ガレー船をつくる【第4話】 小さいほうを建造してみた
【ミニ帆船シリーズの「ローマの軍船」をつくる】
オークションで間違って落札してしまったミニ帆船シリーズの「ローマの軍船」だが、積んだままではもったいない。
部品数はわずか26点で、全長15センチほど。組み立ても簡単そうだから、本番前の腕試しでつくることにした。
キットの説明書を見ると、塗装の指示は一切ない(「オールドタイムシップス」シリーズとしてアオシマから再販された版には簡単な説明があるようだ)。ボックスアートを頼りに塗っていこう。
ところが肝心のボックスアートが、このキット(小さいほう)と本番用キット(あとから落札した大きいほう)では絵柄が大きく異なっている。
キット(小)のボックスアートは右向き、キット(大)のボックスアートは左向きで描かれているのだが、それはいい。問題は、ボックスアート(小)の帆が紅白の大きな縦縞で塗りわけられているのに対し、ボックスアート(大)の帆は白一色というか、たぶん帆布の地色そのままだ。

紅白のしましまのほうが華やかで、いかにもローマの軍船っぽいのだが、実際はどうだったんだろうか?
紀元前の船だし、もちろん写真なんて残っていない。
ただ、復元船なら現存する。

オリンピアス号だ。
「ローマの軍船」ではなくて「ギリシアの軍船」なのだが、2004年のギリシアオリンピックで聖火輸送にも活躍したギリシア海軍所属の現役軍艦!だ。
写真を見ると、船体は無塗装で、帆は白一色。舷側に色鮮やかな盾が並んでいるということもないため、きわめてシックというか、おとなしい色使いになっている。
復元に際してはギリシア文学や美術史、水中考古学などの専門家チームが知恵を寄せ合ったようだから、彩色についても根拠があるはずだ。「ベン・ハー」などの昔のハリウッド映画とは異なり、実際の色調はこんな感じだったのかもしれない。
とはいえボックスアートに描かれた「これぞ、ローマ帝国!」というような極彩色も捨てがたい。
さて、どうしようか。
普段なら、悩みに悩んで困ってしまうところだが、今回は迷わず両方つくることにした。
じつはこのキットを3個持っている。
落札した「ローマの軍船」(小)のボックスを開けてみると、なんと3個分のパーツがランナーから切り出された状態でぎゅうぎゅう詰めになっていたからだ。
どんな経緯で3個入りになったのかはわからないが、この幸運を生かさないわけにいかない。
ということで、さっそくつくってみた。


本番キット(大)の塗装は、どちらにしようか。
なかなか悩ましいが、おいおい考えていくことにしよう。
【第5話】フェラッカ(小型ガレー船)の鹵獲 につづく
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