月5万円の積立で資産500万円になった話|#7(第1章)
社会人になってから、私は「お金を管理する」ことを、ごく自然に続けてきました。
最初は意識して仕組みをつくり、給料やボーナスを計画的に貯金へ回していましたが、それはやがて習慣になっていきました。
特別なことをしていたわけではありません。極端な節約生活をしていたわけでもなく、無駄に高い買い物をしていたわけでもありません。ただ、最初に決めたルールを守り続けていただけです。
毎年の目標は「100万円を貯めること」。
月5万円の貯金と、ボーナスから各20万円。第6話でお話しした仕組みを続けていれば、無理をせずとも達成できる金額でした。
実際、この目標は毎年、淡々とクリアできていました。達成感というよりも、「あ、今年も予定どおりだな」という確認作業に近い感覚でした。
社会人3年目、2005年。私は北海道東部の釧路市へ転勤になりました。
知り合いの少ない土地での生活は最初こそ戸惑いもありましたが、振り返ればこの転勤も資産形成には大きく影響しました。
生活はシンプルになり、支出はさらに安定しました。夕方になると街が真っ白になるほどの濃い霧が発生し、業務で向かう根室までの道中ではエゾ鹿が当たり前のように現れる。冬は厳しい寒さで外出も減り、自然とお金を使う機会は少なくなっていきました。
そして社会人5年目の終わりには、貯金は500万円を優に超えていました。
「こんなに貯まっていたのか」
自分でも少し驚きましたが、同時に、「仕組みは裏切らない」という確信も持てるようになっていました。
ただ、この頃の私は投資の知識はほとんどゼロでした。株式投資に触れたこともなく、金融商品の仕組みも理解していませんでした。
今でこそ投資信託は一般的な存在ですが、当時は少なくとも私の周囲では話題に上ることもなく、正直なところ、その存在すら意識していませんでした。あったのかもしれませんが、多くの会社員にとってはまだ遠い世界だったように思います。
一方で、世の中のニュースでは株式市場の話題を目にする機会はありました。2006年頃にはライブドア関連のニュースが連日報じられ、「株」という言葉がテレビや新聞をにぎわせていました。
そのときの私の認識は、正直に言えばこの程度でした。
「株を持っていれば、お金持ちになれるらしい」
それ以上でも、それ以下でもありません。
興味はある。でも何をどうすればいいのか分からない。
結局、自分にはまだ関係のない世界だと、どこかで線を引いていました。
貯金は順調に増えている。
それだけで十分だと、安心していたのです。
しかし、500万円という数字を目の前にしたとき、ふと別の考えが浮かびます。
このお金は、このままでいいのだろうか。
少しずつ、「貯める」だけでなく、「増やす」という発想が頭の中に芽生え始めていたのです。
次回(第8話)は、金融業界で働く環境の中で、どのように投資への興味が芽生えていったのかをお話しします。
ニュースで見ていた「株の世界」が、どのように自分事へと変わっていったのか。そのきっかけを振り返ります。
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