発表が得意になる子は、家でどう話している?日常会話を「学び」に変える親のひと工夫
こんにちは、ポニョちゃんママ先生です。
元小学校教員として多くの子どもたちを指導してきた経験と、現在3人の子育てに奮闘する母親としての視点から、日々、教育や育児のヒントを発信しています。
「うちの子、学校でちゃんと自分の意見を発表できるかしら…」
「作文や日記を書くのが苦手で、いつも『楽しかったです』の一言で終わってしまう…」
そんなお悩みを持つ親御さんは少なくありません。
でも実は、特別な教材や高価な習い事を始めなくても、日々の生活の中の「親子の会話」をほんの少し意識するだけで、子どもが生き生きと学び、自分の思いを論理的に伝える力は劇的に変わります。
準備するものは何もありません。お金もかかりません。
今日から移動中の車内や、お風呂の中、夕飯時の会話ですぐに実践できる「発表・作文が得意になる簡単習慣」をお届けします。
なお、本記事の後半では、子どもの脳をさらにフル回転させる「分類」や「関係付け」の具体的なアプローチ、我が家での年齢別スモールステップについて詳しく解説しています。
さらに、今日からすぐ使える
「【年齢別・シーン別】問いかけフレーズシート(PDF)」
もご用意しました!
お家でのびのびとお子さんの力を伸ばしたい方は、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
1. 普段の会話が、そのまま「作文のテンプレート」に変わる瞬間
我が家では、お出かけの帰り道などに、よく家族で「お話しタイム」をしています。 「今日一番楽しかったことは何だった?」と、パパもママも子どもたちも、それぞれ順番に話すだけの、ごく普通の時間です。
「普通すぎて、なんでわざわざ記事にするの?」と思われるかもしれません。
外から見れば普通の会話ですが、この時間、私は元教員の視点から密かに「ある問いかけのステップ」を意識しています。
例えば、家族で動物園に行ったとしましょう。多くのご家庭では、こんな会話が交わされていると思います。
親:「どの動物が可愛かった?」 子:「うさぎ!」
ここで終わってしまっては、少しもったいないのです。ここから、子どもの思考を深めるために、親が少しずつ質問を重ねていきます。
親:「なんでそう思ったのかな?」
子:「だって、おめめがくりくりだったもん!」
親:「じゃあ、他の動物よりも、うさぎが一番可愛かったんだね!他の動物と何が違った?」
子:「うさぎは小さくて、毛がふわふわだったんだよ。ひつじももこもこだけど、うさぎの方が小さくて可愛かった!」
お分かりでしょうか。 親が少し質問を重ねるだけで、子どもは無意識のうちに「理由を考える」だけでなく、「他のものと比べて、違いを言葉にする(比較)」という高度な思考を始めています。
これが小学生くらいになると、親の問いかけによって会話がさらにレベルアップします。
「『だって』を別の言い方にできるかな?(例:『理由は〜』『なぜなら〜』)」
「理由を2つ言ってみようか(例:『1つ目は〜』『2つ目は〜』)」
こうして日常で会話を重ねた内容は、子どもが文章を書くときに、そのまま頭の中で次のような文章に組み上がります。
「今日、動物園に行きました。私が一番可愛いと思った動物はうさぎです。 なぜなら、目がくりくりしていて可愛いと思ったからです。 理由は他にもあります。1つ目は、他の動物と比べて体が小さいところです。2つ目は、毛がふわふわで触り心地が良かったからです。」
特別な文章指導をしなくても、親との楽しい会話のキャッチボールが、そのまま日記や作文、そして学校での発表の骨組み(テンプレート)に変身していくのです。
2. 子どもの「考える力(思考力)」を呼び起こす3つの要素
「思いや考えを伝える」ためには、まず頭の中で「考える(思考する)」ステップが必要です。教育の現場でも、思考力を育てるために重要視されている3つの要素があります。それが「比較」「分類」「関係付け」です。
普段の会話に、この3つの要素を親がスパイスのように少しだけ意識して取り入れると、子どもの頭はフル回転を始めます。まず、もっとも取り入れやすい「比較」の例から見てみましょう。
①「比較」の問いかけ
漠然とした「可愛い」「楽しかった」という感想を、他のものと比べることで具体化させていく問いかけです。
「他の動物と比べて、何が違った?」
「え〜、位置を変えて、ひつじだってモコモコして可愛いよ? うさぎとはどこが違うと思う?」
2つのものを並べて、違いや共通点を言葉にすることで、子どもの表現力は一気にシャープになります。
「理由付け」と「比較」だけでも、子どもの伝える力は大きく伸びます。
しかし、ここからは、子どもの脳をさらにフル回転させ、より深い思考力を育てる「分類」と「関係付け」の具体的なアプローチ、そして我が家(4歳・6歳)で実際にやっている年齢別のスモールステップについて詳しく解説します。
さらに、スマホに保存して今日からすぐ使える「【年齢別・シーン別】問いかけフレーズシート」の画像とPDFファイルも巻末にご用意しました。
「我が子の考える力や伝える力を、お家で楽しく、のびのびと伸ばしてあげたい」と思われる方は、ぜひ続きをご覧ください!
