見出し画像

育児中、私はインスタをやめた。やめて正解だった。

こんにちは。
私は、小児の理学療法士をしているアラサーです。
今回は育児中のインスタ事情について私の経験を書いてみます。

私は、寝かしつけのあとにインスタを開くのが癖でした。
やっと寝た。
よし、終わった。
いや、終わってない。
洗い物ある。部屋も散らかってる。明日のこともある。
でも、もう何もしたくない。
そんな時に、なんとなくスマホを開いていました。
5分だけ。
ちょっとだけ。
頭を空っぽにしたいだけ。
そう思っていたのに、気づくと1時間くらい過ぎていることが普通にありました。
しかも、見終わったあとに元気になるわけでもないんです。
むしろ逆でした。
なんか疲れる。
なんか焦る。
なんか自分だけちゃんとできていない気がする。
私は、育児中のインスタで静かに心削られていました。
誰かに悪口を言われたわけではありません。
嫌なコメントが来たわけでもないです。
トラブルがあったわけでもありません。
でも、削られていました。
確実にです。

インスタをやめて良かったことは、スマホを見る時間が減ったことではありません。
そんな表面の話じゃなかったです。
いちばん大きかったのは、他の家庭を見て勝手に心揺さぶられる時間が減ったことです。
もっとはっきり言うと、他人の暮らしを浴びすぎて、自分の暮らしを雑に扱う時間が減ったことです。
育児をしていると、毎日ずっと何かを判断しています。
これ食べさせていいかな。
今日は外に出したほうがいいかな。
昼寝、短すぎたかな。
今の声かけでよかったかな。
泣いたけど、すぐ抱っこしたほうがいいかな。
今日はもう動画に頼っていいかな。
お風呂、今しかないかな。
ずっとです。本当にずっと。
しかも、その判断って、誰も丸つけしてくれません。
これで合っていました、なんて毎回教えてくれる人もいません。
だからただでさえ心揺れやすいんです。
そこにインスタを開くと、他の家庭の「うまくいってる場面」が流れてきます。
きれいな部屋。
栄養バランスのよさそうなごはん。
丁寧なおうち遊び。
機嫌のいい子ども。
楽しそうなお出かけ。
笑っている家族。
余裕のありそうな親。

いや、分かっています。
あれは一場面です。
切り取りです。
生活の全部じゃないです。
でも、こっちがへとへとの日は、そんなの関係ないんです。
私は、今日を回すだけで精一杯の日が何度もありました。
ごはんを食べさせて、こぼしたものを拭いて、着替えさせて、ぐずったら抱っこして、やっと座れたと思ったらまた呼ばれる。
トイレもゆっくり行けない。
冷めたごはんを立ったまま口に入れて終わる。
部屋なんて、片づけても片づけてもまた散らかる。
何もしていないどころか、ずっと誰かのために動いている。
なのにインスタを見た瞬間、
「私、今日なにしてたんだろ」
みたいな気持ちになることがありました。
いや、やってるんです。
めちゃくちゃやってるんです。
でも、人の整った一場面を見ると、自分の一日が急にしょぼく見える。
あれ、本当に最悪でした。
自分の暮らしが悪いわけじゃないんです。
自分がさぼっているわけでもないです。
ただ、人の整った場面が流れてきただけで、自分の現実が雑で足りないものに見えてしまう。
私はあれが嫌でした。
かなり嫌でした。
だから、やめて良かったです。
比べないように頑張るのって、きれいごとです。
頑張っても、疲れている日は比べます。
心なんて、そんなに立派じゃないです。
だったら、比べる材料そのものを減らしたほうが早いです。
私はそのほうが圧倒的に楽でした。

それから私は、「インスタに載せれるかも」で生活を見る癖もありました。
子どもがちょっとかわいい顔をした時。
今日のごはんが少しうまくできた時。
部屋がたまたま片づいていた時。
出先でいい感じの写真が撮れそうな時。
その瞬間に、どこかで
「これ載せる?」がよぎるんです。
毎回投稿するわけじゃないです。
でも、その「載せるかも」があるだけで、日常の見え方は変わります。
今を味わう前に、切り取ろうとする。
まず自分が感じる前に、見せられる形かどうかを考える。
私はこれが、地味にずっと嫌でした。
育児って、ただでさえ生活全部が仕事みたいなものです。
朝から晩まで、細かいやることが山ほどある。
終わったと思ったらまた始まる。
やってもやっても見えにくい。
そこにさらに、日常を人に見せる形に整える作業まで足したら、そりゃ疲れます。
誰にも頼まれていないのに、自分で自分の仕事を増やしていました。
やめてからは、写真の意味が変わりました。
見せるためじゃなくて、残したいから撮る。
反応がほしいからじゃなくて、あとで自分が見返したいから撮る。
この違い、かなり大きいです。
同じ写真でも、重さが全然違います。

