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ガレー船をつくる【第5話】 フェラッカ(小型ガレー船)の鹵獲

【ブルマァクの「バーバーリーパイレーツ号」を入手した】

前回つくったイマイの「ローマの軍船」(小)2隻に、ロープを張ってみた。

迷ったのが、ロープの素材。
帆船模型専用のロープ(ウッディジョー)や、メタルリギング(モデルカステン)、細めの真鍮線やピアノ線、伸ばしランナーなど、候補はあれこれあったのだが、帆が帆柱にイモづけで強度不足だったので、補強を兼ねて0.2mmのピアノ線を使うことにした。

ロープの張り方は組立説明書に簡単な記載があったので、それに従った。
「ローマの軍船」(大)の組立説明書には本格的な張り方の図解があり、それを参考にすることもできたが、スケール的にあまりごちゃごちゃさせたくなかったし、なによりもうまく張れる自信がない。ムリは禁物ということで、最低限で済ませることにした。

ロープを張った「ローマの軍船(小)」。こちらは帆が紅白の縦縞バージョン。

白帆バージョンのほうは、全体的な色調を、ギリシア軍船のオリンピアス号にもうちょっと寄せたいと考えて、リターダーで薄めたレッドブラウンを塗り重ねてから、ロープを張った。

ロープを張った「ローマの軍船」(小)の白帆バージョン。

これで「ローマの軍船」(小)は2隻ともいったん完成した。
前回も書いたように、同じキットをもう1隻持っているんだが、2隻も進水させたんだからもういいだろう。「いよいよ『ローマの軍船』(大)だ!」というところで、予想外の展開が待っていた…。

オークションで、ブルマァクの「バーバリーパイレーツ号」というキットをたまたま見つけてしまったのである。
船腹からは何本ものオールが出ているし、地中海のガレー船に特有のラティンセール(三角帆)も掲げている。どう見てもガレー船だ。

ブルマァクの「バーバリーパイレーツ号」のボックスアート。

このキットの存在を、筆者はまったく知らなかったのだが、ネットで調べると1970年代に発売されていたらしい。
もともとは米・パイロ(PYRO)が"Barbary Pirete Ship"として出していたもので、パイロと提携したブルマァクが国産化したようだ。

「バーバリーパイレーツ号」、つまり「バーバリー海賊号」というキット名が気になったが、バーバリー海賊とは「オスマン帝国の時代に、北アフリカを拠点にして西地中海を荒らしまわっていたイスラム教徒の海賊」のことで、バルバリア海賊とも呼ばれるようだ。
ちなみに2000年代はじめには、米・リンドバーグ(Lindberg)から"Barbary Pirete Felucca"というキットが出ていたようだが、船の向きが違うだけでボックスアートはそっくりなので、たぶん同じ金型だろう。Felucca(フェラッカ)というのは地中海の海賊が操る軽ガレー船のことらしい。

海賊船とはいえ、あこがれのヴェネツィア海軍が全盛だったころのガレー船であることは間違いない。鹵獲してヴェネツィア海軍に編入してしまえばいいだろう。
迷わず、落札した。

そんなわけで、落札したこのキットを先につくっていくことにした。
本連載の目的であったガレー船の電動化からどんどん離れていってしまっている気がしないでもないが、まぁ、なるようになれだ。


【第6話】フェラッカ(小型ガレー船)の艤装 につづく
【第4話】小さいほうを建造してみた にもどる
【第1話】きっかけはイタリア・ルネサンス にもどる

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