②「分類」の問いかけ
物事の特徴を捉えて、グループ分けをする問いかけです。これを会話に入れると、物事を整理して考える力がつきます。
「うさぎに似ている(同じ仲間だと思う)動物はだれだろう?」
「逆に、全然似ていないと思う動物は?」
「この中で『大きいグループ』に分けるとしたら、どの動物が入るかな? ひつじは大きい? それとも小さい?」
属性や特徴を見つけ出し、「これは〇〇の仲間」と言語化する練習になります。
③「関係付け(関連付け)」の問いかけ
今の経験を、過去の記憶や自分の知識と結びつける問いかけです。
「今までに行った場所の中で、今日と似ているところはあった?」
「これ、前に読んだ絵本のあのシーンとちょっと似ていない?」
「うさぎと同じくらい可愛いと思うものを、お家の中から探すとしたら何がある?」
このように知識や経験を「点」から「線」へと繋ぐことで、子どもは物事を多角的に捉えられるようになり、話の引き出しが格段に増えていきます。
3. 親がやることは、たったの2つだけ
難しく感じるかもしれませんが、親がやるべきことはシンプルです。
思考を促す質問を、会話の後に1つか2つ投げかけてみること
ちょっとだけ、正しい言葉のバリエーション(「なぜなら」「1つ目は」など)を教えてあげること
これだけです。
※ただし、大切な注意点があります。
それは、必ず子どもの年齢やその時の様子(機嫌)に合わせることです。
小さいお子さんに矢継ぎ早に質問攻めをしてしまっては、せっかくの楽しい思い出が苦痛な時間になってしまいます。
我が家でも、4歳の次女には「〇〇が楽しかったです!」と丁寧な言葉で言えたら、「すごいね!花丸だね!」と、できたところだけをしっかり褒めて終わりにします。 6歳の長女には、「楽しかったところは2つあってね…」と、本人が言える範囲で少しずつ構成を意識した話し方を広げています。
「理由は〜」「1つ目は〜」といったカチッとした接続詞は、年長の後半や小学校に入ってから少しずつ教えていけば十分に間に合います。まずは、できるところから、スモールステップでたくさん褒めてあげてくださいね。
おわりに
学校での発表や作文が得意になる子は、特別な才能があるわけではなく、日頃から「自分の頭で考え、それを言葉にする安心感」を家庭でたくさん経験している子だと感じています。
お出かけの帰り道、夕飯の準備をしながら、「今日、学校(幼稚園)で一番笑ったことは何?」「なんでそれが面白かったの?」と、1ステップだけ会話を深めてみませんか?
親御さんが「子どもの思いを引き出す意識」を少し持つだけで、日常は最高の学び場に変わります。お金も準備もいらないこの習慣、ぜひ今日からの親子のおしゃべりに取り入れてみてくださいね。
皆さんの今日が、穏やかであたたかな時間になりますように。
🎁 「日常を学びに変える」問いかけフレーズシート
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