見出し画像

素人が設立サービスを使わず、自力で会社設立登記をした備忘録

はじめまして。
この度、自力で会社設立登記申請を行いました。某会計ソフトの会社設立サービス、マイナポータルの法人設立ワンストップサービスは利用してません。電子定款にて定款認証、法務局に書類持ち込みにて登記申請しました。
申請への道のりを備忘録として、また、最新の体験談として誰かの役に立てばと思い、文章に残したいと思います。

※起業のノウハウや、心得などは全く書いておりません。また、経営・営業準備も全く書いておりません。あくまでも会社設立登記までの実体験のみです。

【簡単な背景と自身の経験】

・20代。パソコンで一般的な事務作業はできるレベル。ITの知識、法律の知識は無し。
・小規模法人を作りたかった。会社の構成などは複雑でなく簡単で表すことができるものに設計。
・勤めていた会社は退職済みであり、専業で設立準備を行える状況。
・中小企業で総務業務経験あり。

【①創業相談をしてみた】

まず会社設立の流れについて書籍や、インターネットで情報収集を始めました。インターネットは情報が多すぎるので、書籍で大体の流れをつかみ、インターネットで最新の情報を取ってくるイメージで行いました。
大まかな流れをまとめると、
⑴会社の概要決め
⑵印鑑作成
⑶定款作成
⑷定款認証を公証役場で行う
⑸資本金の払い込み
⑹登記書類を準備して法務局に申請
となっているようです。

参考にしたページ
(利用はしていませんが)マイナポータルの法人設立ワンストップサービスの「フローチャート」のページやQ&Aなどは、ビジュアルも見やすく整理されてるため初期の情報収集に大変役立ちました。
(法務局のHPはなかなか難しい…)

定款という言葉を初めて知ったのですが、定款とは、会社の憲法のようなものらしく、それを作成したのち、公証役場でチェックをしてもらう+公証人という人にお墨付きをもらうことが必要だそうです。そして、その定款を作成するために、"会社の概要"を決めることが必要と知り、それを軸にさらに情報収集を続けました。

設立する会社の概要が決まったら、一度、全く関係ない第三者に見てもらいたいと考えたため(一般常識に自信がないので…)、市区町村で行なっている「創業相談」を利用しました。

例えばこんなの

早速予約をしてみました。最短で2営業日後くらいの予約が取れました。相談時に慌てないように、相談したいことをまとめて、いざ当日。
一般常識的なことから、かなり細かい内容まで質問をしましたが、快く答えていただきました。迷っていたこと、調べてもどれが正解か分からないことなどが減り、方向性もある程度固まり、利用してよかったと思います。
また、"創業相談"そのものについて聞いたところ、筆者の利用した創業相談では、創業前だけでなく、創業後のあらゆる相談も無料で承っているようで、中にはパソコンを持ってきて一緒に会計ソフト画面を覗いたりなんてこともあるようです。
それを聞いて、何かあったときに相談先があることに安心しました。

筆者は利用しませんでしたが、市町村によっては、設立の際の高い登録免許税が半額にできる「特定創業支援事業」もあります。実際の創業予定までに時間の猶予がある方は、しっかりと創業のためのプログラムやセミナーも受けることができるので、利用しないのはもったいないと思います。

【②-a定款と印鑑作成】

次のステップは、定款作成と印鑑作成を同時に進めることでした。
定款作成、印鑑作成と検索すると…
(同じ状況の方なら分かると思いますが)検索上位結果は某会計ソフトの「会社設立サービス」がたくさん出てくるんです!!!!
結論ですが、筆者は、会社設立サービスは使いませんでした。司法書士さんや税理士さんも諸事情により、利用しませんでした。

会社設立サービスを使わなかった理由は、
・会計ソフトの営業を受けたくなかった。
よくよく考えると、この一点のみです。
営業受けるのが面倒ですし、個人的に断ることにものすごいエネルギーを使ってしまうため+大手ソフト以外に気になっているソフトがあった というのが、掘り下げた気持ちです。

元から使いたい会計ソフトが決まっている場合には、そのソフトの会社設立サービスを使った方が圧倒的にお得なのかな?と思います。印鑑3点作成が5,000円だったり、税理士さんに定款作成もお願いできるのは、お得なのでは…と考えざるを得ません。
他に使わなかった理由をこじつけるとすれば、
・自分で作成したかった
です。これは、人生でなかなか経験しないことへの好奇心と、自分で作成しないと内容の理解が進まないのでは?というものです。

