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プロダクトマネージャーって"自分の成果"と"自分の成長"を自己認識するの難しくないですか?(1/2)


はじめに

このnoteでは「プロダクトマネージャーって"自分の成果"と"自分の成長"を自己認識するの難しくないですか?」というテーマについて、運営メンバー2人の対談形式で書いてきます。

前後半に分かれておりこの記事は前半です。後半は後日公開しますので楽しみにお待ちください!

登場人物紹介

プロダクトマネージャーは"成果"と"成長"を実感するのが難しい

下田: プロダクトマネージャー(以下PdM)として仕事する中で成果を自分で認識すること、他人から適切に評価してもらうことが難しいと感じています。それによって自己成長を感じづらいというか、「この1年を振り返って、自分が何ができるようになったんだろうか?」と振り返っても明確に「これができるようになったぞ!」と自信を持つのが難しい職種だと思っています。

プロダクトマネジメントの書籍などで「成功はみんなのおかげ、失敗はPdMの責任」と書かれていたりしますし。PdMが考えるべきプロダクト戦略は事業戦略に沿ってつくるので、そもそも事業戦略自体が良くないと、プロダクトづくりを頑張っても成功しない可能性が高いだろうし、特にBtoBだと営業やCSの能力や成果にも左右されます。

プロダクトを改善していった結果、売上や契約社数が伸びたとしても、「それは自分(PdM)の成果なのか…?」と思ったり。

定性的な成果をどう表現・認知すれば良いのか、プロダクト改善による事業成長の妥当性をどう判断すれば良いのか、PdMは自己成長をどう感じればいいのか。

ミドル以上はさておき、特にジュニアPdMは裁量も大きくなく、上司や先輩のサポートを受けながら業務を進めることが多いので、「これはどこまで自分でやったんだろう?」と感じ、成長を実感しにくいのではないかと思っています。

柳川: わかります。外部での発表とか転職するとときとかもどの温度感でいけばいいか迷いますよね。
前提として、プロダクト開発は短期で結果が出るものではないです。時間がかかる仕事。だからこそPdMが必要だと思っていて、短期の成果だけを考えると中長期で大きな成果が出ないという問題を解決するためにPdMがいると考えると良いと思います。

プロダクトマネージャーのわかりやすい成果は"プロダクト改善サイクルを回せる構造"を作ること

柳川:その前提を踏まえた上で PdMが短期で出すべき成果は、中長期の成果に向かっていくための「形」を作ること。具体的に言うと、プロダクトの改善サイクルをチームが回せる構造を作っていくことが、一番分かりやすい短期的な成果だと思います。

何をインプットとしてどうプロダクトの機能に反映させていくか、という一連の流れ、つまりプロダクトディスカバリーからデリバリーまでを回せていること自体が、PdMの仕事であり成果です。そこから事業成果(成長)まで繋げられるのが、シニアPdMだと思います。ジュニアPdMやミドルのPMの仕事は、まずプロダクト改善サイクルの構造を作り、それを回すこと。
それができたら、次のステップとしてプロダクトの改善を事業成長に結びつけること、またそのストーリーを描くことが重要ですね。

下田: 「ストーリーを描く」かあ。

柳川: 現場でよくあるのは、緊急度が高く重要度も高いことしか手がつけられない状況です。しかし、そればかりをやってプロダクトは中長期で本当に成長しますか?

プロダクトを中長期で成長させるためには、ユーザー(顧客)、事業、チームにとって三方よしであることが重要です。緊急度が高くて重要度が高い仕事ばかりしていると、必ずどこかに偏ります。基本的には短期の事業数字に偏りがちです。短期の数字に偏ったプロダクトが中長期で成功するかというと、成功するパターンもあるでしょうが、再現性は低いと思います。

中長期の成長に再現性をある程度持たせるのがPdMの仕事の一つであり、それゆえにこの仕事が生まれたのだと思っています。
緊急度が低いけど重要度が高いことに取り組むためにPdMが存在するので
そしてこの取り組みに、ストーリーを語るという方法がマッチするのです。

中長期の成長ストーリーを描き、語り、組織・チームをその気にさせる。そして期待値調整。

下田: ありがとうございます。 今僕がプロダクトロードマップを考えているのですが、今のプロダクトを1としたときに2, 3, 4…にはできそうだけど、1を10, 100にできるイメージはまだ持てていません。スタートアップだからという要因もあるかもしれませんが、どうしても短期的な成長に偏ってしまっていると感じます。

柳川: いい質問。もし今ロードマップを書いて1が10や100になるようなものが書けているとしたら、それはもうPdMの範疇を超えているかも。大事なのは、1が10、100になるような仮説を立て続けること

そもそもプロダクト開発は不確実性が高い(=そんな単純なものじゃない)という前提に立つことがとても重要です。北極星(NSM)を持つことは大事ですが、そこに至るまでの手段は変わりうる、とチーム内で共有し期待値調整をすることが大切です。

あくまで中長期の成長に向かっていく"構造"を作ることが大事なのです。

下田: なるほど。(深く頷く)

柳川: アジャイルの考え方に近いですが、確実ではない目標に向かって、どう仮説検証しながら進んでいくかの期待値をコントロールすることが重要です。3年後などの長期目標にコミットするのは大事ですが、「3年後に絶対この数字にする」というよりは、そこに向かってアジャイル的に進んでいけば、今より良くなるんだ、改善していくんだということを組織・チームに信じさせ、着実に進むことが大切です。

ロードマップを書くと、「この通りになるんですね」と思われがちですが、そんなことができるなら、PdMは必要ないです。

下田: 確かに!!!!!!

