積立15万円×毎月──シンプルだけど強い仕組み|#17(第1章)
積立投資を始めてから、私は「入金力」という言葉を意識するようになりました。
入金力とは、毎月どれだけ投資にお金を回せるか、いわば“お金を増やす体力”のようなものです。
いまでは投資の世界でごく当たり前の言葉になっていますが、当時の私は、この入金力こそが将来の資産形成を左右する重要なパラメーターになるのだろうと、なんとなく感じていました。
2013年に世界経済インデックスファンドへの投資を始め、翌2014年ごろには、私は毎月15万円の積立を続けていました。
当時の私の給料は、おおよそ月40万円台だったと思います。
その中から毎月15万円を投資に回していたので、割合としてはかなり大きかったのかもしれません。
とはいえ、それほど無理をしている感覚はありませんでした。
年に2回、ボーナスも支給されていましたので、そのあたりで帳尻を合わせることができていたからです。日々の生活で特別に我慢をしているという感覚もなく、積立投資は自然と生活の一部になっていました。
このころ、私は自分なりに資産の将来をイメージしてみようと思い、簡単なエクセル表を作っていました。
といっても、たいしたものではありません。複利の利回りと毎月の入金額を自由に設定できるようにして、年度ごとに資産がどれくらい増えていくのかをシミュレーションできる、素人レベルの簡単な表です。
それでも、この表を眺めるのはとても楽しい時間でした。
利回りや入金額の数字を少し変えてみて、将来の資産がどう変わるのかを何度も試してみる。そんなことをよくしていました。
そして、このシミュレーションを見ながら、あることに気づきました。
このまま積立を続けていけば、将来、自分の資産はかなり大きく膨らむ計算になっている。
ただし、それが実現するのはずっと先の話でした。数十年単位の時間がかかる世界です。
当時はそこまで深く考えていたわけではありませんが、「資産は長い時間をかけて育つものだ」という感覚を、このときなんとなく理解していたのだと思います。
この認識は、のちに私の資産形成を考えるうえで、良い意味でも、悪い意味でも、重要なポイントになっていきました。
一方で、毎月15万円の積立そのものは、それほど大きな負担に感じることはありませんでした。
理由は、すべてが自動で動くように仕組み化していたからです。
給与が振り込まれる口座から、毎月決まった日に証券口座へ15万円が自動で移され、そのまま投資信託が買い付けられる。
自分の判断やタイミングに左右されることなく、淡々と積立が続いていきます。
この「仕組み化された状態」は、私の性格にもとても合っていました。
余計なことを考えなくても、気づけばお金が積み上がっていく。そんな感覚がありました。
今振り返ると、まるで優しい誰かが、代わりにお金を増やしてくれているような感覚だったのかもしれません。
特別なことをしている実感はありません。ただ、決めた仕組みが毎月きちんと動いているだけです。
それでも、時間が経つにつれて資産は確実に積み上がっていきました。
積立15万円×毎月。
このシンプルな仕組みは、いつの間にか私の生活の中で、完全に“当たり前”のものになっていきました。
次回(第18話)は、旧NISAという制度をどのように活用して投資を続けていったのかについて書きます。制度を味方につけることで、資産形成のスピードはさらに加速していきました。
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