色々と書きましたが、タイトル通り筆者は「会社設立サービスを使わずに自力で会社設立登記まで行い」ました。

【②-b定款作成について】

作成定款:電子定款(印紙代節約)
使用ツール:定款作成支援ツール(Excel)
用意したもの:ICカードリーダー 3,000円くらいのもの
      電子証明書が使えるマイナンバーカード
      adobe acrobat有償ライセンス 7日間無料それ以降1,980円/月

自分で作成するなら、日本公証人連合会が配布している「定款作成支援ツール」が圧倒的におすすめです!
マクロが組まれているExcelファイルなのですが、決めた会社の内容を、指示(手順書)通り埋めるだけで、ほぼ完璧に定款と、実質的支配者申告書と、委任状まで一瞬で作成してくれます。

こちらを手順書通りに空欄を埋め、マクロ機能を使い、定款を作ったのち、公証役場に電話をしました。これは定款内容の事前確認をお願いするためです。また、その後の流れも聞いてしまおうという意図もありました。

電話の結果、メールにて書類(定款、委任状、実質的支配者申告書、印鑑証明書・マイナンバーカードのコピー)を送ってくださいとの指示をいただきました。

電子署名についてはこの方の記事と、

日本公証人連合会が公開している手順書が分かりやすく、こちらに沿って行いました。

https://www.koshonin.gr.jp/pdf/MyNuberCard-Electronic_signature_v1-2.pdf

電子署名は、ICカードリーダー機能が付いているスマホなら、スマホでできるのでしょうか?iPhoneは対応していないため、ICカードリーダーを購入しました。ネット通販か、家電量販店のUSBコーナーにあったと記憶しています。

また、今年から始まった、マイナポータルの法人設立登記ワンストップサービスと、オンライン申請、持ち込みの3パターン中どのやり方で進めるのが、1番良いか(効率と職員の方の手間を踏まえて)を公証役場の担当の方に相談したところ、筆者の場合は

「登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと」を利用してオンラインにて書類送信→後日、予約日に公証役場にて面談・認証

というスケジュールになりました。

このスケジュールになったのは、

  • 公証役場が遠くなかったため、窓口に出向きその場で押印したかった

  • 法人設立ワンストップサービスは認証後1週間以内にオンラインで設立登記を行わなければならず、会社設立予定日に拘りがあったため断念

といった筆者の事情と

  • オンライン申請(ワンストップサービスは特に)は慣れない人がやるとかえって時間がかかる場合がある

  • サービスが始まって間もないため、案内が完璧ではないかもしれない

といった事情を考慮した結果になります。
法人設立ワンストップサービスのメリットを挙げるとすれば、

  • 電子申請に慣れている人かつ、会社設立日に拘りがなく、なるべく早い日付で終わらせたい人なら、非常に便利

  • マイナポータルからなので、adobe有償版が不要?かつ、iPhoneかスマホがあればICカードリーダーも不要?

という箇所になります。

また、定款の認証もテレビ電話で行うことができますが、完全オンラインでないと(根拠なし)書類の送付の手間があり、かえって時間と手間がかかります。忙しい人や、公証役場が遠方ならおすすめできます!

【③定款認証】

実際にかかった日数ですが、定款案の事前確認→修正→完成まで1週間と、公証役場での窓口予約は完成後6日目の日付で取ることができました。

定款案の修正箇所は、

  • 事業目的文(公式文書?の文体に直すこと+内容の直し)

  • 住所(正しい住所表記)

