noteから書籍出版したベストセラー作家が教える、“真面目な文章”から抜け出すヒント
「なぜかいつも文章がかたくなってしまう」
「よくも悪くも“きれいな文章”しか書けない」
書きつづけるなかで、こんな悩みを抱く方は少なくありません。
2025年12月15日、個人の情報発信をサポートする「パーソナル編集者®︎」のユーザーコミュニティ「ペンクラブ」では、作家・ライターのゆぴさんと代表のみずのによる「第10回noteコンサル会」を開催しました。
「一般論ではなく、実体験ベースで書く」「親しい人に話すときの本音の言葉を文章にのせる」など、書き手の体温が乗った“自分らしい文章”を書くヒントが飛び交いました。
AI時代だからこそ自分にしか書けない文章を書きたい。そんな気持ちに寄り添う今回のコンサル会の様子の一部をレポートでお届けします!
登壇者プロフィール

いしかわゆき(ゆぴ)
Webメディア「新R25」編集部を経て2019年にライターとして独立。取材やコラムを中心に執筆する。ADHDとHSPを抱えながら、生きづらい世界をいい感じに泳ぐために発信を続ける。著書『書く習慣~自分と人生が変わるいちばん大切な文章力~』は4.5万部超でベストセラーに。その他著書に『ポンコツなわたしで、生きていく。』『聞く習慣』『ADHD会社員、フリーランスになる。』など。
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みずのけいすけ
goodbuff inc. 代表。企業と個人のブランディング支援をしている。2006年、明治大学政治経済学部を卒業後、広告代理店でのプランナー勤務を経て、株式会社マイナビでメディア運営に従事。2018年、note株式会社に入社後、プラットフォームの急拡大期にディレクターとして関わり、2021年に独立。これまでに、のべ500社以上の情報発信をサポート。法人のメディア運用や、SNS活用法のアドバイスを行っている。
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実績+実体験のエピソードで、読者に“読む価値”を感じさせる
まずは、プロ家庭教師・中学受験コンサルタントとして活動しているまりかさんのnoteです。
知人から中学受験の準備について質問されたことをきっかけに、そのアンサーとして記事を書いたそう。
「書きたいことは書けたのですが、ややきれいにまとまりすぎてしまったかなと感じています。また、有料noteへの展開など、このnoteを起点にどんな広がりが考えられるかも意見を聞きたいです」とコメントいただきました。
ゆぴ:たしかに、きれいなSEO記事っぽい印象はあるかも。おそらく、イントロが客観的な一般論からはじまっているからだと思います。もう少しまりかさんらしい要素を出してみると、このかたさが取れそうな気がします。
たとえば、まりかさんが持つ「中学受験指導歴15年」の実績ってかなりすごいことじゃないですか。15年間で経験してきた具体的なエピソードを序盤で入れられると、オリジナリティも出せるし、他の記事にはない“読む価値”を読者に感じてもらえそうだと思いました。
みずの:どんな人がどんな背景があって話しているのかが目次の前に伝わると、温度感があるnoteになりそうですね。ゆぴさんは自分の情報をnoteに入れるのがうまい印象ですが、普段どんなことに気を付けていますか?
ゆぴ:自己紹介をさりげなく盛り込むようにしています。たとえば、ライターのノウハウ系のnoteだったら、「なんだかんだ私もフリーランス8年目になったんですが~」のように、リード文などでナチュラルに強みや特徴をアピールするイメージです。

初見の人にも「お!なんかおもしろそうな人が書いている!」と興味を持ってもらえるフックをつくることを大切にしています。
あと、有料noteへの展開という観点だと、すでにこのnoteはボリュームがあるので、『焦りは禁物!低学年で築くべき「3つの土台」』のパートまでを無料部分として、そこから下を閉じてしまうのも一つの手です。

もしくは、「国語編」「算数編」をそれぞれ有料noteとして切り出すとか。
多くの人が興味を持つ基礎的な内容を無料で公開して、必要な人がはっきりとわかれる教科別の内容を有料部分で見せる。そんな導線が、まりかさんのnoteにはマッチしそうです!
💡noteのポイント
・実体験ベースのnoteは、一般論で書かれた記事より“読む価値”を感じてもらいやすい
・序盤で“自分ならではの権威性”をさりげなく示せると、はじめましての人にも興味を持ってもらえる
書き手の表情がはっきり見えるタイトルは読者を引き込みやすい
つづいては、生きづらさの悩みを抱えながらも楽しく暮らすコツなどをnoteに書いているという、かきのたねさんのnoteです。
「副業をはじめようと思って、クラウドソーシングへ応募してみるも、見送り通知を受け取りすぎて“虚無”になってしまって…。自分のなかで区切りをつけて気持ち新たにがんばろうと宣言する意味も込めて書いてみたnoteです」とのこと。
ゆぴ:いいnote!ご自身の具体的なエピソードが盛り込まれていて、流れも読みやすいです。読後感が爽やかでいい物語だと感じました。
ひとつ気になったのは、タイトル「見送り通知を見て『まあ、そうやろな』と思ってしまう自分が、まだ前を向いている理由」かな。この「まあ、そうやろな」ってネガティブなのかポジティブなのかどっちなんでしょう?
タイトルの構文でもある「Aな私が、Bな理由」の「A」と「B」は、ギャップが大きければ大きいほど強いフックになるんです。たとえば、「ポンコツな私が、ミスなく仕事を進められる理由」みたいな。