あと、やめて本当に驚いたのは、頭の中が思ったより静かだったことです。
インスタって、休憩の顔をして入ってきます。
でも、あれ全然休憩じゃないです。
かわいい。
すごい。
え、ちゃんとしてる。
いいな。
うらやましい。
これ真似したほうがいいかな。
うちも何かしたほうがいいかな。
知らなかった。
遅れてるかな。
だめかな。
これが短時間で何回も起きます。
しかも育児の情報って、生活に直結するから厄介です。
ただの娯楽で終わらない。
参考になると同時に、比較にもなる。
役立つと同時に、足りなさも突きつけてくる。
便利だけど疲れる。
助かるはずなのに苦しい。
見ているだけなのに、なんか削られる。
私はずっとこれをやっていました。
やめた最初の数日は、指が勝手にアプリのあった場所を押しそうになりました。
もう消したのに。
もう見ないって決めたのに。
それくらい、完全に習慣になっていたんです。
でも、数日経ってから気づきました。
あれ、静かだな。
あれ、今日は変な焦りが少ないな。
あれ、人の家と比べて落ち込む回数が減ってるな。
子どもが寝たあとの数分を、誰かの生活を見る時間にしないだけで、頭がかなり休まりました。
何も起きていない時間が、ちゃんと静かなんです。
この静けさ、育児中の人ほど大事だと思います。

だって、育児しているだけで十分うるさいからです。
泣き声。
呼ばれる声。
物音。
予定どおりにいかない感じ。
ずっと中断されること。
気を張り続けること。
一日はそれだけで十分、情報過多です。
そこにさらに、他人の暮らしと他人の育児まで流し込んだら、そりゃ休まらないです。
私は、インスタをやめてから自分の家庭の基準に戻りやすくなった感じもありました。
インスタには便利な情報がたくさんあります。
離乳食、寝かしつけ、遊び、発達、収納、声かけ。
役立つものも本当に多いです。
でも、多すぎます。
多すぎると、人は軸を失います。
本当は、子どもによって違います。
家庭によって違います。
親の体力も違います。
頼れる人がいるかも違います。
仕事の有無も違います。
でも、見ているうちに
「これができていない私はまずいのかな」
「もっと頑張らないとだめかな」
が増えていくんです。

私は、育児のしんどさって、やることの多さだけじゃないと思っています。
他の家庭の正解っぽいものが、無限に流れてくることも、かなりしんどいです。
やめてからは、
「うちはこれで回ってる」
「今日はこれで十分」
と思いやすくなりました。
これは開き直りじゃないです。
他人の正解じゃなくて、自分の家庭の現実で考えやすくなった、ということです。
それと、会わない人の近況を知りすぎなくなったのも良かったです。
今はもう普段会わない人の子育てや暮らしを、前は毎日のように見ていました。
旅行に行ってる。
楽しそう。
家族仲よさそう。
ちゃんとしてそう。
でも、正直に言います。
それをたくさん見たからといって、私の生活は別に豊かにならなかったです。
元気になる日もゼロではなかったけど、余計な情報が増えただけの日のほうが多かったです。
育児中って、自分の世界が狭くなったように感じる時があります。
毎日似た流れで、同じことの繰り返しで、社会から少し遠くなった気がする時があります。
だからこそ、スマホの中の他人の生活がやけにまぶしく見える。
でも、まぶしいものを浴び続けたから元気になるとは限りません。
私はむしろ、どんどん自分の生活がくすんで見えました。
もちろん、不便なこともありました。
お店の情報もあるし、イベント情報もあるし、役立つ発信もあります。
だから「インスタは悪だ」と言いたいわけではありません。
でも、少なくとも私は、やめて正解でした。
育児中の私は、あれ以上情報を増やさなくてよかったです。
あれ以上、人の暮らしを見なくてよかったです。
あれ以上、自分を比べる材料を持たなくてよかったです。

インスタをやめたから人生が劇的に変わったわけではありません。
でも、確実に減ったものがあります。
理由のない焦り。
静かな自己否定。
見せる前提で過ごす時間。
他の家庭の物差しで自分を採点する回数。
これはかなり大きかったです。
育児って、ごはんを食べさせただけで一日が終わる日があります。
泣かせずにお風呂まで行けただけで、今日は勝ちと思いたい日もあります。
何もできていないようで、実際は一日中誰かのために動いていた日が山ほどあります。
私は、そういう日までインスタでだめに見えるのが本当に嫌でした。
だからやめました。
やめて良かったです。
見ないことで守れたものがありました。
比べすぎない気持ち。
人に見せる前に、自分で味わう時間。
自分の家庭に合う形を選ぶ感覚。
そして、今日を回した自分を必要以上に責めないための静けさです。

もし今、インスタを見たあとに少しざわつくなら。
他の家庭と比べて苦しくなるなら。
ちゃんとできていない気がするなら。
静かに削られている感じがあるなら。
一回やめたほうがいいです。
やめれない方は少なくとも、離れてみたほうがいいです。
育児中だからこそ、見ないほうが守れるものがあります。
私は、やめてからそれに気づきました。

他にも記事をかいています。ご覧ください

いいなと思ったら応援しよう!