」(ノンスケール)だ。
ローマ時代のガレー船ということで、ラティンセールではなく横帆(四角帆)で、ちょっと不満があったのだが、あまりぜいたくは言っていられない。
ただ、届いたものは、思ったよりずいぶんと小ぶり。部品数も少ない。この大きさだと、オールの動きを電動化するギミックは組み込めそうもない。

イマイのミニ帆船シリーズの「ローマの軍船」。部品数わずか26個の小型キットであり、思っていたものと違う。

どうやらイマイは「ミニ帆船シリーズ」という小型のキットも出していたようだ。こちらの調査不足というか、勘違いだったというわけだ。

そんなアクシデントにもめげずに、次のチャンスに「ローマの軍船」を落札した。

下側のイマイの「ローマの軍船」。上側の小さいボックスがミニ帆船シリーズの「ローマの軍船」。こんなにサイズが違う。

箱を開けるとこんな感じ。

これ、これ。これが欲しかったんだ。

勢いあまって「ギリシアの軍船」(ノンスケール)も落札した。
このキット、完成時のサイズが全長388mm×全高218mm×全幅240mmと「ローマの軍船」とまったく同じだ。
大和と武蔵か?
設定時期がまったく異なり(イマイのカタログによると「ギリシアの軍船」は紀元前480年、「ローマの軍船」は紀元前31年)、姉妹船ということはありえないから、サイズがまったく同じというのは腑に落ちない。
まぁ、ずいぶん昔のキットだし、紀元前のガレー船の資料はほとんど残っていないようだから、どちらかの金型を流用して売上倍増を狙ったのかもしれない。

両者の違いを比べてみたいと思ったし、「ローマの軍船」をつくるときに予備パーツとして使えるかもしれないから、迷わず手に入れた。

こちらが、イマイの「ギリシアの軍船」。甲板の構造物や塗装が「ローマの軍船」とは異なるが、船型そのものの違いはないようだ。

一方で、いまだに落札できないでいるのが「ガレアス船」(1/160)。
こちらは、レパントの海戦のときに活躍したヴェネツィア海軍のガレアス船(ガレッツァ)そのもので、好みのラティンセールだ。
正直、このキットをつくりたい。
本記事の連載中に落札できたら、こちらの制作に切り替えるかもしれない。

ということで、現状では、レパントの海戦ではなく、アクティウムの海戦ということになってしまったが、次回から「ローマの軍船」を電動化していく。


【第4話】小さいほうを建造してみた につづく
【第2話】もうひとつのきっかけは… にもどる
【第1話】きっかけはイタリア・ルネサンス にもどる


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