私は、「まあ、そうやろな」をポジティブ寄りだと受け取ったのですが、そうすると「A」と「B」がどちらもポジティブなのでギャップが生まれなくて…。
かきのたね:たしかに…!ただ、ぼくは「諦め」「虚無」といった、ネガティブ寄りのニュアンスで書いていました。
みずの:であれば、その表情をもっと見せてもよさそうですね!書き終わったあとに、「10人がこのタイトルや文章を読んで、そのうちどれぐらいの人が、かきのたねさんと同じ感情を想像できるのか」を客観的に考えてみてもいいかもしれません。
初読でも筆者の感情を想像できるよう、たとえば「仕事をしながら、ふと手元のスマホをみると」など、そのときの周囲の状況などが少し見えるだけでも、読み手は感情を掴みやすくなります。
言葉やシーンの解像度をもう少しだけ高めてみると、より没入できるnoteになるはずです!
ゆぴ:「まあ、そうやろな」をタイトルに持ってくるチョイスは、個人的にはとても好き!先ほどおっしゃっていた「虚無」もいいワードだと思うので、そのままタイトルに加えてみるのはどうでしょう?

💡noteのポイント
・タイトルの要素は、ギャップが大きければ大きいほど強いフックになる
・読者に同じ感情を味わってもらうためには、言葉やシーンの解像度を高める
親しい人に話しかけるように書くと、文章に“柔らかさ”と“本音感”が生まれる
最後は、京都府在住のライター・ようへいさんです。日々の気づきをnoteにしているものの、読んだ人から「気むずかしい人」という印象を抱かれそうで、書き方に悩んでいるそう。
「自分の気づきを、印象を落とさず書くにはどうすればいいですか?また、普段仕事でSEO記事を書いているためか、noteもSEOっぽい雰囲気になってしまっていないかも気になっています」とお話しいただきました。
ゆぴ:こういうnote、私はめっちゃ好き!褒められて「社交辞令かな?」と思うこと、私もありますが、その場では絶対言えないじゃないですか(笑)。大きな声では言いづらいモヤモヤに共感する人は多いと思います。
これを書くことにした背景や本文中の事例もていねいに言語化されていて、いろんな人が気持ちや状況を重ね合わせて読めそうです。
みずの:感情に対して冷静な印象は受けるものの、具体例も出せていて、ようへいさんが思っているほどSEOっぽい印象は受けないですよね。
ゆぴ:きれいにまとまっているところが本人的には気になるのかな?たしかに私も、もう少しくだけた言い回しでもいいんじゃないかと感じました。
ようへいさんが今、私に話しているくらいの雰囲気で、実際に誰かに話しかけるように書いてみると文章のかたさが抜けるかもしれません。
みずの:自分がやわらかく会話できる人物を脳内に置いてみる、とか。
ゆぴ:仲がいい人に「このnoteってつまりどういうこと?」と聞かれたら、「ぶっちゃけ褒められてもそんなに嬉しくないって言いたいんだよね」って答えると思う。その“本音”の言葉を文章にも使ってほしいな。
みずの:印象が悪くなることが心配なら、後日それをそのまま追記すればいいと思います。「このnoteからはちょっと気むずかしい印象を受けるかもしれないんですけど、実際そんなことないですから!」と、ツッコミのようなかたちで弁解を入れたら、むしろ親しみを持ってもらえるかもしれません。
💡noteのポイント
・“大きな声では言いづらいモヤモヤ”は共感が集まりやすいテーマ
・親しい人と話すときのような“本音”の言葉で書いてみる
昨年は122本のnoteを書いたというゆぴさんの熱いフィードバックに、参加者の熱量もどんどん高まっていきました!2025年3月にスタートし、数多くのnoteと向き合ってきたコンサル会。2026年もたくさんのnoteをお待ちしています!
次回のコンサル会は、2026年2月9日(月)13:00~14:00に開催します。具体的なお悩みや質問がなくても大丈夫。ぜひお気軽にご参加ください。
※「パーソナル編集者®」ユーザー限定のイベントです
