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抱っこで疲れたママへ。肩を直接揉まずに肩こりをゆるめる方法

抱っこをせがむわが子の声に、今日も「はいはい」と応えながら、ふと気づくのです。
肩が、重い。
子どもが小さい頃、私は毎日何度も何度も、わが子を抱き上げていました。夫よりも「ママに抱っこして!」と言われることが多くて、体は疲れているのに、抱っこすると落ち着いてくれる子どもの顔を見ると、ついつい抱きあげてしまう。そんな日々の繰り返しでした。
そうして気づかないうちに、肩こりは慢性化していきます。
怖いのは、肩こりってあまりにも身近すぎて、自分の状態に気づきにくいことなんです。私の場合、ようやく「あ、すごく凝ってたんだ」と気づくのは、頭痛や吐き気が出てきたとき。気づいた頃には、もう重症になっていることがよくありました。
そんな日々を過ごしてきた経験と、整体師としての知識から、今日はママのための「寝る前3分のセルフケア」をお届けします。
ポイントは、頑張らないこと。肩をぐりぐり揉んだり、痛いストレッチをしたりはしません。「気持ちいい」と感じる範囲で、ゆっくり体をゆるめていく方法です。


肩こりを「肩」からほぐそうとしないでください

肩こりというと、つい肩そのものを揉んだり叩いたりしたくなりますよね。でも、ガチガチに凝った筋肉を直接刺激しても、その場しのぎになりやすいんです。
肩がこる本当の原因の多くは、胸郭(きょうかく)の動きの悪さにあります。
胸郭というのは、肋骨に囲まれた、肺が入っているあのカゴのような部分のこと。抱っこや前かがみの姿勢が続くと、胸郭まわりがどんどん固くなっていきます。胸郭が動かなくなると、呼吸が浅くなり、肩や首の筋肉が代わりに頑張ろうとして、結果として「肩がガチガチ」になるのです。
つまり、胸郭をゆるめて、深い呼吸ができる状態に整えてあげることが、肩こりの根本ケアにつながります。
これからご紹介する方法は、まさにそこにアプローチするものです。


ステップ1:呼吸で自律神経を整える(5分)

まずは、呼吸から。
寝る前の心と体を整えてくれる、**「レゾナンス呼吸(コヒーレント呼吸)」**という呼吸法をご紹介します。
少し聞き慣れない名前かもしれませんが、やることはとてもシンプル。1分間に約6回のペースでゆっくり呼吸するだけです。
やり方

  1. 楽な姿勢で横になります。枕の高さは、顎が引きすぎず反りすぎず、首が自然に伸びる位置に。

  2. 5.5秒かけて、鼻から静かに息を吸います。

  3. 5.5秒かけて、鼻または口から、ゆっくり息を吐きます。

  4. これを5分間、繰り返します。

コツ
頑張って深く吸い込もうとしなくて大丈夫。肺の6割くらいが目安です。
お腹や胸が大きく動くより、**「横隔膜だけがゆっくり上下している」**くらいの感覚で。鼻から空気が静かに入って、静かに出ていく。それだけを意識してください。
なぜこれが効くの?
呼吸のペースを1分間に約6回に整えると、心臓のリズムと呼吸のリズムが美しく同期します。すると、副交感神経の働きが最も高まる状態になり、心も体も自然とリラックスモードに入っていくのです。
寝る前に高ぶった神経をやさしく鎮めて、眠りに入りやすい体を作ってくれます。
「5.5秒」と聞くと細かく感じるかもしれませんが、最初はだいたいでOKです。スマホのタイマーやメトロノームアプリを使うと続けやすいですよ。


ステップ2:胸郭をゆるめるオープンブック(左右5回ずつ)

呼吸で体が少しゆるんできたら、次は胸郭を直接ほぐすストレッチです。
「オープンブック」と呼ばれるこの動き、本を開くように体をひらいていくことから、この名前がついています。胸郭の回旋(ねじる動き)の可動域を広げて、肋骨の間にある筋肉(肋間筋)の柔軟性を高めてくれます。
やり方

  1. 横向きに寝ます。

  2. 股関節と膝を、それぞれ90度に曲げて重ねます。下半身は安定させましょう。

  3. 両腕を胸の前に伸ばし、手のひらを合わせます。

  4. 上の腕を、本のページをめくるようにゆっくりと持ち上げて、背中側へひらいていきます。

  5. 視線は、動いている指先を追いかけます。

  6. このとき、骨盤や下半身が一緒に動かないように固定したまま。動くのは上半身だけです。

  7. 胸が気持ちよくひらいたところで、深く息を吐きます。

  8. 息を吸いながら、ゆっくり元の位置に戻します。

  9. 左右、それぞれ5回ずつ。

コツ
ポイントは、「気持ちいい」と感じる範囲で動かすこと。
「もっと開かないと」と無理に頑張る必要はまったくありません。今日の自分の体が「ここまでなら気持ちいいな」と感じる場所で、ゆっくり呼吸とともに動くだけ。
毎日続けていると、少しずつ可動域が広がって、体の変化を感じられるようになります。


痛いときは絶対にやらないでください

ひとつだけ、お願いがあります。
このセルフケアは、「気持ちいい」と感じる範囲でやるからこそ効果があるものです。痛みを感じる場合は、絶対に無理をしないでください。
「もっと頑張れば効くはず」「我慢して伸ばさなきゃ」という考えは、いったん横に置いておきましょう。痛みは、体からの「今日はここまで」というサインです。
痛みのない範囲で、ゆっくり、気持ちよく。それだけを守ってください。


このセルフケアの「いいところ」

実際にこの方法を続けてみて感じるのは、ほぐれていく感覚の心地よさです。
肩を直接ぐりぐりするわけではないのに、不思議と肩のまわりがじんわりと温かくなって、心地よくほぐれていきます。「あ、いま体がゆるんでる」と感じられる瞬間が、何より気持ちいいんです。
この心地よさが、また「明日もやろう」という気持ちにつながります。
頑張って続けるセルフケアではなく、気持ちいいから自然と続けたくなるセルフケア。これが、忙しいママにこそ向いていると思っています。
ぐるぐる動かして「ほぐした!」という直接的なアプローチではないので、最初は「これで本当に効くの?」と感じるかもしれません。でも、続けてみると、ゆるやかに、でも確実に、肩こりが軽くなっていきます。
そして何より、心も一緒にゆるんでいくことが、寝る前のセルフケアとして大きな価値なんです。


最後に

肩こりは、痛みが出てから慌てて対処するものになりがちです。私自身、頭痛や吐き気で「あ、肩がやばい」とようやく気づくタイプでした。
でも本当は、重症になる前に、毎日ほんの少しだけ自分の体に手をかけてあげること。それが、子育ての日々を健やかに過ごすために、いちばん大切なことだと感じています。
抱っこを終えた一日の最後、寝る前のたった8分。
呼吸で5分、ストレッチで3分。
スマホを見ながらでもできるくらい、ゆるくて気持ちいい時間です。
今夜、ふとんに入る前に。あるいは、ふとんの中で。よかったら試してみてください。
あなたの肩が、明日少しでも軽くなりますように。


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【保有資格・経歴】

  • 理学療法士(臨床10年)

  • 3学会合同呼吸療法認定士

  • ボバースアドバンスコース上級修了

  • ボバース小児ベーシックコース修了

  • 整体師


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