でした。
公証役場での当日の流れですが、

  1. 約束の時間に受付

  2. 委任状の押印箇所をご指導いただく(実印持参しました)。持参したCD-Rと身分証明書等を担当の方にお渡し。

  3. (約30分後)公証人の方と面談。事業目的などを質疑応答。

  4. (約10分後)CD-R、身分証明書、定款控えを受け取り、認証代を支払って終了。

担当の方も、公証人の方も、驚くほど優しく、親切に対応していただきました。印鑑についての知識がないので、押印箇所をご指示いただけたのも、非常にありがたかったです。

【④資本金の払込み】

定款の認証後日付、または同日の日付で資本金の払込みを行うと記事で読んだため、定款認証の次の日に資金移転を行いました。

原則として、資本金の払い込みは定款作成後に行います。

https://vs-group.jp/startup/establishment/starting/17110.html

筆者は、自分が分かりやすいよう、個人のメイン口座ではなく、長らく使用していなかった(残高もほぼなし)口座を使用して、資本金の払込みを行いました。法務省のHPを見ても、資金があることが分かれば良い(マーカーで該当箇所を引くなど)みたいなので、口座残高や他の取引履歴が入ってもあまり気にしなくて良いと思います。↓

【⑤設立書類の準備と法務局の予約】

次は、設立書類の準備に入ります。
一通り用意する書類リストは、以下の二つを参考に揃えました。

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001331097.pdf

どちらも法務局のHPから見ることができ、設立申請書と、添付書類についての説明を知ることができます。
私は、とにかく足りないよりは、訂正や削除をした方が良いだろうと考え(力技…)、とにかく手あたり次第に書類を作成しました。
なぜ、そう考えたかというと…

こちらの方の記事を読み、「登記手続の案内」というものを知ったからです。法務局では書類を提出する窓口と、さらに案内を受けるためには手続き案内予約というシステムがあるようです。

本当は、一度ウェブによる案内も受けたかったのですが、(枠が少ないのか)2週間以上先まで埋まっていましたので、対面での案内を予約しました。

最終的な準備は、申請書は綴じず、わかる場所のみ印鑑押印まで行いました。一応すべてコピーを取っております。
印鑑の押し方は法務局HPで、良いページを見つけることができませんでしたが、こちらの記事が非常に参考になりました。(今回分かったのですが、捨印はめっちゃ便利です。常識なのかもしれないですが…笑)

【⑥法務局に持ち込み】

予約した日時に法務局に行き、手続き案内のブースに案内され、受付表のようなものを記入しました。そのあとは作成した書類を全て出して、書類上の矛盾やおかしいところを指摘していただきました。
内容の判定をしているというよりは、法務局のHPにあるように、あくまでも書類としての矛盾や、正式な書類としてのルールを指摘していただいた感触です。

反省点は以下です。

  • 住所の表記は、不動産登記の表記が正しい
    (必ずしも印鑑証明やマイナンバーの市町村登録住所が正しいとは限らない)

  • 別紙の「登記すべき事項」は、定款と全く同じ文章で書く!(文章は丸写し!)

登記事項をまとめたものを別紙として提出しますが、ここに書く事項の文言は定款丸写しのものになるようです。(定款の抜き出しのイメージ)
また、よく記事にOCR用紙と書いてありますが、普通にWordで作成して、A4用紙に印刷するだけで特殊な紙は必要ありません。

書類のチェックと訂正が一通り終わり、書類をまとめてホチキス留めをし、収入印紙を購入して「収入印紙貼付台紙」に貼り付け、申請書とのページの継ぎ目に実印を押し、窓口で提出します。受付番号と登記完了予定日が書いてある書類を受け取ると、無事登記申請を完了となります。

【おわりの感想】

色々情報を集めていましたが、心配性な筆者の”心”の拠り所となったのは、体験記事でした。しかし、会社設立サービスを利用していたり、電子申請をしていたり、全く同じルートはなかなか辿らないものだなあと感じました。
会社の設立実務など、人生でそう何度もやるものでもないですから、体験談として残したかった + 従来の紙の書類から電子申請まで、行政のシステムも多くの道筋が用意されていて、自分に合うもの・できるものを取捨選択をしなければいけないということで、少しでも誰かの参考になればと思い、備忘録を残させていただきました。

これまで、印鑑が重要な理由なんて知る由もなかったですし、つい電子申請が簡単かも!と思い、手を出すのですが、(あたりえですが、)ネットショッピングやゲームのような簡単に操作できるものとは違う、電子証明であったり、マニュアルの複雑さなどで一部のみの利用となりました。

上手く電子申請と窓口のバランスを取っていきたいなあと思う、デジタルに弱めな20代でした。対面の方が早いと思ってしまう…。
設立後も、電子申請と窓口の二刀流の戦いは続きます。

では。ここまで読んでいただきありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!