柳川: ロードマップも、「このまま行けばうまくいきそうだね」という雰囲気をチームに伝えるための手段くらいに思った方が良いですし、経営層ともそのくらいの期待値で握るべきだと思います。

リーダーの重要な仕事は、みんなが「これならいけそうだね」と思えるストーリーを語り続けること。それを様々なメソッドを用いて、一定科学的に再現性を持って実行するのがPdMの仕事だと思います。

「このままやっててもうまくいかないんじゃないか…」と思わせないようにすることが重要で、そのための装置の一つがロードマップであり、日々の振り返りや仮説検証を含むアジャイルな仕事の進め方です。

重要度も緊急度も高い仕事に偏りがちなのを、重要度が高いが緊急度が低いところにどうリソースを回せるか。リソースを回すといっても、「これをやれ」と言うだけでは動きません。「これは結果が出るまで時間がかかるけれど、コストをかけて取り組んでも大丈夫そうだね」とステークホルダーに思ってもらえる状況を作りだすことが重要です。

どうすれば周りが"その気になっている"ことがわかる?

下田: ありがとうございます。PdMとしての成果や実績という面で、組織・チームを「このまま進めば良さそうだね」という気持ちにさせることが重要ということですね。自分が「こうすればうまくいくだろう」というストーリーを語って、それを周囲がどう思っているかを知るにはどうすれば良いでしょうか?

柳川: 周囲がどう思っているかを知るには、まずは皆がついてきてくれることを確認する。会社の文化やメンバー間・職種間の力関係にもよりますが、基本的に周りが賛成してくれなければ協力してくれず、うまくいかないと思います。「あなたの言っていることに根拠はあるの?」と反論されたり、「無理だと思います」と言われたり、上司から「あなたの計画通りにはいかないと思う」と言われたりすることもあるでしょう。

ただし、会社での役割もあるので、PdMが言うことには従っておこうという権力勾配が働くこともあります。誰も文句を言わない場合でも、それで本当に自分の力でプロダクトが良い方向に向かっているのかは、短期的には分かりません。 半年や1年やってみて、明らかに問題が起きて進まないということがなければ…いや、難しいですね。

そもそも反対意見が出ないこと自体が組織として不健全な場合もあり、ディスカッションを通じてチームが強くなることもあります。何をもってうまく前に進めているかを測るのは正直難しいのです。うまく答えられなくてすみません。

下田: いえいえ、とんでもないです。確かに、仮に周りのメンバーがついてきてくれたとしても、それがストーリーの妥当性・可能性をメンバーが感じてくれた結果なのか、単に性格的に言われたことをやるだけのタイプだったのか、そもそも組織文化でついていくルールがあるかなどで、意味合いが結構変わりますね。うーん、難しい。

柳川: 今思いついた考え方として、先ほどプロダクト開発は三方よし(ユーザー、事業数字、チーム)と話しましたが、このどれかがうまくいっていることがわかれば、その時点ではうまくいっていると感じられるはずです。

一番重要かつ説得力があるのは顧客の反応です。顧客の反応を得るために、いかに早く、そして定期的にリリースしていくかが一つ大事かもしれません。顧客の反応が良ければ、PdMの言っていることに妥当性があるとチームにも伝わり、結果、事業数字が上がれば、経営層にも方向性が間違っていないことが伝わると思います。

一方的なストーリーテリングだけでは周りの信用を得るのは難しく、何か一つでも成果を出さないと、自分自身も含めて「本当にこれでいいのか?」という実感を持てないと思います。

常に「本当にこれでいいのか?」と思い続けるくらいが、PdMとしては正常だと思います。だからこそ、うまく行っていると知るための外的要因やメトリクスなどが必要なんです。PdMが自分自身を騙すためにも。私が今話したような背景知識を持ったうえで、巷に溢れる様々なプロダクトマネジメントの様々な手法を読み解くと、「なるほどね」となるかもしれません。

下田: ありがとうございます。僕も毎日「本当にこのまま進んで良いんだろうか?「この意思決定で合っていたんだろうか?」と思いながら仕事しています。

柳川: 僕も毎日思いますよ。

下田: (驚)

中長期の成果を測る視点と振り返りの重要性

下田: 一気に膨大な情報を浴びたのでちょっと整理させてください。PdMの成果は基本的に中長期でプロダクトが成功するためのストーリーを描いて語り、チームを巻き込みそのために行動できていたかということですね。

柳川: そうですね。

下田: ちなみに中長期というと、大体半年くらいですか?1年くらいですか?感覚として。

柳川: ビジネスサイクルやプロダクトなどによりますが、最近の状況を見ると、1年くらいなのかなという気がしますね。

少なくとも1年の間に全くリリースがなく、顧客の反応も得られていないというのは厳しいですよね。チームとして、1年あれば3サイクルくらい回したい感覚があって、そうすれば中期的な影響が見えてくるのかなと。1年経ってプロダクトの何が変わったのか振り返った時に差が出ているはずですから。

下田: ああ、確かに。それは良いですね。個人でもやりやすそう。機能が増えれば良いというわけではないけど、1年前からプロダクトの変遷をPdMがちゃんと振り返るのは大事そう。

柳川: それは絶対やった方がいいです。チームのためにも、ステークホルダーのためにも。自分自身の振り返りもやりましょう。

下田: 恥ずかしがなら、ちゃんとやったことなかったです…。

柳川: やろう。やった方がいい。

下田: 御意。

後半へ続く

後半は以下のような内容になります!
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  • 不確実性への挑戦とプロダクトマネージャーの存在意義

  • 言語化と内省の重要性

  • エンジニア出身PMの強みとキャリア

  • プロダクトマネージャーの仕事の本質と価値

【参考】プロダクトマネジメント相談室について

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